損失年1兆円の「魔女の雑草」、退治へ日本から成果続く

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米山正寛
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科学の扉 「魔女の雑草」とたたかう

 農作物の根に寄生して養分や水分を奪い、「魔女の雑草」と呼ばれる雑草ストライガ。アフリカの半乾燥地帯でトウモロコシなどに甚大な被害を与えてきた。その防除について、日本から貴重な研究成果の発信が続いている。

 ストライガはハマウツボ科の寄生植物。1株に数万個の種子ができ、こぼれた種子は寄生相手の農作物が近くに育つまで何年も待ち続ける。作物が土の中へ出す物質「ストリゴラクトン」を感知すると発芽し、すぐに根を伸ばして作物の根に取り付き、養分や水分を奪うようになる。そして、1カ月余りで赤紫色の花を咲かせる。

寄生を逆手に、「自殺発芽誘導」作戦

 アフリカのサブサハラ地帯では、このストライガが時に畑の収穫を皆無にするほどの被害を与える。暮らしを脅かされている人は3億人にも及び、毎年の損失額は1兆円とも見積もられる。米科学誌サイエンスが、世界の食料安全保障に対する七大脅威の一つとして注意喚起したこともある。

 対策の一つに、「自殺発芽誘…

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