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学習する組織 ― システム思考で未来を創造する Kindle版
世界100万部突破! 人とチームの「学習能力」の根源を探りマネジメントの新常識を打ち立てた名著、待望の増補改訂・完訳版。
今日、世界はますます複雑になり、ビジネス環境は日々変容し、私たちの仕事はかつてなく「学習」が求められるものとなった。これまでのマネジメントの枠組みはもはや通用しない。不確実性に満ちた現代、私たちの生存と繁栄の鍵となるのは、組織としての「学習能力」である。――自律的かつ柔軟に進化しつづける「学習する組織」のコンセプトと構築法を説いた本書は、世界100万部を超えるベストセラーとなり、90年代のビジネス界に一大ムーブメントを巻き起こした。2006年刊の増補改訂版である本書『学習する組織』は、企業、学校、地域コミュニティ、社会課題など、さまざまな実践事例を踏まえて大幅に加筆修正されており、いま個人・企業・社会に求められる真の「変革」とは何かを私たちに問いかける。ユニリーバ、VISA、インテル、世界銀行、ヒューレット・パッカードなど多様な組織で導入されてきた「学習する組織」。著者ピーター・センゲの深い人間洞察と豊富なケーススタディに裏打ちされた本書を通じて、管理ではなく学習を、正解への固執ではなく好奇心を、恐怖ではなく愛を基盤とする、新たな「マネジメント」のあり方があなたにも見えてくるに違いない。
【推薦】組織は全体として機能する――経営の本質えぐる不朽の名著
組織はシステムであり、「分かたれることのない全体」としてはじめて機能する。古今東西変わらない経営の本質であり、言ってみれば当たり前の話である。しかし、この当たり前の原則を見失って衰退する企業がいかに多いことか。これもまた古今東西不変の現象である。なぜか。皮肉なことに、多くの企業が意識的もしくは無意識のうちにつくりあげている経営の「システム」が、システムとしての組織を破壊しているからである。従来の支配的な経営システムは、「アナリシス」(分析)を強調するあまり、肝心の全体の「シンセシス」(綜合)をなおざりにしてきた。システム思考の概念と実践を説く本書は、誰もが表面的には大切だと思いながら、そのつかみどころのなさゆえに直視せずに避けて通ってきた経営の本質部分に正面から手を突っ込み、えぐり出し、手に取るように見せてくれる。本書の洞察は決して古くなることがない。文字通り不朽の名著である。
――楠木建氏(一橋大学大学院教授、『ストーリーとしての競争戦略』著者)
- 言語日本語
- 出版社英治出版
- 発売日2011/6/22
- ファイルサイズ32272 KB
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出版社より
世界100万部突破! 人とチームの「学習能力」の根源を探りマネジメントの新常識を打ち立てた名著、待望の増補改訂・完訳版。
自律的かつ柔軟に進化しつづける「学習する組織」のコンセプトと構築法を説いた本書は、世界100万部を超えるベストセラーとなり、90年代のビジネス界に一大ムーブメントを巻き起こした。著者ピーター・センゲの深い人間洞察と豊富なケーススタディに裏打ちされた本書を通じて、管理ではなく学習を、正解への固執ではなく好奇心を、恐怖ではなく愛を基盤とする、新たな「マネジメント」のあり方が見えてくる。
ピーター・M・センゲ Peter M. Senge
マサチューセッツ工科大学(MIT)経営大学院上級講師、組織学習協会(SoL)創設者。MIT スローンビジネススクールの博士課程を修了、同校教授を経て現職。旧来の階層的なマネジメント・パラダイムの限界を指摘し、自律的で柔軟に変化しつづける「学習する組織」の理論を提唱。20 世紀のビジネス戦略に最も大きな影響を与えた1人と評される。その活動は理論構築のみにとどまらず、ビジネス・教育・医療・政府の世界中のリーダーたちとさまざまな分野で協働し、学習コミュニティづくりを通じて組織・社会の課題解決に取り組んでいる。
併せておすすめ
【人と組織の未来は、「学習能力」で決まる】
MITで生まれた、人と組織の能力開発メソッド「学習する組織」。 「個人の成長」と「組織の成長」を相乗的に実現するノウハウを、 日本における第一人者がわかりやすく解説したのが本書です。「学習する組織(ラーニング・オーガニゼーション)」とは、変化に柔軟に適応し、進化し続ける組織のこと。通常のPDCAを超える「ダブル・ループ学習」を実践し、 「志を育成する力」「複雑性を理解する力」「共創的に対話する力」を培うことで、個人・チーム・組織の持続的成長を実現します。
