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Hola! 山梨特派員の水月です。
2025年1月。マドリードから、特急AVANTで約30分。古都トレドへ行ってきました。「スペインに一日しかいないならトレドへ」ともいわれる、スペイン中部カスティリャ=ラ・マンチャ州にある世界遺産の都市です。トレド散策〈2〉は、エル・グレコの絵画スポットを紹介します。
エル・グレコ(1541年―1614年)は、ギリシャのクレタ島に生まれた画家。
本名ドメニコス・テオトコプーロス。まったく違う「エル・グレコ」の名で知られるのは、イタリアで絵を学んでいた際に、イタリア語で「El Greco(ギリシャ人)」と呼ばれていたからだそうです。
ヴェネツィアで絵画の基礎を学び、ローマへ移り、その後スペインのトレドへと移住。トレドの町を愛し、生涯トレドで過ごしたといいます。
絵の特徴としては、人物を縦長に伸ばしたような表現、神秘的とも感じられる強く明るい光を当てる技法、鮮やかかつ独特な色づかい、主に描いた宗教画にさえ見られる深い感情表現などが上げられるそうです。
トップの写真は「エル・グレコ美術館」です。
トレドの街の南西に広がるユダヤ人地区にある「エル・グレコ美術館」は、20世紀初頭、エル・グレコの作品を集めることを目的に造られた美術館。かつて「グレコの家」と呼ばれた、彼が住んでいた家を改築し造られています。
トレドを高台から見下ろし描いた『トレドの景観と地図』や13枚の『十二使徒』などを鑑賞できます。『十二使徒』は、赤、青、緑、黄色などの眩しい色づかいが印象的でした。また、エル・グレコの生涯を映像を交えて紹介するコーナーや、グレコが生きた時代の家を忠実に復元したコーナーなど、見応えがありました。
トレドの景観を実際に見てきたレポート【トレド散策〈1〉トレドの街並みを見渡して~ミラドール】も併せてご覧ください。
トレドのカテドラル「トレド大聖堂」にも、エル・グレコが描いた『聖衣剥奪』ほか、「エル・グレコ美術館」とは違うバージョンの『十二使徒』が飾られています。
「サント・トメ教会」の『オルガス伯爵の埋葬』も、必見です。
「エル・グレコ美術館」のあるユダヤ人地区から見た朝焼けは、言葉が出ないほどの美しさでした。エル・グレコが、この街を愛した理由が、少しわかったような気がしました。
トレド駅までの帰り道、街と駅とを結ぶアルカンタラ橋に大きな虹がかかりました。
エル・グレコが愛したトレドの街で、彼の絵を存分に楽しみ、古都トレドの美しさを堪能しました。日常から解き放たれ心が満ち足りていく、そんな忘れられない旅となりました。