軽井沢以外で「軽井沢」使わないで 町長が異例のお願い

滝沢隆史
[PR]

 長野県軽井沢町外の事業所名や、町と関係のない商品名に「軽井沢」の呼称は使わないで――。全国有数の避暑地として知られる同町の藤巻進町長が29日に記者会見し、異例の要請をした。「軽井沢」のブランド価値を守るためという。

 町によると、町外の宿泊施設名に軽井沢を入れたり、「軽井沢で免許合宿」と誘客する商品があったりし、町や軽井沢観光協会に寄せられる苦情は少なくないという。町の調査では、町外なのに「軽井沢」を名乗る事業所名だけでも、周辺6市町村で計59件が確認されたという。

 藤巻町長は、軽井沢の呼称について「町民にとって一級の無形の財産」と指摘。地名は商標登録ができず、「使い放題の状態。消費者が混乱し、ブランド価値を損なう可能性がある。街の輪郭もぼやけてしまう」と述べた。今後は個々の事案に個別に要請することはせず、町のホームページなどで広く呼びかけるという。「西軽井沢」の呼称がある長野県御代田町の地域や、「北軽井沢」の地名がある群馬県長野原町の地域は除外する。

 町は来年度からふるさと納税で初めて返礼品を導入する予定で、町外の商品と差別化を図りたい意向もある。藤巻町長は「軽井沢が特別なのではなく、どこの自治体でもありうる問題だ。将来は町がお墨付きを与える認定制度なども検討したい」と話した。

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません