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- アメリカでは、家を購入しようとした半数の人が「泣いたことがある」ことが不動産サイトZillowの調査で分かった。
- Z世代では65%、ミレニアル世代では61%が住宅購入の過程で「泣いたことがある」という。
- 供給量の少なさ、全額現金払いの増加の影響で、アメリカの住宅市場はますます競争が激しくなっている。
不動産サイトZillowの最新調査によると、アメリカでは住宅の購入があまりにも大変なため、半数の人がその過程で少なくとも一度は「泣いたことがある」という。
調査の結果、住宅購入の過程でZ世代では65%、ミレニアル世代では61%が「泣いたことがある」ことが分かった。また、ラテン系の住宅購入者は黒人や白人の住宅購入者よりも「泣いたことがある」と答えた人が圧倒的に多かった。
「家を買うのは、他のどんな資産を買うのとも違います。非常に個人的で、感情的なものです」とZillowの住宅トレンドの専門家アマンダ・ペンドルトン(Amanda Pendleton)氏はコメントしている。
「住宅購入の申し出をする時、わたしたちはすでにそこでの暮らしを思い描いているものです。より良い条件を提示した競争相手に負けると、自分がすでに計画し始めていた未来を失うような感覚になることもあります」
こうしたトレンドの背景には、住宅市場の競争が激しさを増していることがある。アメリカでは住宅購入を希望する多くの人々が価格のあまりの高さに手が出せない状況が続いていて、中でもミレニアル世代やZ世代の若者は、全額現金払いや投資目的での購入が増加する中で、融資にますます頼るようになっている。
Zillowの2021年の『Consumer Trends Housing Report』では、住宅所有者の60%が家を売却するにあたって少なくとも2件の申し出を受けていた一方で、4月に売れた住宅の約半数は売却希望価格を下回っていたことが分かった。
歴史的な住宅供給量の少なさも市場の競争を加速させている。ただ、Realtor.comのデータは、2022年5月に住宅の在庫が2019年6月以来初めて増加したと示唆している。
景気後退の懸念は価格高騰に水を差し、一部の高級住宅購入者の行動にまで影響を及ぼしている。しかし、住宅不足は続き、価格も安定したままと見込まれているため、今よりも家を買いやすくなることはなさそうだ。
[原文:The process of buying a home is so traumatic that it's making half of Americans cry, survey finds]
(翻訳、編集:山口佳美)