丸谷才一が描いた台湾独立運動 それはどこまで虚構だったのか

有料記事序破急

論説委員・村上太輝夫=国際社説担当
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 丸谷才一の長編『裏声で歌へ君が代』に「台湾民主共和国大統領」の洪圭樹なる人物が登場する。これにはモデルとなった廖文毅(1910~86)という政治家がいる。戦後、中国国民党の圧政が始まった台湾を脱出して東京に臨時政府を樹立、大統領となり、台湾独立の旗を振った。その後、国民党政権に脅迫めいた説得をされて65年、台湾に戻った。この悲しい経緯が小説後半の主軸となる。

 廖の故居が台湾中部の雲林県西螺鎮にある。選挙取材の合間に足を延ばした。

 日本統治期に建てられたれん…

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