『学習する組織」入門――自分・チーム・会社が変わる 持続的成長の技術と実践』
商品の説明
出版社からのコメント
(以下、日本語版まえがきから引用)
今ほど「学習する組織」が強く求められる時代はないであろう。学習する組織とは、目的を達成する能力を効果的に伸ばし続ける組織であり、その目的は皆が望む未来の創造である。学習する組織には唯一完全の姿があるわけではない。むしろ、変化の激しい環境下で、さまざまな衝撃に耐え、復元するしなやかさをもつとともに、環境変化に適応し、学習し、自らをデザインして進化し続ける組織である。
2008年の金融危機、その後顕在化した多くの国家の財政危機、資源問題や食料問題、気候変動などでグローバル経済が揺れ動く中、2011年3月に日本を襲った大震災と津波は、被災地だけでなく、国内外の広範な地域で生産活動や生活に多大な影響を与えている。私たちは、網の目のように紡がれたつながりの中で経済活動を行い、社会を構成し、日々暮らしていることを平時には忘れがちだ。(中略)
そのような複雑で変化の激しい時代には、多様な関係者が真の対話を重ね、複雑な現実を見つめ未来のビジョンを共有することで、自ら創造し、再生し続ける組織が必要だ。学習する組織はまさに21世紀に求められる組織像であり、ピーター・センゲ氏(英語での発音は、「センギ」のほうが近い)の先駆的な仕事は、そうした未来の組織課題や社会課題に対応するための新しい組織像を、20年以上前から示していたのである。
著者について
ピーター・M・センゲ Peter M. Senge
マサチューセッツ工科大学(MIT)経営大学院上級講師、組織学習協会(SoL)創設者。MIT スローンビジネススクールの博士課程を修了、同校教授を経て現職。旧来の階層的なマネジメント・パラダイムの限界を指摘し、自律的で柔軟に変化しつづける「学習する組織」の理論を提唱。20 世紀のビジネス戦略に最も大きな影響を与えた1人と評される。その活動は理論構築のみにとどまらず、ビジネス・教育・医療・政府の世界中のリーダーたちとさまざまな分野で協働し、学習コミュニティづくりを通じて組織・社会の課題解決に取り組んでいる。
[訳者]
枝廣 淳子 Junko Edahiro
㈲チェンジ・エージェント会長。東京大学大学院教育心理学専攻修士課程修了。心理学を活かし、「自分や人を変える」技術を構築。講演、研修、執筆、テレビ出演などのほか、企業の変革に向けて企業の社会的責任(CSR)などのテーマで企業のコンサルティングを実施している。デニス・メドウズ氏をはじめとする世界のシステム思考家とのネットワークを築き、システム・ダイナミクスを用いたデニス・メドウズ著『成長の限界 人類の選択』(ダイヤモンド社)、ジョン・D・スターマン著『システム思考』(東洋経済新報社)を翻訳、またシステム思考の入門書『なぜあの人の解決策はいつもうまくいくのか』(東洋経済新報社)、『入門! システム思考』(講談社)を共同執筆。NGO ジャパン・フォー・サステナビリティの共同設立者兼代表や東京大学客員研究員としての活動等を通じ、福田・麻生内閣「地球温暖化に関する懇談会」などのメンバーを務め、日本の低炭素社会ビジョン策定やコミュニケーション戦略に関わっている。
小田 理一郎 Riichiro Oda
㈲チェンジ・エージェント代表取締役社長兼CEO。オレゴン大学経営学修士(MBA)修了。多国籍企業経営を専攻し、米国企業で10 年間、製品責任者・経営企画室長として、営業、生産、サプライ・チェーン、開発の業務変革・組織変革に取り組む。2002 年より独立して企業の社会的使命の追求と非営利組織マネジメントの強化のためのコンサルティング活動を展開。MIT、ウースター工科大学などでシステム思考を学び、システム思考によるプロセス・ファシリテーション、研修、執筆を行う。SoL ジャパン事務局代表などを務め、日本でシステム思考やダイアログ、U 理論などの普及に務める。共著に『なぜあの人の解決策はいつもうまくいくのか』『もっと使いこなす! 「システム思考」教本』(以上、東洋経済新報社)『企業のためのやさしくわかる生物多様性』(技術評論社)、共訳にジョン・D・スターマン著『システム思考』(東洋経済新報社)。
中小路 佳代子 Kayoko Nakakoji
