殺処分寸前から「世界一有名なシバイヌ」に その波瀾万丈な物語とは

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伊藤繭莉
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 「世界一有名なシバイヌ」とも呼ばれる、推定18歳の雌犬が千葉県で暮らしている。

 名前は、かぼす。

 11月の誕生日には、国内外からのファン300人ほどが集まった。

 もとは殺処分される寸前だった保護犬だった。

 3歳ぐらいの時、飼い主だったブリーダーが廃業。19匹のシバイヌと一緒に、動物愛護センターに持ち込まれた。多くの犬が殺処分される中で、動物愛護団体に偶然引き取られた。

 2008年秋。団体の「里親募集」のサイトに掲載されたかぼすの姿を、保育士の佐藤敦子さん(62)=千葉県佐倉市=がみつけた。2年前に飼い犬を亡くしており、かぼすの笑顔にひかれたという。

 ただ、佐藤家にやってきたかぼすは、それまで劣悪なケージの中で育ってきたせいか、毛並みも悪く、痩せていた。おびえたような様子で、隅っこで人間を観察していた。

 佐藤さん家族や、その後に飼い始めた3匹の保護猫と暮らす中で、少しずつ心を開くようになっていった。

 10年、佐藤さんはかぼすとの何げない日常を切り取った1枚の写真を自身のブログにあげた。

 自宅のソファに前脚を交差して座り、横目でさも何かを考えているような姿。実際は「遊ぼう」と誘う佐藤さんの夫に向けて、頭だけを動かして応えた瞬間だった。

 それが、運命を変えるきっかけになった。

 3年後。かぼすの写真がネッ…

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