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戦艦武蔵 (新潮文庫) 文庫 – 2009/11/1

4.3 5つ星のうち4.3 553個の評価

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日本帝国海軍の夢と野望を賭けた不沈の戦艦「武蔵」――厖大な人命と物資をただ浪費するために、人間が狂気的なエネルギーを注いだ戦争の本質とは何か? 非論理的“愚行"に驀進した“人間"の内部にひそむ奇怪さとはどういうものか? 本書は戦争の神話的象徴である「武蔵」の極秘の建造から壮絶な終焉までを克明に綴り、壮大な劇の全貌を明らかにした記録文学の大作である。

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【新潮文庫】吉村昭 作品 帝国海軍の夢と野望を賭けた不沈の巨艦「武蔵」──その極秘の建造から壮絶な終焉まで、壮大なドラマの全貌を描いた記録文学の力作。 トンネル貫通の情熱に憑かれた男たちの執念と、予測もつかぬ大自然の猛威との対決──綿密な取材と調査による黒三ダム建設秘史。 「解体新書」をめぐって、世間の名声を博す杉田玄白とは対照的に、終始地道な訳業に専心、孤高の晩年を貫いた前野良沢の姿を描く。 空の作戦に革命をもたらした”ゼロ戦”──その秘密裡の完成、輝かしい武勲、敗亡の運命を、空の男たちの奮闘と哀歓のうちに描く。 水もわかず、生活の手段とてない絶海の火山島に漂着後十二年、ついに生還した海の男がいた。その壮絶な生きざまを描いた長編小説。 《日本海海戦》の劇的な全貌。七カ月に及ぶ大回航の苦心と、迎え撃つ日本側の態度、海戦の詳細などを克明に描いた空前の記録文学。
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開戦を指令した極秘命令書の敵中紛失、南下輸送船団の隠密作戦。太平洋戦争開戦前夜に大本営を震撼させた恐るべき事件の全容──。 北海道の開拓村を突然恐怖のドン底に陥れた巨大な羆の出現。大正四年の事件を素材に自然の威容の前でなす術のない人間の姿を描く。 近代日本の分水嶺となった日露戦争とポーツマス講和会議。名利を求めず講和に生命を燃焼させた全権・小村寿太郎の姿に光をあてる。 嵐の夜、浜で火を焚いて沖行く船をおびき寄せ、坐礁した船から積荷を奪う──サバイバルのための苛酷な風習が招いた海辺の悲劇! 江戸末期、天然痘の大流行をおさえるべく、異国から伝わったばかりの種痘を広めようと苦闘した福井の町医・笠原良策の感動の生涯。 羅臼の町でトド撃ちに執念を燃やす老人と町を捨てた娘との確執を捉えた表題作など、動物を仲立ちにして生きる人びとを描く短編集。
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日常生活の劇的な一瞬を切り取ることで、言葉には出来ない微妙な人間心理を浮き彫りにしてゆく、まさに名人芸の掌編小説 21 編。 皇族でありながら朝敵となった上野寛永寺山主の輪王寺宮能久親王。その数奇なる人生を通して江戸時代の終焉を描く畢生の歴史文学。 闇に葬られた軍艦事故の真相、沖縄決戦の秘話……。正史にのらない戦争記録を発掘し、戦争の陰に生きた人々のドラマを追求する。 少年達の無動機の集団自殺を冷徹かつ即物的に描き詩的美にまで昇華させた表題作。ロマンチシズムと現実との出会いに結実した 6 編。 ”ロシア皇太子、襲わる”──近代国家への道を歩む明治日本を震撼させた未曾有の国難・大津事件に揺れる世相を活写する歴史長編。 東京裁判がもたらした異様な空間……巣鴨プリズン。そこに生きた戦犯と刑務官たちの懊悩。綿密な取材が光る吉村文学の新境地。
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登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 新潮社; 改版 (2009/11/1)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2009/11/1
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 文庫 ‏ : ‎ 320ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4101117012
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4101117010
  • 寸法 ‏ : ‎ 14.8 x 10.5 x 2 cm
  • カスタマーレビュー:
    4.3 5つ星のうち4.3 553個の評価