㈲チェンジ・エージェント講師。津田塾大学学芸学部英文学科修了。システム思考の第一人者、デニス・メドウズ氏より直接、システム思考インストラクター養成教育を受け、その後、日本でのシステム思考セミナー講師として活動中。経済・環境分野の翻訳を多く手がけ、主な翻訳書はデヴィッド・スズキ著『グッド・ニュース』(ナチュラル・スピリット)、リーアン・アイスラー著『ゼロから考える経済学』(英治出版)、エリック・シュローサー他著『フード・インク』(武田ランダムハウスジャパン)など。
登録情報
- ASIN : B071WR7XMH
- 出版社 : 英治出版 (2011/6/22)
- 発売日 : 2011/6/22
- 言語 : 日本語
- ファイルサイズ : 32272 KB
- Text-to-Speech(テキスト読み上げ機能) : 有効
- X-Ray : 有効
- Word Wise : 有効にされていません
- 本の長さ : 753ページ
- Amazon 売れ筋ランキング: - 4,699位Kindleストア (Kindleストアの売れ筋ランキングを見る)
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- カスタマーレビュー:
著者について
環境ジャーナリスト、翻訳家。
幸せ経済社会研究所所長、有限会社イーズ代表、有限会社チェンジ・エージェント会長
大学院大学至善館教授
幸せ経済社会研究所
https://www.ishes.org/
イーズ未来共創フォーラム
https://www.es-inc.jp/
東京大学大学院教育心理学専攻修士課程修了。
『不都合な真実』(アル・ゴア氏著)の翻訳をはじめ、環境・エネルギー問題に関する講演、執筆、企業のCSRコンサルティングや異業種勉強会等の活動を通じて、地球環境の現状や国内外の動きを発信。持続可能な未来に向けて新しい経済や社会のあり方、幸福度、レジリエンス(しなやかな強さ)を高めるための考え方や事例を研究。「伝えること」で変化を創り、「つながり」と「対話」でしなやかに強く、幸せな未来の共創をめざす。
心理学をもとにしたビジョンづくりやセルフマネジメント術でひとり一人の自己実現をお手伝いするとともに、システム思考やシナリオプランニングを生かした合意形成に向けての場づくり・ファシリテーターを、企業や自治体で数多く務める。教育機関で次世代の育成に力を注ぐとともに、島根県隠岐諸島の海士町や熊本県の水増(みずまさり)集落、北海道の下川町等、意志ある未来を描く地方創生と地元経済を創りなおすプロジェクトにアドバイザーとしてかかわっている。
主な著訳書に、
『「エコ」を超えて-幸せな未来のつくり方』(海象社)
『地球のためにわたしができること』(大和書房)
『不都合な真実』(武田ランダムハウスジャパン)
『地球のなおし方』(ダイヤモンド社)、
『レジリエンスとは何か-何があっても折れないこころ、暮らし、地域、社会をつくる』(東洋経済新報社)
『学習する組織』(訳・英治出版)
『世界はシステムで動く』(訳・英治出版)
『大転換-新しいエネルギー経済のかたち』(訳・岩波書店)
『「定常経済」は可能だ!』(岩波書店)
『不都合な真実 2』(訳・実業之日本社)
『地元経済を創りなおす』(岩波新書)
『アニマルウェルフェアとは何かー倫理的消費と食の安全』 他多数。
米国オレゴン大学経営大学院MBA(国際ビジネス専攻)。
サステナビリティを志向する変化の担い手であり、日本において「システム思考」、「学習する組織」など変化のための方法論の普及・実践の推進に務める。外資系企業でマネジメント職および環境NGO運営を経験して後、2005年にチェンジ・エージェント社を設立。サステナビリティ、社会課題解決分野における能力開発とプロセスデザインに関連するサービスを提供する。セクターを超えた共通価値創造および個人・組織・組織間レベルでの能力開発に焦点をあてる。システム思考及び学習する組織のワークショップを2,000回以上実施し、企業、自治体、JICA、国際機関、NGOの30,000人以上の能力開発に携わる。直近10年間では、途上国を中心とした女性サステナビリティ・リーダー向け能力開発プログラムの責任者として、30カ国44人の育成に携わっている。
アカデミックでは、大学院大学 至善館社会人向けMBAプログラム特任教授のほか、これまでに東京工業大学大学院でのキャリアアップMOTプログラム、東京大学、関西大学、東北大学などで非常勤講師を務めている。
(有)チェンジ・エージェント代表取締役 http://change-agent.jp
(有)イーズ取締役 http://es-inc.jp
SoL ジャパン(組織学習協会日本コミュニティ)理事長 http://soljapan.org
スウェーデン非営利組織Global Associations of SoL Communities 理事(会計)
