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僕はパパを殺すことに決めた 奈良エリート少年自宅放火事件の真実 単行本 – 2007/5/22

3.9 5つ星のうち3.9 109個の評価

IQ136の天才少年はなぜ、自宅に火をつけたのか――。
2006年6月20日、奈良県で発生した事件は日本中を震撼させた。全国でも屈指の
進学校・私立東大寺学園高校に通う16歳少年が自宅に火をつけ逃走、焼け跡からは
少年の継母と異母弟妹の3人が遺体となって発見された。事件後、少年は中等少年院
に送られたが、事件の真相は少年法の厚いベールに包まれていまだに明らかになっていない。
著者の草薙厚子氏は、独自に入手した3000枚の捜査資料をもとに、少年と家族の実態に迫る。
警察が作成した供述調書には、少年の振り絞るような肉声が残されていた。

僕はこれまでパパから受けた嫌なことを思い出しました。パパの厳しい監視の下で勉強させられ、
怒鳴られたり殴られたり蹴られたり、本をぶつけられたりお茶をかけられたりしたことを。
なんでパパからこんな暴力を受けなければならないんや。一生懸命勉強してるやないか。
何か方法を考えてパパを殺そう。パパを殺して僕も家出しよう。自分の人生をやり直そう――。
僕はそう思うようになりました。(「第一章 計画/殺害カレンダー」より)

少年は4歳の時から、医師である父親にマンツーマンの勉強指導を受けていた。
指導はやがて鉄拳制裁とセットになり、少年は十年以上にわたって虐待に近い暴力を受け続けた。
少年はついに、父親殺害を決意する。中間テストの英語の点数が平均点に20点足りない――。
直接の引き金となったのは、ただそれだけのことだった。そして実際に犠牲になったのは、
憎んでいた父親ではなく、罪のない継母と弟妹だった。
本書には、少年が父親を殺そうと決意してから家に火をつけるまで、みずからの心の動きを赤裸々に
記した直筆の「殺害カレンダー」が掲載されている。

父親は少年が医師となることを強く望んでいた。医師となるためには良い大学に行かなければならない。
そのためには勉強を強要するのもやむをえない――。
そうしたひとりよがりの愛情が、いつしか少年を追い詰めていた。
今回の事件は、「特殊な家庭の特異な出来事」と言えるのか。過熱する受験戦争の中、
わが子を「所有物」だと思っているすべての親は、この父親の予備軍かもしれない。
本書はいま改めて、「家族のあり方」を世に問う一冊でもある。

商品の説明

著者について

草薙厚子(くさなぎ あつこ)
元法務省東京少年鑑別所法務教官。
地方局アナウンサーを経て、米通信社ブルームバーグL.P.に入社。テレビ部門のアンカー、ファイナンシャル・ニュース・デスクを務める。
その後、フリージャーナリストに転身し、少年事件を中心に週刊誌、月刊誌に多くの記事を発表している。講演活動やテレビ番組のコメンテーターとしても活躍中。
著書に『少年A矯正2500日全記録』(文藝春秋)、『子どもが壊れる家』(文春新書)、『追跡!「佐世保小六女児同級生殺害事件」』(講談社)などがある。

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 講談社 (2007/5/22)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2007/5/22
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本 ‏ : ‎ 256ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4062139170
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4062139175
  • 寸法 ‏ : ‎ 13.5 x 2.3 x 19.5 cm
  • カスタマーレビュー:
    3.9 5つ星のうち3.9 109個の評価

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草薙 厚子
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カスタマーレビュー

