統計学を学ぼう。前のエントリーで批判しておいたブログ主から『産経と毎日の「世論調査」のバトルをめぐる不可解なブログ記事』で疑問が出されていた。統計学の勉強をしたことが無いせいか、擁護のためだけの無理な作文になっていて残念な感じになっている。自分が統計について議論してきた事さえ、認識できていないようだ。また、産経新聞の酒井氏の記述にも追加で批判しているが、こちらは厳密な計算をしていないので、適当な批判とは言えない。実際に区間推定値を二つ比較してみたのは評価できるのだが。
2015年10月9日金曜日
2015年10月4日日曜日
産経世論調査を笑う前に
統計学を学ぼう。ask.fmで『産経世論調査を巡る毎日との批判合戦で産経が「自爆」(笑)』と言うエントリーを紹介されたのだが、毎日新聞・平田崇浩氏が恐らく「意義」を「有意性」と書き間違えて産経新聞の記事への批判を行い、産経新聞・酒井充氏もポイントの掴みづらい反論を行い、そしてブログ主のkojitaken氏が、統計的な有意性が何かを理解しないまま、産経新聞をアホと笑っている。
シリア情勢を理解するために読んでおくべき本
「アラブの春」から混迷を続けているシリア情勢だが、その見通しの悪さに困惑している人は多いと思う。政府軍と反政府軍による内戦であれば分かりやすいのだが、アサド政権、ムスリム同胞団、シリア自由軍、ヌスラ戦線(アル・カイダ)、イスラム国(ISIL)、ヒズボラと参加勢力が多く、トルコ、サウジアラビア、カタール、イスラエルと言った中東の国々の他、米国やロシアが関わってくるからだ。かなり複雑なゲームが展開されている。しかし、そもそもアサド政権がどういうモノなのか良く知らない。そういう事で『シリア アサド政権の40年史』を拝読してみた。著者の国枝昌樹氏は外交官で、シリア大使を勤めた人だ。
2015年9月27日日曜日
国際線の航空管制の仕組みが分かる本
先日読んだ「航空管制の科学」の続きになる「新しい航空管制の科学」を拝読した。増補版だと思っていたのだが、続きになっている。旧版は国内線とレガシーシステムを中心に置いたものであったが、新版は国際線と人工衛星を利用した新しい航空管制を中心に置いたものになっていた。無印の方で人工衛星を利用した航空管制を紹介できなかったのが心残りのように書いてあったのだが、それを補完するものなのであろう。科学と銘打っているものの、航空管制業務の紹介になっているのは、新旧変わらないが。
2015年9月22日火曜日
産経FNN合同世論調査の怪しいところ
2015年9月16日水曜日
韓国民族のエスニシティが形成されたのは90年代初頭
神戸大学の木村幹氏が『慰安婦問題 なぜ冷戦後に火が付いたのか』で、従軍慰安婦問題が日韓で拗れている原因を説明している。問題を日韓請求権協定の解釈として捉え、植民地支配の清算に関わる基本的な法的な枠組みの一角であり、協定にかねてから不満を抱いている韓国人が、日韓のパワーバランスの変化を背景に、その解釈を改訂したがっていると説明している。90年代に突然、問題が大きくなったので韓国人の民族性は関係ないそうだ。政治学的にはそのような結論が自然なのであろうが、民族性をどう定義するかの問題がある*1にしろ、関係ないと言い切るのは問題に思う。
2015年9月11日金曜日
楕円関数を知ったかぶりするためのタダ本
数学徒でもないのだが、数学者の志村五郎氏が勉強しておけと繰り返して強調している*1楕円函数を知ったかぶりするために、竹内端三『楕圓函数論』を拝読してみた。近代デジタルライブラリーで画像が公開されているし、綺麗にTeX起こしをしてPDF化されたものもあり、本代もかからない。志村氏のほかにもTwitter界隈の数学教員もよく推奨している名著である。なお志村氏曰く楕円函数は大して発展していないので、内容も古くは無いようだ。
2015年9月9日水曜日
新型軽減税率もしくは消費税還付制度の問題
各方面から軽減税率が反対される中、財務省が“新たな方式の軽減税率”を提案し(NHK)、自民党の税制調査会も承認したようだ(NHK)。早くも公明党が実は軽減税率ではないと気づいたようだが(読売新聞)、特定品目、つまり外食サービスを含む食料品を対象にした消費税還付制度になっている。払った消費税のうち2%分を一人年額4000円を上限に還付されるそうだ。ある点を除けばそう悪い案ではない。ある点が致命傷な気がするが。
2015年9月3日木曜日
世論調査とは何だろうか ─ 斜めに見るとバイアスに悩まされるもの
政治談議が大好きなおっさんはこの世に多いが、声が大きい人の話が多数派の意見とは限らない。彼らが信頼おけないとして、自分の感性が世間の感性と思い込めるほど能天気でもない。やはり世間の皆様が社会や政治にどう言う見解を持っているのか、知りたいわけだ。そこで世論調査に頼ることになるわけだが、意外に世論調査がどういうものか分かっていない人は多い。そういう人に向けた本を、NHKで世論調査に携わってきた岩本裕氏が書いている。『世論調査とは何だろうか』は、ある部分の記述を除けば、全般的にオススメできる良書だ。
2015年9月1日火曜日
ある藁人形論法的な三角関数の教え方批判について
鹿児島県知事の発言でにわかに人気となった三角関数だが、「学校の三角関数は教え方が悪い」と言うエントリーが目に付いた。『サインカーブを描いて、円と対応させて、「sinの位相をずらしたものがcosです」って感じで教える』とある。本当であればよほどひどい数学の先生に教わったようだ。しかし大半の学校では、三角関数の定義はそう教えていないし、定義だけを教えているわけでも無い。藁人形論法になっていないか『高等学校学習指導要領解説』で主張を検討してみよう。