米国非営利組織International Network of Resource Information Centers 理事(会計)
大学院大学 至善館 MBAプログラム 特任教授
東京工業大学大学院キャリアアップMOT 非常勤講師
▼チェンジ・エージェント社のメールマガジン、SNS
人と組織の「変容」を支援する、システム思考、学習する組織、社会変革に関する情報発信を行っている。
メールマガジン:https://www.change-agent.jp/about/mailmagazine.html
Facebook:http://www.facebook.com/ChangeAgentInc.Japan
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お客様のご意見
お客様は、この本について、組織の成長に役立つ本として高く評価しています。システムを理解する良書だと感じており、また、やりがいのある内容だと述べています。一方で、翻訳については意見が分かれています。読みやすさや直訳調の日本語が読み難いという指摘があります。特に後半の事例では内容が薄く冗長な上に、直訳調のため読みにくいと感じているようです。
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お客様はこの書籍について、組織の成長に役立つ本だと評価しています。システムを理解する良書で、内容についても文句なしに良いと感じています。また、参考事例も多く、組織の学習に役立ちます。組織論の本として素晴らしいと高く評価されており、やりがいも十分だと感じているようです。
"組織・チーム力を強化していくための考え方を解説している書籍。様々な例を示しながら事象を解説している。 システム思考は身に付けてみたいと思っている考え方。..." もっと読む
"内容そのものは文句なしに良いし、極めて重要なものです。特に日本ではシステム思考についてのテクストが非常に少ないこともあって、あらゆるジャンルで必読書だと思います。 ただし翻訳が直訳的です。..." もっと読む
"...また、この本で記載されている構造を見る本質を見る長期を見るという視点は、組織・会社・仕事の改善に役に立つ考えでした。 気づいた時には急変している事例、構造が変わってないから同じ失敗を繰り返している事例、内部紛争にエネルギーを使って会社の成果に繋がっていない事例など、..." もっと読む
"...その具体策を断片的に記してある書物は数多いが、それらのほとんどが本書から派生しているのではないかと思わせるほど多角的、かつその考察は時代を超えるほど深い。確実に名著であるが、もしかすると入門書ではないかもしれない。..." もっと読む
お客様はこの書籍の翻訳について意見が分かれています。読みやすいと評価していますが、直訳調の日本語が読み難さと理解し難さがあると指摘しています。後半の事例は中身が薄く冗長で、翻訳が直訳的だと感じています。また、インテグレーションを大事にしているにもかかわらず、全体として統合されていないという不満もあります。
"新品同様でしたので気持ちよく読めます。よかったです。" もっと読む
"...特に日本ではシステム思考についてのテクストが非常に少ないこともあって、あらゆるジャンルで必読書だと思います。 ただし翻訳が直訳的です。インテグレーションを大事にしているのに、全体として統合されたほんやくになっていないことが残念です。" もっと読む
"やや難解ですが、現実で感じることに一つずつ落とし込みながら読むと、とても納得感がありながら読めます。この本を読むまでモヤモヤしていた部分が明文化され、とてもスッキリしました。 一度読んで終わり、ではなく、何度も振り返って自分の中に確実に取り込みたいと思える本。" もっと読む
"内容は良いのだが、直訳調の日本語が読み難さと理解し難さとなっている。 特に後半の事例は中身が薄く冗長な上に直訳調のため読み難い感じを受けました。" もっと読む
上位レビュー、対象国: 日本
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- 2024年1月24日に日本でレビュー済みAmazonで購入組織・チーム力を強化していくための考え方を解説している書籍。様々な例を示しながら事象を解説している。
システム思考は身に付けてみたいと思っている考え方。
身に付けたいと思う説明が多々散りばめられているが、もう少し自力が積み上がったら更にスムーズに腹落ちしたと思うものの、難しかったというのが先ずは感じた印象。
