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第一生命やみずほ銀出資、コーラルVCファンド-機関投資家が存在感

  • 250億円ファンド組成、機関投資家比率が約7割に-コーラルCEO
  • かんぽ生命含む生保各社がオルタナ資産投資を積極化-2024年度計画

ベンチャーキャピタル(VC)大手のコーラル・キャピタル(東京都港区)は250億円の第4号ファンドを組成した。日本政策投資銀行(DBJ)、第一生命保険みずほ銀行など機関投資家の出資比率が約7割と、事業会社に代わり存在感を増しつつある。

  ジェームズ・ライニー最高経営責任者(CEO)が22日の取材で明らかにした。2021年に組成した140億円のファンドでは、事業会社やファミリーオフィス、エンゼル投資家らが5割超を占めていた。今回は機関投資家による出資額が増え、全体に占める比率も高まった。

  日本銀行が金融政策の正常化に動いたことで機関投資家の運用方針は変わりつつあり、これまで事業会社が大きな役割を担っていた国内VC業界にも影響が出始めている。

Key Speakers At The Bloomberg The Year Ahead
コーラル・キャピタルCEOのライニー氏
Photographer: Akio Kon/Bloomberg

  ライニー氏は「機関投資家を呼び込もう」としてきたこれまでの成果だと説明。当初ジーンズにジャケットというカジュアルな服装での訪問は違和感を持って受け止められたが、「やっとお堅いイメージだった機関投資家が認めてくれるようになった」と語った。

  同氏によると、米中関係の緊迫化で投資先としての日本に注目が集まる中、国内新興企業の支援に向けた政府の税制優遇措置などが追い風となり、より幅広い投資家が日本のスタートアップ企業への投資を模索している。

  かんぽ生命保険第一生命など国内生保各社は4月公表の24年度の資産運用計画で、収益性確保とポートフォリオのリスク分散の観点から、オルタナティブ資産に積極的に投資する考えを示した。

  コーラル・キャピタルはこれまでに115社を超える国内スタートアップ企業に投資してきた。今回の調達で運用総額は600億円規模となり、核融合やロボティクス、バイオ企業などに1件あたり5000万円から30億円までを投資する計画だという。

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