TOPIX見直しで採用候補が人気化、スタンダードのマクドHD
田村康剛-
ハモニックや住SBI銀、ナカニシなども採用の可能性-岡三証
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選定基準の変更で持ち合い解消の促進にも効果的-フィリップ証
日本取引所グループ(JPX)が19日に東証株価指数(TOPIX)の見直しを発表したことを受け、リニューアル後の指数への採用が期待される東京証券取引所スタンダードやグロース市場の主要銘柄に買いが集まった。
20日の日本株市場で外食の日本マクドナルドホールディングス株は一時前日比4.6%高の6400円と2月9日以来、4カ月半ぶりの日中上昇率を記録。半導体製造装置向け減速機のハーモニック・ドライブ・システムズも5.7%高の4485円、オンライン銀行の住信SBI銀行は3.9%高の2893円、歯科用品メーカーのナカニシは6.8%高の2557円まで上昇する場面があった。
岡三証券の松本史雄チーフストラテジストはリポートで、「次期TOPIXはTOPIX1000に近い指数となる」と予測。昨年6月から今年5月までのデータを基に試算した結果、スタンダードやグロース市場からはマクドHDやはハモニック、住SBI銀、ナカニシなど26銘柄が新規採用される可能性が高いとの見方を示した。
JPXは19日、TOPIXを算出する銘柄の定期入れ替えについて、プライム・スタンダード・グロースの全市場区分を対象とする⾒直しに着⼿すると発表した。初回の定期入れ替えは2026年10月で、28年7月まで2年程度かけ移行を段階的に実施する。算出対象は現在の2000銘柄以上から1200銘柄程度に減り、スタンダードやグロースから約50銘柄を採用する見通しだ。
TOPIXの対象市場を拡大、機能性向上狙い銘柄は絞る-JPX
フィリップ証券の増沢丈彦株式部トレーディング・ヘッドは、指数見直しを受けて連想買いが関連銘柄に入っていると解説。選定基準において、流動性基準が現在の流通株ベースに代わって浮動株ベースに変更されることから、持ち合い解消の促進にも効果的であると話した。
クイッディティー・パートナーズのアナリスト、トラビス・ランディ氏は投資分析情報サイトのスマートカルマでのリポートで、採用銘柄に市場区分は関係なくなることから新規株式公開(IPO)への影響が大きく、大型化が進むだろうと指摘している。
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