新型コロナウイルス禍や人口減によるバス利用者の減少を受け、広島市が「上下分離方式」の導入を検討していることが2日、分かった。郊外や中山間地域を含めて路線バスの公共性が高いことを踏まえ、車両や車庫の保有・維持管理を事業者から切り離して経営負担を軽減するのが狙い。公的資金を投入し、将来にわたって持続できる効率的な運営方法を探る。
広島電鉄(広島市中区)をはじめ広島都市圏の7社などの参加を見込み、市は「全国でも先進的な取り組み」と説明。国の支援を前提とするものの、現在の制度では利用を見込める補助金などは見当たらないため、新制度の創設を国に提起している。市内を通る鉄道への導入も研究している。
上下分離方式は、車両の運行などの上部と、施設や車両の保有・維持管理などの下部を分離して運営する方法。市の案によると、市とバス事業者が出資してつくる資産管理会社が車両や車庫、バス停などの保有・維持管理を引き継ぐ。事業者は同社から有料で車両などを借りて運行する。車両の購入費や維持管理費が必要なくなり、事業者の負担軽減につながる。
▽鉄道路線についても研究を…