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吉村 昭
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お客様はこの歴史書について、以下のような評価をしています: 著者らしいタッチの作品で、冒頭の挿話から読者を引き込むと好評です。また、丁寧に書かれており、読みやすさも高評価です。描写力も高く評価されており、高い表現力で描かれているようです。完成までの描写や沈没時の描写が圧巻だと述べています。技術面では、立派な技術力を持ちながらも、長い時間をかけて建造されたにもかかわらず、その存在は公にされないという指摘もあります。調査の重要さも指摘されています。

お客様の投稿に基づきAIで生成されたものです。カスタマーレビューは、お客様自身による感想や意見であり、Amazon.co.jpの見解を示すものではありません。

12人のお客様が「記録文学」について述べています。10肯定的2否定的

お客様はこの歴史書について、崇高な記録文学と評価しています。精力的な取材を重て重ねた作品で、著者らしいタッチの作品だと感じています。冒頭の挿話から読者を引き込む描写や、臨場感あふれる巧みな文章が好評です。事実はそれだけで人の心を打つという意見が多くあります。また、丹念な下調べが推量される労作として高く評価されています。

"...あまり感情をこめずに綿密な取材にもとずいた淡々とした表現の著者です 事実はそれだけで人の心を打つのですね 捉え方はそのひと次第そういう本です。" もっと読む

"...吉村昭氏の本は「高温隧道」がきっかけで読み始めましたが、いずれも歴史上の調査が実に詳しいのに驚かされました。 「三陸大津波」もとても良い歴史書と思います。" もっと読む

"淡々と歴史資料や関係者インタビューを基に書かれた 「戦艦 武蔵」の圧倒的な史実の重みに、胸が苦しくなる思いである。 巨大戦艦の時代は過ぎ去り、活躍の場がないまま、何千にもの命を 英霊という名に変えるためだけの戦場に、突き進まなければならな..." もっと読む

"まさに、ノンフィクションの王道のストーリーです。 最初の棕櫚(しゅろ)の買い占めから謎が始まり、第二号艦の建造。そして戦争へ。淡々と撃沈まで進行します。読まれるのは、まさに今です!" もっと読む

5人のお客様が「読みやすさ」について述べています。5肯定的0否定的

お客様はこの作品について、読みやすさを高く評価しています。プロジェクトX風味で丁寧に書かれており、人が携わる故に起きる事故や悲劇が生々しく語りかけていると感じています。また、人が携わる故に起きる事故や悲劇が生々しく、強く読み手に語りかけると述べています。

"読みやすい。" もっと読む

"...人が携わる故に起きる事故や悲劇が生々しく、強く読み手に語りかけます。「陸奥爆沈」と共に吉村氏の傑作のひとつでしょう。" もっと読む

"...戦艦武蔵は日本を分析する上で最良のテキストになり得る。 前半は、機密保持のため、市民生活にかなりの犠牲を強いたり、労働者の人権を奪った部分があるにしろ、NHKのプロジェクトXを彷彿とさせるものがある。世界最大級の戦艦を作り上げた熱意や技術力自体は、賞賛に値するものだろう。..." もっと読む

"...特に著者の意見を入れず、ドキュメンタリータッチなのが良かった。プロジェクトX風味。読みやすい。 戦後、日本は世界の大国を圧倒する経済、技術大国になったけど、戦前からそれは続いていたのだとわかった。..." もっと読む

4人のお客様が「描写力」について述べています。4肯定的0否定的

お客様はこの小説の描写力を高く評価しています。吉村氏の高い表現力が描かれており、空前の巨大戦艦の素晴らしさを生き生きと描き、完成までと沈没時の描写が圧巻だと感じています。また、吉田満著『戦艦大和の最期』も綿密に巨艦の生涯を跡づけ、軍人の内面にまで立ち至っている点も高く評価されています。

"...本作品で、吉村氏は、日本帝国海軍の夢と野望を賭けた「武蔵」のその誕生と 終焉を愚直に追いかける。 しかし、吉村氏の高い表現力を持って描写されると、空前の巨大戦艦の、 どこが凄いのかということが、手に取るように理解できる。..." もっと読む

"...三菱重工 長崎造船所が、受注時から始まる様々な困難を一つひとつクリアしていく様は、モノづくりの醍醐味と素晴らしさを生き生きと描いています。人が携わる故に起きる事故や悲劇が生々しく、強く読み手に語りかけます。「陸奥爆沈」と共に吉村氏の傑作のひとつでしょう。" もっと読む

