再び横須賀に来た米空母ジョージ・ワシントン 性能と米国の狙いとは
米原子力空母ジョージ・ワシントン(GW)が11月22日、米海軍横須賀基地(神奈川県)に配備されました。GWは2008年から15年まで、原子力空母として初めて日本に配備されました。横須賀配備の米空母を取材してきた軍事ジャーナリストの柿谷哲也氏は、GWが初めて日本に配備された16年前と比較して、大きく変わった点がいくつかあると指摘します。
――今回のGW入港で何を感じましたか。
私は1980年代から、米空母の横須賀入港を取材してきました。当時は入港に反対するデモが激しかった記憶があります。GWが2008年に横須賀に入港したときも、「初めての原子力空母」という理由から、陸上や海上で激しい入港反対デモが起きました。今回も陸・海上デモがありましたが、08年当時の3分の1程度の規模という印象でした。
――入港には、エマニュエル駐日米国大使も立ち会いました。
米海軍空母が日本に配備される際、必ず駐日大使が歓迎式典に出席し、記者会見するのが慣例です。エマニュエル氏のあいさつでは、「中国」という言葉が何度か使われました。中国の脅威を抑止しなければならないという米国の強い危機意識を感じました。
また、エマニュエル氏は、GWのシスターシップ(姉妹艦)にあたる海上自衛隊の大型護衛艦「いずも」の名前に直接触れました。そのうえで、日米同盟がどうしても必要だと強調していました。日本の役割と責任が増えている証拠です。
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