「マイノリティーばかり」という批判はどこから 多様性後退する米国

有料記事トランプ再来 世界の視点

聞き手・田中聡子
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文化人類学者 山口智美さん

 かねてジェンダー平等やマイノリティーの権利に否定的だったトランプ氏。大統領就任を機に米国では、企業や大学が歩調を合わせるように多様性のための取り組みを後退させています。

 これから何が起きるのか、日本への影響は――。昨秋まで約30年間米国で暮らした文化人類学者の山口智美さんに聞きました。

 トランプ大統領の再選により、女性やマイノリティーはさらに厳しい環境に置かれるでしょう。彼は選挙中も、移民やトランスジェンダーをバッシングする言動を繰り返していました。

 前回トランプ氏が当選した際は、女性やマイノリティーの権利を訴える大規模なデモが起きるなど、「反トランプ」の運動も熱を帯びました。トランプ氏が最高裁に保守派判事を増やし、中絶の権利を保障する「ロー対ウェード判決」が2022年に覆された時には、各地で怒りの声が上がり、同じ年の中間選挙共和党の躍進を阻止しました。

ハリス氏が「マイノリティー性」を出せなかった理由

 ところが今回、トランプ氏は…

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    BossB
    (天文物理学者・信州大准教授)
    2025年1月21日11時10分 投稿
    【視点】

    山口さんがおっしゃることで、特に怖いと感じるのは、日本があらゆる分野でアメリカのケツをなめ、模倣し続けるがゆえに、「米国でもDEI(多様性、公平性、包括性)をなくす方向に向かっているのだから」と言って、日本でもマイノリティーの権利保障が反動

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