もう少しタイミングをずらす等して再度読み直すともう1段階理解が深まりそう。
- 2023年7月13日に日本でレビュー済みAmazonで購入内容そのものは文句なしに良いし、極めて重要なものです。特に日本ではシステム思考についてのテクストが非常に少ないこともあって、あらゆるジャンルで必読書だと思います。
ただし翻訳が直訳的です。インテグレーションを大事にしているのに、全体として統合されたほんやくになっていないことが残念です。
- 2024年10月26日に日本でレビュー済みAmazonで購入由佐美加子さんのザ・メンタルモデルと組織の関連性の本かと思って手に取りましたが、違いました。しかし、メンタルモデルという人間がそもそも持っているものから組織を紐解くという点では同じで勉強になりました。
また、この本で記載されている構造を見る本質を見る長期を見るという視点は、組織・会社・仕事の改善に役に立つ考えでした。
気づいた時には急変している事例、構造が変わってないから同じ失敗を繰り返している事例、内部紛争にエネルギーを使って会社の成果に繋がっていない事例など、
具体的に参考なることが多く、学びになる一冊でした。
- 2024年5月25日に日本でレビュー済みAmazonで購入旧体制の公的機関。
特に教育事務所、大学、学校社会の上層部は、読まないと遅れている。
- 2021年12月5日に日本でレビュー済みAmazonで購入組織として学び、組織として変わるためには何が必要なのか。その具体策を断片的に記してある書物は数多いが、それらのほとんどが本書から派生しているのではないかと思わせるほど多角的、かつその考察は時代を超えるほど深い。確実に名著であるが、もしかすると入門書ではないかもしれない。
通底しているのは、安易なハウツーを退け、原則を理解し、人間を大切にし、個々のシチュエーションに合ったやり方を見つけることである。以下に名言(著者以外の発言を含む)を挙げる。
"ほかの組織をまねることで偉大な組織がつくりあげられたことなどないだろう" (p.48)
"人は変化に抵抗するのではない。変化させられることに抵抗するのだ" (p.281)
"多くの経営者が直面する最も厳しい教訓は、結局のところ、他者を参画、あるいはコミットさせるために自分ができることは一切ないということだ。(中略) 無理強いしようとしても、せいぜい追従を助長するぐらいだろう" (p.385)
"ディスカッションでは決定が下される。ダイアログでは複雑な問題が探求される (中略) ディスカッションは初めから行動に焦点を絞っていることが多いのに対し、ダイアログでは副産物として新しい行動が生まれる"(p.427)
"マネジメントにおいては、混沌とした状況が横行することを恐れるがゆえにつねに秩序を課そうとするが、自然界では、秩序は混沌と見える状況から絶えず生まれる"(p.484)
もし何らかの集団の変革に関わるのであれば、本書を読むことでその困難さと希望を同時に覚え、人間を相手にする活動の奥深さを再確認するだろう。何年か毎に読み返すことになると感じる。
- 2024年6月8日に日本でレビュー済み人は自尊心、内発的なモチベーション、尊厳、学びたいという好奇心、学ぶことの喜びを生まれながらにして備えているのにもかかわらずそれらを従来のマネジメントの一般体系は破壊してきた。
~従来のマネジメントの一般体系~
1.評価によるマネジメント
短期的な指標に焦点を絞る
見に見えないものを低く評価する
2.追従を基盤とした文化
上司を喜ばせることで出世する
恐怖によるマネジメント
3.結果の管理
経営陣が目標を設定する
社員はその目標を達成する責任を負わされる
4.「正しい答え」対「誤った答え」
専門的な問題解決が重視される
意見の分かれる問題は軽視される
5.画一性
相違は解消される問題である
対立は表面的に調和される
6.予測とコントロールが可能であること
マネジメントとはコントロールすることである
「マネジメントの三種の神器」は計画、 組織化、コントロールである
7.過剰な競争と不信
人々の間の競争は望ましい業務を達する上で不可欠である
人々の間の競争がなければイノベーションは生まれない
8.全体性の喪失
断片化
局所的なイノベーションが広がらない
