米ウィスコンシン州の学校で銃撃、2人死亡 容疑者の生徒も死亡
米ウィスコンシン州の学校で16日、銃撃があり、教師1人と10代の生徒1人が死亡、6人が負傷した。警察が発表した。米メディアは、容疑者は17歳の女子生徒だと報じている。
銃撃は、同州マディソンにあるアバンダント・ライフ・クリスチャン・スクールであった。幼稚園から高校まで、約400人の生徒が通っているという。
警察などによると、負傷者のうち少なくとも生徒2人が、命に関わるけがを負った。容疑者とみられる人物1人の死亡も確認された。
マディソン警察のション・バーンズ本部長は記者会見で、容疑者は同校に通う10代の生徒だと述べた。性別は明らかにしなかった。
「今日はマディソンだけでなく、私たちの国全体にとって悲しい日だ」とバーンズ本部長は述べた。「私たちは地域社会で、もっとよい役目を果たさなければならない」。
本部長によると、警察は犯行の動機を特定できていない。容疑者の家族は捜査に協力しているという。
何があったのか
事件は16日午前11時ごろ、キリスト教系の同校で起きた。通報を受け、警察が現場に駆けつけた。
警察が到着した時にはすでに、容疑者は死亡しており、警官が発砲することはなかったという。
複数の人が銃で撃たれており、病院に搬送された。
警察のバーンズ本部長によると、負傷者6人のうち生徒2人が重体で、命の危険がある。ほかの4人は命に別状はないという。
警察は現場から拳銃1丁を押収した。銃撃は一つの空間の中だけで起きたというが、それが教室なのか廊下なのかはわかっていない。
当局は、ほかの学校や周辺地域に対する継続的な脅威はないとしている。捜査は続いている。
住民は学校一帯に近づかないよう求められている。周囲の道路は閉鎖されている。
校舎の隣には、生徒と保護者を引き合わせるための場所が設置された。
「あの校舎の中にいるすべての子供たち、すべての人が被害者であり、永遠に被害者であり続けるだろう」と、バーンズ氏は述べた。
学校から約4キロメートルの場所には法執行機関の訓練センターがあり、そこで訓練中の警官が現場に駆けつけたと、バーンズ氏は説明した。
「訓練のはずの1日が、現実のものとなってしまった」
マディソン消防署のクリス・カーボン署長によると、通報を受けて15台の救急車が対応した。
地域社会の反応と当局の対応
地元当局者は16日午後、記者会見を開いた。「手を差し伸べ、助けを求めてください。このようなことが、私たちのコミュニティーの現実となる必要はありません」と、デーン郡のメリッサ・アガード氏は述べた。
ウィスコンシン州のトニー・エヴァース知事は、この事件を注視していると述べた。
「私たちは、さらなる情報を待ちながら、そして迅速に対応している第一対応者に感謝するのと同時に、子供たちや教育者たち、アバンダント・ライフ・スクール・コミュニティー全体のために祈っている」とソーシャルメディアに投稿した。
ホワイトハウスによると、ジョー・バイデン大統領は事件についてすでに報告を受けており、政府高官が地元当局と連絡を取り合っている。
バイデン大統領は「今すぐ行動」し、「銃暴力の惨劇」から子供たちを守るよう議会に求めた。
連邦捜査局(FBI)ミルウォーキー支部の捜査官は、現場で地元の法執行機関を支援していることを認めた。
このほかに、アルコール・たばこ・火器爆発物取締局(ATF)やデーン郡保安官事務所なども事件に対応している。
アメリカで多発する銃撃事件
アメリカでは銃撃事件が多発しており、学校もたびたび現場になっている。
非営利団体「K-12バイオレンス・プロジェクト」は、アクセス可能で実行可能な調査を通じて、暴力行為の削減に取り組んでいる。調査対象には、銃を振り回したり、発砲したり、学校の敷地内に銃弾が命中するなどの事件が含まれる。
報道機関「EducationWeek」によると、アメリカでは今年、学校での銃撃による死傷事件は38件発生している。ウィスコンシン州で今回の銃撃事件が起きる前の被害者は69人で、うち16人が死亡している。