仕事柄、数多くのWebサイト、スマートフォンサイトを見るのですが、日本のスマートフォンサイトの多くはPCサイトの作り方をそのままに、スマートフォンの画面の中に収めたものが多いです。
日本のスマートフォンサイトのTopページの平均容量が1MB近くで、平均表示秒数が60秒を超えている現状を見るに、日本のWebデザイナーに「美術」デザインから「工業」デザインへと意識を変えるために必要なUIの定石本が必要だと痛感していました。
この本は、まさに今、日本のWebデザイナーにとって必読の書だと思います。
スマートフォンは組み込み系と呼ばれるデバイスで、PCとは異なり、画面サイズも、CPUも、メモリも、そして通信速度も制限されている世界です。そして、ミリ秒単位で精緻なタイミングを合わせることで俊敏な動作を実現しているデバイスです。まず、土台となるハードウェアがリソースが豊富なPCとは根本的に異なるという点を意識する必要があります。
従って、UI設計も狭い画面領域でストレスのないスピードで、且つ親指でストレスなく使えるように設計する「工業デザイナー」としてのセンスが必要になります。
「美しさ」や「インパクト」を主題に置いたWebデザインから、いきなり「工業デザイン」へとデザインパラダイムを変えるのは難しいと思います。しかし、この本でその定石を学ぶことで、忙しい業務の合間を縫って自己学習することで、Webデザイナーは自己変革の足掛かりを得られると思います。
この本で一番見て欲しいのは、どのページも殆どスクロールダウンを必要としないデザインである点です。
パフォーマンスの観点から言うと、100KBルールというのがあり、それを超えるとモバイル通信では表示に6秒以上を超えてしまいます。
そのルールに照らし合わせると、サンプルとして掲載されているスクリーンは画像が多いと私は思いますが、それでもこの本のサンプルのように「画面表示領域内に収める」という事に注力すれば、現状のような1MBを超えて、表示に60秒を超えるようなサイトは減るでしょう。
スマートフォンを使ってWebサイトにアクセスしてくるユーザは、日々の5〜10分の細切れ時間を使ってアクセスしてきます。
従って、欧米のスマートフォンサイトでは1分ルールといって、ユーザの目的が1分で達成できるように、UIとパフォーマンスの最適化に努めています。その結果、スマートフォンサイトでのEコマースの売上は年々倍増しています。日本のスマートフォンサイトも、同様に工業デザインとしてのスマートフォンサイトの最適化を行わなければ、顧客を逃す結果となるでしょう。そのためには、現場でデザインを担当する人々の意識の変革が必要なのです。

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モバイルデザインパターン― ユーザーインタフェースのためのパターン集 大型本 – 2012/9/24
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モバイルアプリのUIパターンを手軽に参照できるリファレンス。
iPhone / Androidといった主要プラットフォームで動くモバイルアプリの画面例を400点以上使いながら、ユーザーインタフェースの定番パターンをグラフィカルに解説します。
本書で紹介する68個の基本パターンと5個のアンチパターンが、使いやすいモバイルアプリをデザインするうえでクリアしなければならない設計上の課題を解決してくれます。
掲載UIパターン: ナビゲーション、フォーム、テーブルとリスト、検索、並べ替え、フィルター、ツール、グラフ、誘導、フィードバック、アフォーダンス、ヘルプ、アンチパターン
■監訳者まえがき
アプリケーションにとっていちばん大事なのは、「使いやすさ」です。この「使いやすさ」とは何でしょうか?
僕は「使いやすさ」とは、目的を妨げないことと考えます。目的に向かって最短経路で、間違えず、つっかえず、集中力を乱さない……
そういうった手段を提供することこそが、使いやすさのエッセンスではないでしょうか。
どんなに革新的であっても、どんなに高機能であっても、使いにくいものは見向きもされない。
業務用であったり市場が制限されていたりする場合は、使いにくくても普及しているモノはあります。
でも、それはみんな仕方がないから嫌々使っているだけなのです。
なので、いったん同機能でより使いやすいモノがリリースされれば、みなそちらに移ってしまいます。
使いやすいインタフェースを、ゼロから生み出すのはととても難しい。
それはインタフェースというものが、単なる技術だけでは作れないからです。
使いやすいインタフェースを作るためには、心理学、人間工学、美術、プログラミング、そしてその分野のオペレーションや作業フローへの深い造詣……
と本当にさまざまな分野の知識を要求します。
机上のスケッチや、思いつき一発で使いやすいものが生まれることは滅多にありません。
結果、既存のモノをベースとしたスクラップ&ビルドの地道な積み重ねが必須となるのです。
しかし、スクラップ&ビルドによるブラッシュアップなどは、予算やスケジュールには計上しにくい。
結果的に、インタフェースは後回しとなり、盛り込みやすい機能ばかりが過多になってしまうわけです。
本書『モバイルデザインパターン』は、そのような問題に対する解のひとつです。
プログラミングのように、インタフェース上の課題と解をパターン化することで、初期段階でのインタフェースの模索コストを大幅に軽減することができます。
この本は空手でいえば型、将棋でいえば定跡のようなものです。
物事を勉強するには先人の積み上げて来た知識を学ぶのがいちばん早い。
愚直に型を学び、そうやって型をスムーズにこなせるようになってはじめて、それぞれの型の中にある本質的なエッセンスを発見できます。(後略)
2012年8月13日
深津 貴之
iPhone / Androidといった主要プラットフォームで動くモバイルアプリの画面例を400点以上使いながら、ユーザーインタフェースの定番パターンをグラフィカルに解説します。
本書で紹介する68個の基本パターンと5個のアンチパターンが、使いやすいモバイルアプリをデザインするうえでクリアしなければならない設計上の課題を解決してくれます。
掲載UIパターン: ナビゲーション、フォーム、テーブルとリスト、検索、並べ替え、フィルター、ツール、グラフ、誘導、フィードバック、アフォーダンス、ヘルプ、アンチパターン
■監訳者まえがき
アプリケーションにとっていちばん大事なのは、「使いやすさ」です。この「使いやすさ」とは何でしょうか?