このような伝統的なマネジメントの機能不全によって多くの組織が絶えず目先の緊急事態への対応に追われイノベーションに費やす時間とエネルギーはないに等しい状況にある。この狂乱とカオスは理念中心のマネジメント文化の醸成を阻害し、機に乗じて個人的な権利や富を鷲づかみにする傾向をもたらす。このような他責思考や縦割り意識、当事者意識の欠如などの学習障害は程度の差こそあれほとんどの組織に見受けられる。だからこそ今ほどに「学習する組織」が強く求められる時代はないだろう。「学習する組織」とは目的を達成する能力を効果的に伸ばし続ける組織であり、その目的は皆が望む未来の創造である。「学習する組織」には唯一完全の姿があるわけではない。むしろ変化の激しい環境下で様々な衝撃に耐え復元するしなやかさを持つとともに環境・変化に適応し、学習し、自らをデザインして進化し続ける組織のことである。そして「学習する組織」によって仕事を「手段」とみる見方―仕事は目的を達成する手段であるという見方―から仕事をより「神聖なもの」とする見方―人々は仕事に内在する本質的な恩恵を追い求める見方―へと徐々に変化するだろう。ではどのように「学習する組織」を導入すればいいのだろうか?著者は「チームの中核的な学習能力の三本柱」を提案している。その内訳は「内省的な対話の展開」、「志の育成」、「複雑性の理解」である。そしてこの三本柱をバランスよく伸ばす必要があるということだ。なぜならばただ対話するだけでは皆が望む結果を出せる組織は創造できないからである。またどんな未来を創造したいかについての具体的なビジョンを共有し、一人一人がそのビジョンを自分事として創造的に取り組まなければ前進できないのである。そして仮に共有ビジョンを描けたとしても物理的な制約や利害関係のもつれなど複雑な現実の構造を適切に見極めることができなければ容易に「システムの罠」に陥り現実を効果的に変えることは出来ないだろう。さらに上記の三本柱は5つのディシプリン(理論と手法という意味)に区分される。システム思考。メンタルモデル。自己マスタリー。共有ビジョン。チーム学習である。
まずはシステム思考から論じたい。歴史上初めて人類は誰もとても吸収できないほどの情報を生み出し、誰もとても対応できないほどの相互依存性を生じさせ、誰もついていけないほどの速さで加速する能力を持っている。このような現代社会の中で多くの人が感じる無力感に対する解毒剤がシステム思考である。システム思考とは複雑な状況の根底にある「構造」を見るためのそして「てこの原理」が働きやすい場所を見分けるためのディシプリンである。つまり、システム思考によって私たちは健全性を育む方法―すなわち人々を「無力な人間」になることから現実を形作る「積極的な参加者」となることへ、そして現実に対処することから未来を創り出すことへの認識の変容方法―を学ぶのである。このシステム思考には三つの文法規則が存在するが、その前に三つの文法の根底にある考えを二つ述べたい。このシステム思考を通してみる時の重要なスキルは後述するループ図が語る物語―その構造がどのようにしてある特定の挙動パターンを生み出すのか、そしてそのパターンがどのように影響を受ける可能性があるかーを理解することである。もう一つは構造(システム)が挙動(現象)を引き起こし、私の意図と行動によって構造が作用し始めるという考えである。つまり複雑な状況で私たちが無力であることの根源には個々の行為だけを見て、その行為の根底にある構造を見逃しているという考えである。さてシステム思考の三つの文法について説明していきたい。まずは自己強化型のフィードバックループである。このシステムの中にいる場合、いかに小さな変化が良くも悪くも大きな結果になり得るかが全く見えないかもしれない。しかしこのシステムの利用の仕方次第で正のスパイラルにも負のスパイラルにもなり得るのである。次にバランス型フィードバックループについて説明したい。もしあなたがバランス型のシステムの中にいるとしたら、それは安定を求めるシステムの中にいるということである。そのシステムの目指すものが自分にとって良いものならばよい状態が維持されやすくなるため幸せな結果になるだろう。そうでない場合物事を変えようとするあなたの努力はどれもうまく進まないだろう。このバランス型ループの特徴は自分では気づきにくい何らかの目標または目的を維持しようとする自己補正能力があるということだ。この特徴によって、すべての関係者が変化を望んでいる時でさえ現状を維持したり、「何も起こっていない」ように見えるため自己強化型ループより気づきにくいといった問題が生じるのである。このようなバランス型フィードバックループに対する解決策は以下の通りである。「変化に対する抵抗」があるときはいつでも一つ以上の隠れたバランス型プロセスが存在する。この変化への抵抗は気まぐれでも不可解でもないのである。それは必ずと言ってもいいほど従来の規範ややり方への脅威から生じるのである。多くの場合こういった規範は確立された関係の網目の中に組み込まれている傾向がある。