"...吉田満著『戦艦大和の最期』も綿密に巨艦の生涯を跡づけ、軍人の内面にまで立ち至っている。本書『戦艦武蔵』は客観的、即物的に人間の奇怪な営みとして表現している。内向の世代の小説家吉村昭は、あえて冷静に、記録文学的に試みた、賢明な手法であったと思われる。..." もっと読む

"完成までと沈没時の描写が圧巻..." もっと読む

3人のお客様が「技術力」について述べています。3肯定的0否定的

お客様はこの船の技術力を高く評価しています。立派な技術力を持ち、難しい造船技術がふんだんに登場し、長い時間をかけて建造されたという指摘があります。また、莫大な予算と資材、あらゆる叡知や労力を駆使して建造されたものであることも指摘されています。一方で、完成の事実は公表されないため、歴史的な虚しさを感じさせる内容だと指摘しています。

"...の影響も大きいですね。 この小説は取材,聞き取りを重ねて,武蔵が完成するまでの経過が事細かく描かれています。難しい造船技術(用語)がふんだんに出てきます。わたしはKindleで読みましたが,難語句は,その場ですぐに検索して調べられますので,その点電子書籍は便利です。..." もっと読む

"長い時間をかけ、莫大な予算と資材、あらゆる叡知や労力を結集させ建造されるも、その存在は公にされることなく、完成の事実も伏せられ、ただの一度も戦場の脚光を浴びることも、戦勝の栄光にあずかることもなく、帝国海軍の象徴として君臨することもないまま、米軍機の袋叩きに遭いなぶりものにされ、多数の乗員を道連れ..." もっと読む

"...立派な技術力をもって造られても、その目的が戦争の為に用いるものであった悲劇と戦争の虚しさを改めて感じられる内容でした。" もっと読む

3人のお客様が「調査」について述べています。3肯定的0否定的

お客様はこの調査について、調査が大事だと感じています。

"...冒頭の挿話からぐぐっと読者を引き込む。丹念な下調べが推し量られる労作である。 「武蔵」が建造された三菱重工長崎造船所の資料館ですら、写真が数枚しか残されていないことからも分かるように、徹底的な保秘のもとに「武蔵」は建造された。..." もっと読む

"調査が大事..." もっと読む

"緻密な調査に基づくドラマチックな話の運び方..." もっと読む

上位レビュー、対象国: 日本

  • 2024年8月10日に日本でレビュー済み
    Amazonで購入
    戦艦大和は映画やアニメにもなりとても有名である一方、武蔵の知名度はそこまで高くない。

    しかし大和と同型の戦艦で、日本の国運をになった戦艦であることは間違いないと思う。

    極秘で進められた建造作業であったが、ここまで大きな戦艦は未だかつて世界的にも作られたことがなく、全て手探り状態。しかも極秘であるため目隠しをしながらの作業となったようだ。

    当時の日本の造船技術は世界でも類稀なものだったんだと感じた。完成した後も問題はあり、この大きな艦をどうやって進水させるかという問題もつきまとったようだ。資材と人員を注ぎ込んだ艦を傷つけることは絶対に許されないのだ。

    そして武蔵は無事完成し、戦線に飛び出していく。ここからは皆さんご存知のように結果的に大した戦果も残せず、米軍機の猛攻により沈没。

    しかしその裏には兵士たちの壮絶な戦いが描かれている。特に猪口艦長の奮闘や部下たちを思いやる気持ちには目頭が熱くなった。大した戦果も残せなかったが、本当によく頑張ったんだと思う。多数が戦死し、その霊を慰めるため、そして敗戦した艦長としての責任を取り猪口艦長は武蔵と運命を共にする。