僕は「使いやすさ」とは、目的を妨げないことと考えます。目的に向かって最短経路で、間違えず、つっかえず、集中力を乱さない……
そういうった手段を提供することこそが、使いやすさのエッセンスではないでしょうか。
どんなに革新的であっても、どんなに高機能であっても、使いにくいものは見向きもされない。
業務用であったり市場が制限されていたりする場合は、使いにくくても普及しているモノはあります。
でも、それはみんな仕方がないから嫌々使っているだけなのです。
なので、いったん同機能でより使いやすいモノがリリースされれば、みなそちらに移ってしまいます。
使いやすいインタフェースを、ゼロから生み出すのはととても難しい。
それはインタフェースというものが、単なる技術だけでは作れないからです。
使いやすいインタフェースを作るためには、心理学、人間工学、美術、プログラミング、そしてその分野のオペレーションや作業フローへの深い造詣……
と本当にさまざまな分野の知識を要求します。
机上のスケッチや、思いつき一発で使いやすいものが生まれることは滅多にありません。
結果、既存のモノをベースとしたスクラップ&ビルドの地道な積み重ねが必須となるのです。
しかし、スクラップ&ビルドによるブラッシュアップなどは、予算やスケジュールには計上しにくい。
結果的に、インタフェースは後回しとなり、盛り込みやすい機能ばかりが過多になってしまうわけです。
本書『モバイルデザインパターン』は、そのような問題に対する解のひとつです。
プログラミングのように、インタフェース上の課題と解をパターン化することで、初期段階でのインタフェースの模索コストを大幅に軽減することができます。
この本は空手でいえば型、将棋でいえば定跡のようなものです。
物事を勉強するには先人の積み上げて来た知識を学ぶのがいちばん早い。
愚直に型を学び、そうやって型をスムーズにこなせるようになってはじめて、それぞれの型の中にある本質的なエッセンスを発見できます。(後略)
2012年8月13日
深津 貴之
- 本の長さ240ページ
- 言語日本語
- 出版社オライリージャパン
- 発売日2012/9/24
- 寸法2 x 19 x 24 cm
- ISBN-10487311568X
- ISBN-13978-4873115689
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商品の説明
著者について
Theresa Neil (テレサ・ニール):テキサス州オースチン在住のUXコンサルタント。経験豊富なUXデザイナーや開発者とともに顧客との密接な協業を行い、人々に幸福や生産性と信頼を与えるアプリケーションの作成に取り組む。現在はレストランで顧客がテーブルから直接注文を行えるようにするためのタブレットアプリケーションの開発プロジェクトに携わっている。その他のプロジェクトについてはWebサイト(http://www.theresaneil.com)で公開されているほか、Twitter(@theresaneil)を通じた情報公開も行っている。
登録情報
- 出版社 : オライリージャパン (2012/9/24)
- 発売日 : 2012/9/24
- 言語 : 日本語
- 大型本 : 240ページ
- ISBN-10 : 487311568X
- ISBN-13 : 978-4873115689
- 寸法 : 2 x 19 x 24 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,728,611位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 1,899位モバイル
- - 8,367位インターネット・Web開発 (本)
- - 32,470位電気・通信 (本)
- カスタマーレビュー:
カスタマーレビュー
星5つ中4.4つ
5つのうち4.4つ
3グローバルレーティング
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評価はどのように計算されますか?
全体的な星の評価と星ごとの割合の内訳を計算するために、単純な平均は使用されません。その代わり、レビューの日時がどれだけ新しいかや、レビューアーがAmazonで商品を購入したかどうかなどが考慮されます。また、レビューを分析して信頼性が検証されます。
上位レビュー、対象国: 日本
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- 2012年10月8日に日本でレビュー済みAmazonで購入
- 2012年10月8日に日本でレビュー済み最近モバイルアプリが増えています。
小さな画面で非常に高い使い勝手を実現しているものが多く、
UIの設計の要求はかなり高まっていると言ってよいでしょう。
この本では、そのテクニックをまとめて紹介しています。
テクニックといっても高度なテクニックだけではありません。
ツールバーや検索ボタンのような当たり前のことも載っています。
モバイルアプリや、そうでなくてもネットを日ごろから使っていれば、
直感的に知っていることも多いでしょう。
しかし、知っていることと使いこなせることの間には大きな隔たりがあります。
使いやすいアプリをきちんと設計するためには、
使ってみて、こういう使い勝手が便利ということがわかっているだけでは足りません。
なぜそのような使い方がよいのか、
理路整然とした理解がなければ、
自分のアプリケーションに応用することはできません。
それは難しく、本を読むだけで理解できるものでもないとは思いますが、
本にまとまっている知識が手助けにはなるでしょう。
これらのことが、具体的に実在のソフトウェアの画面写真とともに載っている本です。
また、現在ではまだ誰でも使っているとは言えないようなパターンも紹介されています。
見た覚えくらいはあるのですけれど。
また、アンチパターンも紹介されています。
総合的にモバイルデザインパターンを学ぶために、
モバイルアプリの開発者なら、
一度は読んでおくべき本でしょう。