マスク氏とラマスワミ氏、外国人労働者ビザを擁護 トランプ氏支持者の反発招く

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マスク氏とラマスワミ氏、外国人労働者ビザ擁護で物議

(CNN) 米実業家イーロン・マスク氏とビベック・ラマスワミ氏が高技能労働者向けの「H―1B」ビザプログラムの拡大に賛同したことを受け、トランプ次期大統領の支持者の間では、H―1Bプログラムを政権の強硬な移民政策とどのように整合させるべきかを巡る議論が巻き起こっている。

マスク、ラマスワミ両氏は、トランプ氏から政府効率化省の責任者に指名されている。両氏はH―1Bビザを持つ労働者を雇用する企業を擁護し、IT企業の運営は外国人労働者が頼みだと主張。だが、そのメッセージは、次期政権に移民の取り締まりや米国人の雇用促進を期待するトランプ氏の忠実な支持者のいらだちを買っている。

トランプ氏は1期目在任中、外国人労働者ビザへのアクセスを制限し、過去の発言でH―1Bビザに矛先を向けてきた。しかし2024年の選挙戦では、米国の大学を卒業している場合、外国生まれの一部の労働者に法的地位を付与することに前向きな姿勢を示した。

マスク氏はSNSへの25日の投稿で、米国のIT企業は国内で働くエンジニアの数を現在の「2倍」にする必要があると述べ、H―1Bビザプログラムの利点を世界各地から最高の人材を採用するプロスポーツチームになぞらえた。

マスク氏はX(旧ツイッター)に「自分のチームに優勝してほしいと思うなら、出身地域を問わずトップの人材を採用する必要がある。それがチーム全体の勝利につながる」と書き込んだ。

インド移民の両親を持つ移民第1世代のラマスワミ氏はマスク氏に同意しつつ、労働力を求めて米国外に目を向ける企業を擁護。IT企業が米国外で生まれたエンジニアや移民の親を持つエンジニアを採用するのは、「米国の文化が優秀さよりも凡庸さを尊重しているからだ」と述べ、コメディードラマでの優秀な学生の描写を例に挙げた。

ラマスワミ氏は「米国の文化はあまりに長い間(少なくとも90年代以降、あるいはもっと長く)、優秀さよりも凡庸さを尊重してきた。この傾向は大学ではなく、若い頃から始まる」とつづり、「数学五輪のチャンピオンよりも学生パーティーの女王、卒業生総代よりも体育会系を称賛する文化からは、最高のエンジニアは生まれない」と指摘した。

こうした外国人労働者支持の姿勢に対し、トランプ氏の支持者からは批判の声が上がっている。彼らが懸念するのは、H―1Bビザの拡大により、トランプ政権下での移民抑制を求める自分たちの希望が潰(つい)える可能性だ。極右活動家のローラ・ルーマー氏や保守派識者のアン・コールター氏、マット・ゲーツ元下院議員といったトランプ氏の忠実な支持者は、IT起業家の2人を批判した。

マスク、ラマスワミ両氏の発言はニッキー・ヘイリー元国連大使からも非難を招いた。ヘイリー氏はラマスワミ氏の投稿に反応し、外国人労働者よりも米国人労働者を優先するよう次期政権に要求。「米国人労働者や米国の文化には何の問題もない」「我々は外国人労働者ではなく、米国人に投資して優先すべきだ」などと記した。

ただ、マスク、ラマスワミ両氏の立場は一部の民主党関係者の間でも支持を得ている。

コロラド州のポリス知事は26日夜、CNNの番組で「彼らは部分的には正しい。絶対にだ」と述べ、両氏が移民起業家の価値を認めていることを称賛。一方で、農業や建設業など米国経済の他のセクターで働く低技能移民の役割にも目を向けてほしいと訴えた。

ポリス氏は「移民によって創設された企業で働く米国人は何百万人にも上る。我が国が移民を受け入れていなければ、そうした職は今日存在していないだろう」としている。

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