米国立研、核融合エネルギー投入上回る出力と関係者-政府発表か
Shiyin Chen、Ari Natter、William Wade-
レーザーエネルギーの約120%に相当する約2.5メガジュールの出力か
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米エネルギー長官が国立研の「重大な科学の画期的成果」を13日発表
米エネルギー省が所管するローレンスリバモア国立研究所の研究者らが、核融合炉の燃料から投入を上回るエネルギーが出力される状態を初めて達成したと事情に詳しい関係者1人が明らかにした。温室効果ガスが発生しないクリーンな商業用核融合発電の実現に向け画期的な一歩となる可能性がある。
水素同位体の燃料を詰めたペレット(小球)に世界最大の装置から大出力レーザーを照射し、発生したプラズマを爆縮させることで、核融合反応を引き起こす「慣性閉じ込め方式」による実験で、過去2週間のうちに「ネット・エネルギー・ゲイン」が達成されたと英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)が先に報じていた。
最近行われた実験の予備段階の結果に詳しい関係者3人を同紙が引用したところでは、データは引き続き解析中だが、レーザーのエネルギー2.1メガジュールの約120%に相当する約2.5メガジュールの出力があったという。
グランホルム・エネルギー長官とハルビー・エネルギー次官(核安全保障担当)が13日、ローレンスリバモア国立研での「重大な科学の画期的成果」を発表する予定をエネルギー省は公表したが、それ以上は言及していない。
ローレンスリバモア国立研の広報は、データ解析を継続中であり、さらなる詳細を13日に発表すると説明した。
民主党のテッド・リュー下院議員は、今回の核融合エネルギーの画期的進展が事実なら「世界の情勢を一変させるゲームチェンジャーになり得る」とツイートした。
核融合の技術開発には、米アマゾン・ドット・コムの共同創業者ジェフ・ベゾス氏やマイクロソフトの共同創業者ビル・ゲイツ氏を含む支援者が多額の投資を行ってきたが、最近数年は政府系ファンド(SWF)や国家開発銀行、ベンチャーキャピタリストも後押しに動き始めた。
原題:US Scientists Make Breakthrough in Nuclear Fusion Energy (1)(抜粋)