「トランプ氏、4罪で訴追を」 米議事堂襲撃、特別委が司法省に勧告

ワシントン=望月洋嗣
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 2021年1月に起きた米連邦議会議事堂襲撃事件を調査してきた米議会下院の特別委員会は19日、トランプ前大統領を四つの罪で刑事訴追するように米司法省に勧告した。ただ、勧告に拘束力はなく、米メディアは象徴的な意味合いが強いと報じている。

 民主党7議員、共和党2議員からなる特別委は調査の最終報告書を全会一致で承認。トンプソン委員長(民主)は20年の大統領選で落選したトランプ氏が「大統領職にとどまろうと、多岐にわたる計画を通じて選挙結果を覆そうとし、政権移譲を妨げた」と指摘した。

 最終報告書の要約によると、トランプ氏は、大統領選で不正投票があったとの虚偽の情報を拡散したほか、結果を覆すために、連邦議会や司法省、ペンス副大統領(当時)らに圧力をかけたとされる。また、議会襲撃が起きた後も数時間にわたって事態収拾に動かず、事件に関与した自身の支持者に対し議会を離れるように呼びかけなかった。特別委はトランプ氏の行為は権力移譲の妨害や議会襲撃の幇助(ほうじょ)にあたるとして、司法省に刑事訴追を勧告した。

 特別委は1年半にわたり、トランプ政権の元幹部や事件関係者らから1千回を超す聴取をしてきたが、トランプ氏や最側近の一部は召喚に応じなかった。11月の中間選挙で下院は共和党が多数派となったことから、来年1月に特別委は解散される。トランプ氏をめぐる数々の疑惑に関する捜査の行方は米司法当局に委ねられることになる。

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この記事を書いた人
望月洋嗣
アメリカ総局長
専門・関心分野
国際政治、紛争