東大生の「キャリア官僚離れ」が深刻だ。採用の前提となる国家公務員試験(総合職)の合格者は10年間で3割減り、全体に占める割合も半減した。なぜ霞が関をめざさなくなったのか。
公務員を就職先に選んだ経済学部生は10年前より8割減って「1桁」に――。
今年夏、東大が3月に卒業した学生の進路を公表すると、省庁の幹部に驚きが走った。
国と地方を合わせた公務員就職者は9人。10年前は46人だった。1桁になるのは、記録が残る過去20年間で初めてだ。
経済政策の司令塔の内閣府はかつて、経済学部生の有力な進路の一つだった。景気分析や経済成長率予測を担う官庁エコノミストの主力を長く担ってきたが、人気の低下が続く。幹部のひとりは「エコノミストとして採用できるのは数年に1人」と明かし、「霞が関の地盤沈下もここまで来たか」と嘆く。
公務員離れは、経済学部だけでない。
今年3月に法学部を卒業した…