権力や支配の分布は固定化されているため規範も固定化されているのである。術策にとんだリーダーならば変化に対する抵抗に打ち克とうとさらに押すのではなく抵抗の源を見つけようとする。暗黙の規範やその規範が組み込まれている関係に焦点を当てるのである。こうしてバランス型ループの「てこの原理」が働く源を見つけて解決に導くのである。最後のシステム思考に関する文法は遅れー行動と結果の間にあるずれーである。行動に対してのアウトプットとしての結果がでるのにタイムラグがあるために目標が行き過ぎて失敗することもあるし、逆に遅れを認識してうまく連動すればプラスの効果が得られるということがこのルールの特徴である。つまりこのルールから以下のような教訓が得られるだろう。闇雲で積極的な行動は往々して意図されていることのちょうど反対の結果を生み出すのである。そのような行動は目標により早くあなたを近づけるのではなく行き過ぎによる状況の不安定性を生じさせるのである。
次にメンタルモデルについて。新しい見識を実行に移すことができないのはその見識が世の中とはこういうものだという心に染みついたイメージ、つまり慣れ親しんだ考えや行動に私たちを縛り付けるイメージと対立するからだ。だからこそメンタルモデルを管理することー世界はこういうものだという頭の中のイメージを浮かび上がらせ検証し改善することーが学習する組織にとって肝要なのである。そして出来事に支配されたメンタルモデルから長期的な変化のパターンとそのパターンを生み出している根本的な構造を認識できるメンタルモデルに移行することが求められている。
3つ目に自己マスタリー。自己マスタリーのディシプリンはまず私たちにとって本当に大切なことを明確にし、自分の最高の志に仕える人生を生きることである。自己マスタリーが学習する組織のディシプリンの一つである理由は以下の通りである。志に仕えることで持てる力を最大限に発揮することは何よりの「てこの原理」が働く要因になり得るからである。しかし現実には人生に何を求めるかを尋ねると大抵の人は往々にしてまず何から逃れたいか?(ex;「早く有給休暇を取りたい。」)を語る。なぜこのようなことが生じるのだろうか。理由は二つある。一つは私たちは往々にして道の途中で起こる問題に対処するのに多大な時間を費やすあまりなぜその道にいるのかを忘れてしまうからだ。その結果自分にとって何が本当に重要かがぼんやりとしか見えなくなるのである。もう一つには現状をありのままに見ることができなくなってしまうことに起因する。ではどうすれば高度な自己マスタリーに達することができるだろうか。一つは自分のビジョンに忠実になることであり、もう一つは真実に忠実になることである。
4つ目に共有ビジョン。共有ビジョンとは「自分たちは何を創造したいのか」という問いに対する答えである。共有ビジョンは組織に浸透する共通性の意識を生みだし、多様な活動に一貫性を与える。共有ビジョンというディシプリンが十分に浸透した組織では相手と同じようなイメージを抱き、単にそれが個人的にそのビジョンを誓約するだけではなく、そのビジョンを持つお互いに対して誓約することである。また、共有ビジョンがあることによって人々が自分たちにとって大いに意味があることを成し遂げたいという生成的な学習の焦点が絞られ、そして学習のエネルギーが生まれるのである。したがって共有ビジョンは学習する組織のディシプリンになっているのである。この学習する組織では個人のビジョン(自己マスタリー)を築くようにメンバーを絶えず励ますのである。そして学習する組織では個人として進むべき方向をはっきり意識しているので一丸となって「本当に望むもの」を目指す強い相互作用を生み出すのである。これによってふわふわ中を漂う形式的なビジョンではなく、自分たちのビジョンに照らして「今どうなっているのか」を徹底的に吟味するようになるのである。
最後にチーム学習。チーム学習とはメンバーが心から望む結果を出せるようにチームの能力をそろえ伸ばしていくプロセスである。このチーム学習というディシプリンは「ダイアログ」-すなわち複雑で微妙な問題に対して個人では得ることができない洞察をグループとして発見するために自由かつ創造的に相互探求する能力―をすることから始まる。そしてダイアログによる新しい見方の形成後、生産的なディスカッションによって一つの結論や行動指針にまとめていくのである。
この本を読んで、学習する組織の美しい世界観と著者のbeingに深く感銘を受け、座右の書としたいと感じた次第である。
- 2020年4月18日に日本でレビュー済みAmazonで購入期待通りでした。