    終戦から20年以上経ってこの本が書かれたようだが、当時の長崎造船所の近くに住む市民に取材をしても頑なに話をしようとしない。

    当時から武蔵は極秘であり、棕櫚などで覆い隠されていた。造船所を眺めたりするだけで憲兵に逮捕されるのだ。

    日本海軍が作り出した戦艦武蔵という怪物は、終戦後、数十年経っても市民の心に重くのしかかっている。
    3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2023年11月20日に日本でレビュー済み
    Amazonで購入
    特にない
  • 2023年11月19日に日本でレビュー済み
    Amazonで購入
    戦艦は,大和が一番大きくて,その次は何?というぐらい艦船についてはほとんど知識がなかったです。大和と武蔵が同スペックの戦艦というのを初めて知りました。しかしながら大和の方が圧倒的に知名度が高いです。「やまと」というネーミングのせいでしょうか。「宇宙戦艦ヤマト」の影響も大きいですね。
    この小説は取材,聞き取りを重ねて,武蔵が完成するまでの経過が事細かく描かれています。難しい造船技術(用語)がふんだんに出てきます。わたしはKindleで読みましたが,難語句は,その場ですぐに検索して調べられますので,その点電子書籍は便利です。いろいろ策を講じて極秘に建造が進められたことにも驚かされました。ところで武蔵で検索すると,2015年3月,アメリカの探索チームがフィリピン中部のシブヤン海底で武蔵の残骸を発見したというニュースが出てきました。これをNHKが「戦艦武蔵の最期 ~映像解析 知られざる“真実”~」というタイトルで放送して,それをYouTubeで今でも視聴できます。海底に沈んだ武蔵は海底にバラバラに散らばっていたことが映像で分かります。研究者たちは,なぜ沈没後バラバラになったのかと海底の映像を見ながら議論します。結果,戦闘で主砲を打つ機会がほとんどなかった武蔵が搭載していた火薬が沈没とともに爆発したのだろうと話し合っています。なるほどね。小説ではどう描かれているかというと「突然海中 で 大 爆発 音 が 起っ た。 人々 の 体 は 海水 とともに 夕闇 の 空 高く はね上げ られ た。 海底 深く 一面 に 鮮烈 な 朱色 の 光 が ひろがっ た。 ボイラー 室 に 海水 が 流れ こん で 爆発 し た のか・・・・・」と吉村氏は書いています。とても興味深いです。さらに,YouTubeでは猪口艦長の遺書も実物が映像で出てきます。ここは小説の記述とぴたり一致しています。吉村氏がこの動画を見たらいったいどんな感想を持たれたでしょうか。吉村氏は,小説の中で日本の戦争責任を追及したり,我が国はどうすればよかったのかなどの見解は一切書いていません。ただただ,武蔵という戦艦の誕生から滅亡までを粛々と書き上げています。全編読み終えてわたしは,吉村氏にとって書くべきものは大和ではなく「武蔵」でなければならなかった訳が分かったような気がしました。
    8人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2024年5月18日に日本でレビュー済み
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    進水式に、長崎市内に特高警察が張り付くほど秘匿された秘密兵器、戦艦武蔵!
    その計画から壮絶な最期まで、関係者の皆様の証言を集めた珠玉のドキュメント作品です!
    武蔵が沈む時は大日本帝国が沈む時。乗組員がそう確信していた程、神秘的な力を持っていた船。その事実が、自分の生まれるわずか11〜12年前の出来事だった事に感慨無量でした。
    また著者の執念にも敬服すると共に、ごく最近の版で敵機の魚雷投下高度が訂正されたと言う話にも驚きです。但し何故かこの電子版ではそれが反映されておらず、何の為の電子版かとkindle を叱責したく思いました!
    せめて著者くらいの仕事しろkindle!
    3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2022年12月18日に日本でレビュー済み
    Amazonで購入
    読みやすい。
  • 2020年9月26日に日本でレビュー済み
    Amazonで購入
    初めてのKindle版の購入でした。PC画面で全編を読みましたが特に問題はありませんでした。
    戦艦大和の陰に隠れるイメージの武蔵ですが、当時の海軍の意地というか、執念が垣間見えて
    面白かったです。
    建造の巨大プロジェクトを軍民上げて支えているのが興味深かったです。
    2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2023年8月22日に日本でレビュー済み
    Amazonで購入
    武蔵は民間企業で建設されたので、軍機密もと、外国だけではなく、日本人にも極秘のもと執行されることになった。
    巨大な艦隊を隠蔽するために、九州沿岸に自生しているシュロを用いる案が生まれた。
    シュロがいつの間にか姿を消していることに不可解な思いを抱いた漁業者はいた。
    完成した武蔵が戦場に姿を現した時には、既に航空機が優位になり、米軍機の執拗な攻撃を受けて沈没する。
  • 2023年8月10日に日本でレビュー済み
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    中学生の頃、市の図書館で読んだ本。
    魚雷攻撃を受けた時の弱点と乗組員に噂されていたリベット部分が、建造時かなり苦労して完成させた
    ものである事などが書かれている。