少数与党転落で岐路にある自公連立政権。水面下でやりとりされる連立政権の行方を追い、その先に待ち受ける政治の姿を展望します。
昨年9月23日、自民党総裁選の投開票を数日後に控えた石破茂は携帯電話を取り出し、1通のメールを送った。「おめでとうございます」
送り先は、同日に立憲民主党代表に就任した野田佳彦。野田からの返信にはこうつづられていた。「石破さんも頑張ってください」。4日後、石破は党総裁選を制し、首相の座を射止めた。
最大与党と野党第1党。それぞれ党首を務める石破と野田は、ともに1957年生まれ。石破は90年代に自民を離党した間、野田も参加した小沢一郎率いる新進党に所属したことがある。石破と野田はお互いに酒豪を自任し、酒を酌み交わしていた仲だ。今でこそ立場上、気軽に会うことはできないが、石破は今月1日放送のラジオ番組で、日本維新の会・共同代表の前原誠司とともに、野田の名前を挙げてこう言った。「『中道政治』を目指す意味で相通ずるものがある。長い友人で、裏切られたことが一度もない」
そして、石破は「いよいよト…