運賃は言い値、コスト削減で下道指示 中小運送会社は長距離から撤退
トラック運転手の残業時間の上限が1日から設けられた。すぐに物流が滞るわけではないが、いずれ荷物が運べなくなるおそれのある「2024年問題」が懸念される。とくに影響が大きいのが長時間労働になりがちな長距離輸送だ。
物流は運転手の長時間労働に頼ってきた。その労働時間を抑えるため、労働基準法を改正し、4月から時間外労働を年960時間までとする規制が始まった。悪質な違反には罰則が科される。拘束時間は休憩を含めて年3300時間までとなり、運転手が足りなくなるおそれがある。
運転手30人あまりで日用品や雑貨の長距離輸送を担う神奈川県内の運送会社は、2月に大阪府や兵庫県との定期便から撤退した。この区間を決まったスケジュールで行き来すると、運転手の1日の残業は約4時間となり、上限の年960時間を超えるためだ。
規制すれすれの働き方を続けていては、渋滞や通行止めが起きるだけで上限時間を超えかねない。仕事を分担するために新たに運転手を雇えるほど経営に余裕はない。幹部は「短距離に切り替えるなど、上限を超えない仕事を選ぶしかない」と漏らす。
長距離の「上限超え」 事業者4割
新たな規制を念頭に配送方法…
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