
エルヴィ・カペロニス(Elvi Caperonis)は常に大手のテック企業で働きたいと思っていた。
2005年にコンピューター・サイエンスの学位を取得し、その後ソフトウェア・エンジニアリングの修士号を取得した彼女は、やりがいがあり、報酬の高い仕事、そしてビッグテックに付随する人がうらやむような特典や名声に惹かれたのだ。
「私は知的な人たちと一緒に、世界にポジティブな影響を与えるテクノロジーを構築することを目指していました」と彼女はBusiness Insiderに語った。「AIや機械学習のような最先端の技術を学ぶ機会を得るということにとても興奮していました」
2017年、テックコンサルティングの仕事を6年、ハーバード大学でテクノファンクショナル・レポーティング・アナリストとして3年以上勤めた後、カペロニスはマグニフィセント7(Magnificent7)の1つである一流テック企業でビジネスインテリジェンス・エンジニアとしてフルタイムの仕事に就いた。
しかし、その仕事に就くのは簡単ではなく、競争は厳しかった。
「多くの不採用を経験したことで、私は成長し、採用される方法を学ぶことができました」(カペロニス)
不採用に次ぐ不採用への対処法
失意の始まりは2012年、カペロニスがFortune500社の1社の求人に応募した時だった。2つの学位と数年の業界に関連する経験を持つ彼女は、自分がそのチャンスにふさわしい候補者だと信じていた。
2011年にアメリカに渡るまでほとんど英語を話せなかったカペロニスは、技術的な質問に答える時、「頭が真っ白になった」と言う。「答えは分かっていたし、自分がその技術を使ったシナリオを思い浮かべることもできたのですが、当時は自分の考えを英語で表現するのに苦労していたんです」
彼女は不合格だった。
就職活動を続けるうちに、カペロニスは、ストライプ(Stripe)、メタ(Meta)、ツイッター(Twitter、現在のX)、オラクル(Oracle)、アカマイ・テクノロジーズ(Akamai Technologies)など、テック業界の有名企業での不採用を繰り返した。彼女は、ビッグ・テックの仕事に就こうとした5年間で、推定100社以上の不採用通知を受けたという。
「不採用になるのはとても辛いものでした。ひとつひとつが深い傷のように、心が瞬時に傷つき、絶望的な気持ちになるのです」
カペロニスがさらにつらいと感じたのは、応募書類を提出したり、面接を受けた後に、雇用主から一切の連絡がなくなるということがしばしばあったことだ。
しかし、彼女は決してあきらめようとは思わなかった。「失望の重みが成長のきっかけになりました」と彼女は言う。そして、応募書類や面接のひとつひとつを、将来のチャンスにどう向き合うかについて洞察を深めるためのものとした。
また落ちたと思った
ある一流テック企業との面接は約8時間にも及び、行動に関した質問が何度も繰り返された。その日の終わりには、彼女はすっかり疲れ果て、落ちたのではないかと心配になった。
しかし、流れは変わった。
「採用担当者から良い知らせの電話があったとき、私は信じられないほど興奮し、嬉しかったです。自分の人生が変わろうとしていることを実感しました」
彼女は、大手テック企業に興味がある人は、履歴書を通して自分の業績と熟練度をアピールできるよう、しっかりと準備することを勧めるという。
以下が、彼女がこの仕事を得るのに大きな役割を果たしたという履歴書だ。



強力なビッグ・テック向けの履歴書:彼女の3つの秘訣
1. 自分というブランドへの入り口を作る
履歴書の一番上にあるプロフェッショナル・プロフィールの要約は、採用担当者が最初に目にするものであり、あなたというブランドの入り口として慎重に作られるべきだとカペロニスは言う。カペロニスは、この要約が「第一印象を左右する」と指摘する。
「採用担当者の注意を引くためにはわずか5秒しかない中、このセクションは、あなたのユニークな価値提案、つまりあなたのスキルや経験、他の候補者との違いをアピールするチャンスになるべきなのです」
彼女の場合、スクラムマスター(ScrumMaster)の資格、10年近い経験、誠実さ、慎重さ、忠誠心、誠意といった原則を強調した。
2. 自分の能力を証明する
カペロニスは、履歴書の職歴欄がビッグテックにとって最も重要な要素であると考えており、自分の経歴をより説得力のあるものにするために、実績と指標を取り入れた。
このセクションを通して、カペロニスは「300以上のレポートをデザインした」など、自分の業績を数値化するために詳細を加え、自分の仕事の範囲と影響力をより具体的なものにした。
3. 自分の能力をアピールする場を作る
履歴書の中で次に重要なセクションは、技術的スキルのセクションだと彼女は言う。
「技術系のリクルーターは、職務に必要な技術やツールなどの 「技術スタック 」を素早く確認した後、その職務に必要な実務経験があるかどうかを見るために、履歴書にざっと目を通すのを私は見てきました」
カペロニスが大手テック企業に応募する際の技術スキルの項目には、プログラミング言語、プロジェクト管理ツール、データ分析技術、チーム内でのコラボレーションやコミュニケーションに欠かせない対人関係のスキルなどが含まれていた。
「Oracle Business Intelligenceなどのビジネス・インテリジェンス・ツールに習熟していたこと、ハーバード大学でテクノファンクショナル・レポーティング・アナリストとして働いた経験が、最終的に自分の仕事を確保する上で重要な要素でした」と彼女は言う。
彼女ならこうする
振り返ってみると、カペロニスは履歴書の中で自分の経験と技術的スキルをうまくアピールできたと考えている。しかし、もし今日、履歴書を書き直すとしたら、自分の実績と熟練度をもっとアピールしたいという。
「単に自分の責任について述べるだけでなく、企業が節約できたお金、時間、リソースなど、自分の仕事のインパクトを示す指標をもっと盛り込むと思います」
彼女はまた、履歴書でいくつかの文法ミスを犯してしまったことから、提出前の校正をもっと念入りに行うべきだったと後悔している。「競争の激しいこの市場では、応募者は履歴書が洗練され、文法ミスがないことを確認しなければなりません」と彼女は言う。
技術系求職者として目立つ履歴書を作成するには、AIツールを使って職務内容を分析し、関連キーワードを提案し、履歴書をフォーマット化するのが賢明だとカペロニスは言うが、履歴書を提出する前に、キャリアコーチのような人に一度目を通してもらうことの重要性も強調した。
「履歴書を実際に人に見てもらい、パーソナライズしてもらうことの重要性はいくら強調してもしきれません」