在日韓国・朝鮮人問題を語る“インターネット上の著名人”には、ある種の特徴がある。朝鮮民族の自尊心を高めようと言う工作行為を、人権問題に見せかけて擁護する点だ。この工作行為は事実の捏造的な部分が多く含まれている。権利の擁護が窮屈になる上に、歴史的事実を基に人権抑制を主張されかねない危険性があるので、まともな論法とは思えない。しかし、ネット在日著名人は、このトリックを愛用し続けている。
1. 法的に保証された権利
外国人であっても一定の人権は認められるべきであろう。その理由や認められるべき人権の範囲は省略するが、在日韓国・朝鮮人は1965年の日韓基本条約で不法移民から合法永住者になり、日本は国際人権規約に批准しているので、法的根拠は強いものがある。特別と一般永住者の区分けが妥当かなどの議論は可能だが、歴史的事実に関わらず、在日韓国・朝鮮人への違法な差別は正当化されない。
2. 法的権利や実際の差別に対する無関心
保証された人権を元に、ネット在日著名人が主張を行う事は少ない。在日韓国・朝鮮人を道義的に正当化しようとする。例え事実に反しても、日本人が強制連行してきたと主張し、自発的に日本に移住したことを否定し、犯罪発生率や『在日特権』*1などの批判をヘイトスピーチと封殺し、永住外国人と言う法的立場の指摘さえナショナリズムだと批判し、帰化もルーツが失われると肯定しない。
このネット在日著名人の行為は目的を見失っているように思える。人権を掲げて、差別の解消を訴えていないからだ。むしろ現実の差別に注目することなく、ネット界隈の在日韓国・朝鮮人への嫌悪感を重大な差別のように誇張する。それどころか「他の外国人と背景が異なる」と特別である事を主張するわけだ。
3. 人権擁護に見せかけた民族的自尊心の保持
人権擁護に見せかけて朝鮮民族の『自尊心』の保持を試みていると解釈すると、これらの主張は合理性を持つ事になる。在日韓国・朝鮮人は、朝鮮半島に動乱や混乱があり、移住してきた人々が多い。母国を捨てたのか、母国に捨てられたのかは、人によるのであろうが、考え方によっては*2不名誉な歴史を持つ。不幸なことに真実が不名誉なわけだ。
この不都合な歴史を抹殺する上手い仕掛けが編み出された。歴史的な考証を外国人排斥に紐付けて、歴史的な考証を外国人排斥運動かのように叩くわけだ。人権擁護を武器に『自尊心』を保持すると言っていい。上に概念図を描いたが、本来ならばAからDの四つの立ち位置があるはずなのに、Dが消されて、AとCの二項対立に仕立て上げられている。在特会やネトウヨは、術中にはまっている。
4. 窮屈な権利擁護に終始する
ネトウヨが「祖国に帰れ」と言っても、在日韓国・朝鮮人の法的立場からすれば「お断り」で議論は終了する。高い犯罪発生率を指摘されても「低い方がいいですね」で終わる議論だし、『在日特権』も「市役所などにお申し立てください」で終わる話だ。在日韓国・朝鮮人の権利には関係ないので、わざわざ否定する必要は無い。しかし民族的自尊心が問題なので、下手に正当化しようとした上に、最後に「バカ」「レイシスト」「愚か者」と罵詈雑言を並べたてることになる。
5. 人権と歴史的事実を連結するのは危険
実際のところ、この連結メカニズムには危険がある。人々が認識している歴史が更新されたときに、在日韓国・朝鮮人に人権が無いような錯覚を引き起こすからだ。また言論封殺的な姿勢は褒められたものでは無いであろう。「レイシズム」や「ヘイトスピーチ」を理由に、記事の掲載をした媒体をも批判することもある。
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