迫る物流「2024年問題」 運転手出身、佐川急便社長の打開策は
トラック運転手の人手不足が深刻化する「2024年問題」。その要因となる残業時間の規制強化までおよそ100日となった。物流が滞りかねない問題が迫るなか、佐川急便の本村正秀社長(63)が朝日新聞などのインタビューに応じ、運賃の値上げを原資に賃上げや効率化を進める考えを語った。
――規制が始まる来年4月から運賃を平均7%値上げすると発表しました。どんなねらいでしょうか?
「2024年は(下請けなどの)パートナー企業に対する支払金額の見直しを考えなければならない年になる。顧客企業には、運賃を上げないと厳しいということを伝え、交渉していく。ドライバーの給料は全産業平均より1割低いのが課題だ。残業時間が減って給料が下がると魅力がなくなる」
――「2024年問題」で予想される輸送力不足にどう対応していきますか。
「中継輸送に取り組んでいる。荷台を切り離せるトラックを使い、浜松で東京と大阪から来た運転手がそれぞれ荷台ごと交換すれば、自宅に日帰りできるようになる。当社は約140台、パートナー企業も60台ぐらい導入している。鉄道やフェリーへのモーダルシフトも進めている。フェリーは東京-福岡ならトラックと遜色ない」
「当社は残業時間の基準をクリアしているので、今後はパートナー企業の労働時間をいかに縮めていけるかが課題だ。一番先に価格改定(運賃値上げ)の方針を出したのは、業界全体に波及していくと思ったからだ」
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