今日も、いるかな。
毎朝8時50分、大阪府豊能町。専門学校の学生を乗せたバスのハンドルを握るバス運転手、辻賢司さん(61)=兵庫県川西市=には、小さな楽しみがあった。
歩道で、幼稚園の送迎バスを待つ青い制服姿の男の子とお母さん。反対車線を通る辻さんの白い中型バスを見つけると、にこにこ顔で手を振ってくる。
脇見運転にならないように注意しながら、辻さんが小さく手を上げると、男の子はいつも、何度も手を振り返した。
バスが大好きというのがすぐにわかるほど、男の子はバスに大きく手を振ったり、時には、追いかけてきたり。その姿に気づいてから、約束のように合図を交わすようになっていた。
男の子が、夏休みや冬休みに入ると見かけなくなる。そのたびに、辻さんは少し寂しかった。ただ、休みが明けると、どこか大人びてお兄さんになっていた。見ないうちに大きくなるもんだ、と成長を楽しみにしてきた。
そんな光景が3年目を迎えた2022年春。今年度は、卒園の年のはず。最後まで見守りたいとひそかに思っていた。
びっくりして、困ったような表情、そして…
ところが、その年の秋、辻さ…
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- 【視点】
みなさま~、たいへん長らくお待たせいたしました~。「想いをつづって」シリーズ、再開です。バスの運転手さんと乗客との心の交流、きっと日本の各地であるのだと思います。そして、バスの運転手さんが減り、バス路線がどんどん廃止されている今の日本から、
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