欧米の人権団体が2018年から強化された中国のウイグル政策をジェノサイドだと言い出し、米国政府も同調して非難している昨今なのだが、雑なレッテル貼りである事を認識しておきたい。中国のウイグル政策が人道的に問題なのはそうであろうが、同化政策や出生抑制政策をジェノサイドと認定すると、かなりの事がジェノサイドになってしまう。
2021年7月23日金曜日
2018年3月23日金曜日
経済学を使うと人間は綺麗な空気で生活したいと言うのも大仕事
自明に思えることでも経済学者にかかると未知の領域になりがちで、その傾向は年々と高まっている。他の条件が同じならば、大気汚染を避けて生活したいと言うのも、大気汚染と転出入率を突き合せないと納得されないようだ。それぐらいの突合せならばと思うかも知れないが、雇用機会など他の要素がある上に、人間の活動が大気汚染に影響するので、大気汚染が内生変数になってしまい、なかなか正しい推定が行なえない。
2018年1月24日水曜日
農地の賃貸借の法的保護は生産効率と生産高を改善する
VoxDevに"Land rights and agricultural efficiency"と言う、法と経済学の研究をしている人が喜びそうな計量分析の紹介が上がっていたので紹介したい。
経済学者は土地所有権に関する制度整備が、土地の利用効率を高めることを主張して来たのだが、実は数理モデルからの結論が主で、経験的に十分な裏づけが得られていたわけではなかったそうだ。先進国では法的整備が進んでしまっているし、開発途上国の制度整備も一斉に、もしくは整備できる所から法的整備が進むので、内生性にうるさい最近の統計的因果推論の基準から言えば、分析自体が困難である。
2017年11月5日日曜日
ジェンダー・ギャップ指数では中国社会の闇は測れない
2017年9月21日木曜日
むしろ今が北朝鮮に武力行使しやすい
北朝鮮が核兵器開発を進展させる事に対し、米国は中露やその他の国を巻き込んで経済制裁をかける一方で、核放棄しない限りは武力で体制を転覆すると圧力をかけているが、朝鮮半島の専門家は、北朝鮮は体制維持がかかっていると考えているから核開発の放棄はできない一方で、米韓は今までも出来なかったのであるから、これから武力行使はできないであろうと説明している。曰く、「何で今まで何もしなかったんだ。核兵器開発ほぼ終わってる段階じゃ手を出せんだろ。もっと前に潰しといた方が簡単だったろ」と言うことらしい。しかし、今からの方が実際問題、攻撃しやすいかも知れない。過去30年間に生じた社会的・技術的変化を考えてみたい。
2017年9月8日金曜日
2016年7月21日木曜日
ハーグの仲裁裁判所の判断が習近平に呪いをかける
スプラトリー諸島で中国が整備する人工島に関する、オランダはハーグの仲裁裁判所の裁定は、中国の主張を全面的に否定する強烈なモノになった。習近平国家主席にとっては、外交的にはもちろん、国内政治的に手痛い打撃であろう。中国人民は、裁判に負けたと言う事実から、習近平氏の外交手腕を疑いだすはずだ。
ネトウヨの皆様は竹島と尖閣諸島に関する外務省資料を読み込んでいるので、紛争発生前に徴税などの施政権を行使している事が重要であって、建設物の構築などは国際慣習法からは意味が無いことは知っているだろうから、この判決に意外性は無いと思う。判決自体を不当として、それに従わないその後の中国政府の言動も予想通りであろう。
2016年2月6日土曜日
想定通り右往左往するインドネシアの高速鉄道計画
2014年6月27日金曜日
2014年5月30日金曜日
「賄賂」は悪いものなのか? ─ 不公平なだけではなく非効率です
中国メディアのコミカルな報道をよく紹介している凜氏が、『「賄賂」は悪いものなのか?』と言うブログのエントリーをあげている。他国の慣習を否定するつもりは無いと言うのは理解できるが、「中国の賄賂を一概に否定するつもりはありませんが、こうしたコネを持てない(贈り物をすることができない)貧しい人たちにしてみれば不公平極まりない」と言うのは、効率性の視点が抜けているように思える。
2014年5月18日日曜日
ベトナムが中国の海洋進出を食い止めるためにするべきこと
2013年12月1日日曜日
中国風の防空識別圏に見る人治国家と法治国家の本気の見せ方の違い
中国風の防空識別圏の設定に関して、周辺国のみならず国際社会から批判と困惑が出ている。
防空識別圏は各国が勝手に設定するものだが、フライトプランを事前提示したり、無線応答に答える義務を課すのは、防空識別圏を通って領空に侵入するケースに限られ、かつ防空識別圏上の航空機を撃墜予告をするケースは無かった。
中国風の防空識別圏はこれら領空に準じる扱いを公海上で試みるもので、海運自由の原則に反する。何のために、不法な横暴と見なされうるような行動に打って出たのであろうか?
2013年6月4日火曜日
尖閣諸島を中国から“消す”方法
中国版Twitterの微博で 大黄? (巨大あひる)が検索規制ワードにされているそうだが、天安門事件の有名な写真*1のパロディーのコラージュ画像が作られたためらしい(Twitter)。
これを見て『尖閣諸島にでっかい文字で「六四天安門事件」って書いとけば中国から見えなくなるんじゃね?』と言っている人がいる。試すわけにはいかないが、天安門事件が未だにセンシティブな話題なのは確かだ。
2013年5月10日金曜日
イギリスとロシアは歴史的には我が国のモノ by 中国人
2013年2月14日木曜日
相続税の無い中国はリバタリアン天国と言えるか?
労働問題の専門家の濱口氏が「リバタリアンのパラダイス:中国」で、経済格差の是正政策が十分でない中国で人民の不満が高まっているのに、共産主義者であるはずの共産党が積極的に格差是正に乗り出さない事を指摘している。その趣旨はともかく、中国の税制自体は原理リバタリアンと言うわけでもない気がする。
2012年11月4日日曜日
2012年9月23日日曜日
2012年9月19日水曜日
中国共産党は反日デモを焚き付けているのか?
中国国内のデモや暴動が、中国共産党の揺さぶりだと言う主張が散見される。報道機関や警察関係者がデモを先導したと言う噂も絶えない。しかし、これは中国共産党が中国人民をコントロールしている事になるので、辻褄があわない部分が出てくる。
中国共産党が反日デモを裁量的に許可しているのは確かだが、日本への揺さぶりのために許可していると言うよりは、中国人民に中国共産党が敵視されないために許可していると考えた方が良いように思える。
2012年9月18日火曜日
尖閣諸島領有権問題は欧米メディアへの日本側のアピールが不足している
中国の大半の人々は、尖閣諸島は日本が戦争で中国から奪ったと主張しており、日本は日清戦争後の下関条約以前に「島々が単に無人島であるだけでなく,清国を含むどの国の支配も及んでいないことを慎重に確認した上で,沖縄県編入を行った」としている(外務省)。歴史上の発見や行政権の論争はあるものの、中国が権原維持をしていなかったのは確かなようだ。しかし、国際的にそれが認知されているわけではない。