中国で増える「ベッドになる学習机セット」 受験競争激化の中で導入

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北京=斎藤徳彦
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 中国各地の小中学校で、座ったままでも体を伸ばして昼寝ができる机と椅子が出現している。受験競争が激化し、長時間の勉強が当たり前となっている中国の学校で、子供たちの健康を守る「奥の手」として期待されている模様だ。

 中国国営新華社通信によると、貴州省遵義市正安県では2023年11月から、県内24の小中学校に、ベッドにもなる机と椅子を8千セット以上を導入した。

 子供たちは昼食が終わると、昼寝の時間に入る。まず可動式の机の天板を前に傾ける。一方で椅子の背もたれを後ろに倒して足置きを出せば、机がびっしり並ぶいつもの教室でも、体を伸ばして寝られるようになる。

 毛布をかけてクラス全員が席で眠る様子は、まるで飛行中の旅客機での就寝時間帯のようだ。

 新華社(電子版)によると、机と椅子を導入するなどして昼寝をしやすくする試みは、浙江省江西省など他の地域にも広まっている。机の上でうつぶせになるなどの不自然な体勢をとらなくてすみ、子供たちの評判も上々という。導入する学校はさらに増えそうだ。

長時間の自習を続ける生徒たち

 貴州省正安県にある小学校の…

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この記事を書いた人
斎藤徳彦
中国総局長
専門・関心分野
国際経済、中国の経済・政治
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    阿古智子
    (東京大学大学院教授=現代中国研究)
    2025年2月11日14時17分 投稿
    【視点】

    基礎教育を受ける小中学校で、子どもが外で走り回って遊ぶのではなく、教室で横になって睡眠を取らなければならないほど疲れ果てている。中国の学校で、休み時間の「目の体操」(目やその周辺のマッサージ)や机に突っ伏しての仮眠はよくみられる光景だ。子ど

    …続きを読む