星5つ中3.9つ
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上位レビュー、対象国: 日本

  • 2024年6月17日に日本でレビュー済み
    Amazonで購入
    この本を書いた著者草薙さんに資料 鑑定書を漏洩したとして鑑定医が最高裁で有罪となりましたが、この本を拝読して何故鑑定医が著者に鑑定資料をあえて渡したか謎でしたがわかりました。少年を教育虐待してきた父親が刑を終えた少年を責任をとって引き取るようなことを言いだしたからなのですね。暴力で支配してきた父親に問題があるとはっきり鑑定してます。この父親が自分が悪かったと反省の意向を述べているようですが、同居すればまた暴力行為がおこる可能性があることを内容も書かれていました。医師には守秘義務があることも鑑定の漏洩は罪に問われるも知りながら敢えて著者に踏み込んた記事を書いてもらうことを期待しこの発達障害の少年を守りたかったのだと思います。これは並大抵の医師には(保身第一の医師にはできないこと。凄腕で腹が据わっていると感服しました。
    32人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2015年2月21日に日本でレビュー済み
    Amazonで購入
     この本が何らかのルール違反によって出されたものかどうかよく知らないが、
    純粋な読後感としては面白かった。理由は、本の構成が供述調書に語らせる
    という形をとっており、事件の様子がリアルに伝わってくるからだ。戯曲で言う
    なら、当事者の「セリフ」が大半を占め、筆者の言葉は「ト書き」ぐらいの意味し
    かない。
     読みながら感じたのは、少年の父親へのいら立ちである。読めば読む程、少
    年が放火したのは、そうせざるを得ない状況に追い込んだ父親のせいだと思わ
    ざるを得なかった。いや、「父親のせい」というより、「父親の無知のせい」と言う
    べきか? なぜなら、父親は決して少年のことを嫌っているわけでも憎んでいる
    わけでもなく、少年を愛している「つもり」だったらしいからだ。くり返される「暴力」
    も少年のためにしていると「思いこんで」いた。しかし実際は、自分の身勝手な望
    みを押しつけていただけであり、そのことに、事件を起こした後でさえはっきり気
    づいていないらしい。
     そもそも親の教育方針とは千差万別で、厳しい家庭もあれば甘い家庭もある。
    ただ、どんな手段を取るにせよ、うまく行くのは我が子を「人間」として扱っている
    場合だろう。つまり、「一人の意思ある存在」として接してこそ、子どもはまっとうに
    育つのではないか? そう考えると、この父親は子どもを「人間」ではなく、「人形」
    と見ていた。体の中に、その子なりの考えがあることを見落としていた。これは多く
    の家庭でも言えることで、そういう意味では、この本がルール違反に基づかず出版
    されていたら、と残念に思う。
     ただ、筆者の考えで納得できなかったのが、少年のかかえる「広汎性発達障害」
    を先天的なものととらえている点で、これは「生育歴」から来るものではないか? 
    すなわち、他人の気持ちがわからず、一つのことに執着するのも、父親がわき目も
    ふらさず勉強させたからで、これは秋葉原事件の青年ともよく似ている。
     この事件からすでに10年近く経っているが、少年や父親がどうなっているのか知
    らない。成人を迎えた少年は、「人間」としての道を着実に歩んでいるのだろうか?
    42人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2015年8月13日に日本でレビュー済み
    Amazonで購入
    知人のブログで、この著書を引き合いに話があったので、気になって購入してみた本です。

    この事件そのものを私は知らないので、まったく、何の前情報もなく読みました。
    稚拙だなぁ、とすべてに対して稚拙だなぁと思ってしまったのですが、
    やはり、これが少年犯罪なんだなということなんでしょうね。

    そういう意味では、著者が禁忌を犯している等々、意味はあると思います。
    本当に、読後の感想が、「稚拙だなぁ」です。

    悲しいし、一体どこに何の感情をぶつけるべきなのかが分かりません。

    何故?何故?? と、心の中にどんな問題が?などと少年犯罪に答えを見つけようと、
    事件の度に、テレビやマスコミはこぞって取り上げますよね。
    私は4人の子供を持つ母ですが、今のところ、犯罪まではおかしていませんが、
    それでも、子供のする行動に、自分と同じ尺度で答えを求めようとすると、まったく理解できません。
    子供には、人生のキャリアがないんだなと、つくづく思っています。
    教えようと思ったところで、一所懸命に解説なんかしても、なかなか伝わらない。

    とりあえず、内容について若干疑義はあるものの、
    少年の起こした、大きな事件に対し、善し悪しは別としつつ、
    理解し難い、子供の心理的なものを淡々と取材し、時に禁忌を侵して著書にまとめる人、
    というのは必要なんだなと思います。

    少なくとも、少年による殺人や自殺を、どうにか社会が食い止めなければいけないなぁと、
    きっとたくさんの人が思っているのに、なかなかなくならない現実に、なんとも言えない現実を突き付けられますね。
    5人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2022年1月18日に日本でレビュー済み
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    今までの報道とは違うイメージを
    持つことができました。著者さんが真摯に取材されたことがわかります。
    8人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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  • 2018年7月25日に日本でレビュー済み
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     個人情報を無断で引用した問題作。ジャーナリストとしての品格を問われる。
    23人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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  • 2020年9月18日に日本でレビュー済み
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    内容も深く、作者の熱意と知性が伝わってくる名著。外面は飾るが、家庭内では支配的・抑圧的に振る舞う親と、人格を否定され、自由を奪われ、逃げ場のない子の不幸な顛末が描かれている。

    類似・同種の問題を抱える家庭は、決して少なくない、という著者の意見に同意する。
    15人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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  • 2020年8月10日に日本でレビュー済み
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    商品はきれいで、早くつきました。
    1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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  • 2021年6月1日に日本でレビュー済み
    Amazonで購入
    内容はとても言葉では言い表せません。感情を全く表に出さない少年の唯一流した涙に一緒に泣きました。
    10人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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