死んだクジラ、胃に40キロ分のプラスチック
3月初めにフィリピンに打ち上げられたクジラの死体から、重さ計40キロにもなる大量のプラスチック袋が見つかった。地元の自然科学博物館が16日、明らかにした。
若いオスのアカボウクジラは死体となって、フィリピン南部ミンダナオ島ダヴァオの東に打ち上げられた。16日に死体を回収したディボーン収集博物館の研究者によると、「クジラの体内にこれほど大量のプラスチックを見つけるのは初めて」だとフェイスブックに書いた。
クジラの胃の中には「大量のプラスチック袋」や米袋16枚などが入っていたという。
博物館はフェイスブックに「とんでもないことだ。水路や海をごみ捨て場のように扱う連中を、政府は取り締まらなくてはならない」と書いた。
博物館の創設者、ダレル・ブラッチリー館長はCNNに「まさかこれほど大量のプラスチックが出てくるとは、思ってもみなかった」と話した。「あまりに大きい塊で、プラスチックの石灰化が始まっていた」という。
使い捨てプラスチックはフィリピンを含め、一部の東南アジア諸国で大きな社会問題となっている。
2015年に海洋保護団体とマッキンゼー・ビジネス環境センターが発表した報告書によると、海に流れ込むプラスチックごみの6割は、中国、インドネシア、フィリピン、ヴェトナム、タイのアジア5カ国から排出されるものだったという。
昨年6月にはゴンドウクジラがプラスチック袋80枚を飲み込み、タイ南沖で死亡しているのが見つかった。
英政府は昨年3月、海に流れ込むごみを減らす対策を進めなくては、海にプラスチックごみの量は10年間で3倍に増えると警告する報告書を発表している。