米メタ、多様性確保の目標廃止へ トランプ氏と歩調合わせる
サンフランシスコ=奈良部健
米メタ(旧フェイスブック)は、多様性や公平性の確保に向けた目標を廃止する。トランプ次期政権が、DEI(多様性、公平性、包摂性)の取り組みを否定する姿勢を見せており、米企業で歩調を合わせる動きが相次いでいる。リベラルな価値観が強いIT企業にも広がってきた。
メタの方針転換について、複数の米メディアが伝えた。報道によると、メタは採用で多様性への配慮をやめるほか、多様性の観点から取引先を決めてきた方針も廃止する。社内のDEIに特化したチームもなくす。
メタは、投稿の信頼性を第三者が評価する「ファクトチェック」を米国で終了すると発表したばかり。トランプ次期大統領の就任を前に、歩調を合わせることで関係改善を狙ったとみられる。
多様性をめぐっては、米連邦最高裁が2023年、大学入試で人種的少数派を優遇する「アファーマティブ・アクション」を違憲とした。以降、DEIそのものが逆差別だとして批判の対象となり、一部の保守系活動家らがDEIを掲げる企業の商品ボイコットを訴えてきた。そのため、企業では多様性へ配慮する取り組みを縮小する動きが出始めていた。
メタ以外では、外食大手の米…