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母の最終講義 単行本(ソフトカバー) – 2024/1/18
最相葉月
(著)
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購入オプションとあわせ買い
あの介護の日々は、母から私への教育だった――。
『絶対音感』『星新一』など傑作ノンフィクションの書き手であり、新聞の人生案内も人気な著者の、半生にじみ溢れる名エッセイ集。珠玉の47本。
最相葉月デビュー30周年記念企画
●本文より
「約三十年、介護とそれに伴う諸問題で心身共に限界だった時期もあるが、不思議なことに最近は、母が身をもって私を鍛えてくれていると思えるようになった。いざとなっても人工呼吸器や胃ろうはせず、自然に任せようと思っている。覚悟はあるのか、私。」(p26「母の最終講義が始まった」より)
「ああもう限界。酸素不足の水槽で口をパクパクさせる金魚のようになったら、一刻も早く東京に戻らねばならない。人に会い、原稿を書き、心を立て直す。その繰り返しである。交通費は、心身を健康に保つための必要経費と考えるようにした。」(p6「『余命』という名の時間」より)
「ひかえめだけど芯の強い自分と、出しゃばりだけど脆い自分は、一人の人間の中に共存している。仕事や家庭でさまざまな困難に向き合い、へこんだり笑ったりする時間を積み重ねるうちに鍛えられていく。」(p40「揺るがぬ岩より高野豆腐」)
「わが身を振り返ると、若年性認知症の母の介護が始まった二十代の頃、ヘルパーさんから自分の親の介護はほかのヘルパーに頼んでいると聞いて救われた気がした。そうか、人に頼っていいんだと安堵した。」(p124「ヤングケアラーを探せ」)
●目次
第一章 「余命」という名の時間
「余命」という名の時間/宗教を語る言葉が欲しい/島育ちのご縁から/ワクチン集団接種を前にして
第二章 母の最終講義
第二幕が開いて/母の最終講義が始まった/介護の知恵をつなぐ/手芸という営み/いつもすべてが新しい/揺るがぬ岩より高野豆腐/新しい日常は別世界/リモートで、さようなら
コラム ごくろうさま
第三章 相対音感
相対音感 共に生きていくために/季節ものが消えるゲリラサイン会/バイオミミクリー/宇宙探査を支える人たち/風呂敷に魅せられて/半世紀の恩恵/あえて、見ない、知らない、やらない/支援はいつもむずかしい
第四章 さみしい一人旅
さみしい一人旅/未熟な旅行者/枕をもって旅をする/カプセルで見る夢/「森のくまさん」を歌った日/コロナ下の教会で/闇に差す光
コラム ウソ日記
第五章 人生相談回答者
「する/される」を超えて/認知症者の片想い/御用聞きからしか見えない現実/正当にこわがる/歳末助け合いに思う/ヤングケアラーを探せ/心のもちよう、という前に
コラム 二番手の命
第六章 ありがとうさようなら
師/本を捨てる/たそがれの婚礼家具/オリーブの島で世界を考える/ドキドキをくれた人たち/コロナ禍とジャーナリスト/また会う日まで/競技場にて/絵を捨てる
あとがき
『絶対音感』『星新一』など傑作ノンフィクションの書き手であり、新聞の人生案内も人気な著者の、半生にじみ溢れる名エッセイ集。珠玉の47本。
最相葉月デビュー30周年記念企画
●本文より
「約三十年、介護とそれに伴う諸問題で心身共に限界だった時期もあるが、不思議なことに最近は、母が身をもって私を鍛えてくれていると思えるようになった。いざとなっても人工呼吸器や胃ろうはせず、自然に任せようと思っている。覚悟はあるのか、私。」(p26「母の最終講義が始まった」より)
「ああもう限界。酸素不足の水槽で口をパクパクさせる金魚のようになったら、一刻も早く東京に戻らねばならない。人に会い、原稿を書き、心を立て直す。その繰り返しである。交通費は、心身を健康に保つための必要経費と考えるようにした。」(p6「『余命』という名の時間」より)
「ひかえめだけど芯の強い自分と、出しゃばりだけど脆い自分は、一人の人間の中に共存している。仕事や家庭でさまざまな困難に向き合い、へこんだり笑ったりする時間を積み重ねるうちに鍛えられていく。」(p40「揺るがぬ岩より高野豆腐」)
「わが身を振り返ると、若年性認知症の母の介護が始まった二十代の頃、ヘルパーさんから自分の親の介護はほかのヘルパーに頼んでいると聞いて救われた気がした。そうか、人に頼っていいんだと安堵した。」(p124「ヤングケアラーを探せ」)
●目次
第一章 「余命」という名の時間
「余命」という名の時間/宗教を語る言葉が欲しい/島育ちのご縁から/ワクチン集団接種を前にして
第二章 母の最終講義
第二幕が開いて/母の最終講義が始まった/介護の知恵をつなぐ/手芸という営み/いつもすべてが新しい/揺るがぬ岩より高野豆腐/新しい日常は別世界/リモートで、さようなら
コラム ごくろうさま
第三章 相対音感
相対音感 共に生きていくために/季節ものが消えるゲリラサイン会/バイオミミクリー/宇宙探査を支える人たち/風呂敷に魅せられて/半世紀の恩恵/あえて、見ない、知らない、やらない/支援はいつもむずかしい
第四章 さみしい一人旅
さみしい一人旅/未熟な旅行者/枕をもって旅をする/カプセルで見る夢/「森のくまさん」を歌った日/コロナ下の教会で/闇に差す光
コラム ウソ日記
第五章 人生相談回答者
「する/される」を超えて/認知症者の片想い/御用聞きからしか見えない現実/正当にこわがる/歳末助け合いに思う/ヤングケアラーを探せ/心のもちよう、という前に
コラム 二番手の命
第六章 ありがとうさようなら
師/本を捨てる/たそがれの婚礼家具/オリーブの島で世界を考える/ドキドキをくれた人たち/コロナ禍とジャーナリスト/また会う日まで/競技場にて/絵を捨てる
あとがき
- 本の長さ176ページ
- 出版社ミシマ社
- 発売日2024/1/18
- 寸法12.8 x 178 x 1.4 cm
- ISBN-104909394990
- ISBN-13978-4909394996
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商品の説明
著者について
最相葉月(さいしょう・はづき)
1963年、東京生まれの神戸育ち。関西学院大学法学部卒業。科学技術と人間の関係性、スポーツ、精神医療、信仰などをテーマに執筆活動を展開。著書に『絶対音感』(小学館ノンフィクション大賞)、『星新一 一〇〇一話をつくった人』(大佛次郎賞、講談社ノンフィクション賞ほか)、『青いバラ』『セラピスト』『れるられる』『ナグネ 中国朝鮮族の友と日本』『証し 日本のキリスト者』『中井久夫 人と仕事』ほか、エッセイ集に『なんといふ空』『最相葉月のさいとび』『最相葉月 仕事の手帳』など多数。ミシマ社では『辛口サイショーの人生案内』『辛口サイショーの人生案内DX』『未来への周遊券』(瀬名秀明との共著)『胎児のはなし』(増﨑英明との共著)を刊行。
1963年、東京生まれの神戸育ち。関西学院大学法学部卒業。科学技術と人間の関係性、スポーツ、精神医療、信仰などをテーマに執筆活動を展開。著書に『絶対音感』(小学館ノンフィクション大賞)、『星新一 一〇〇一話をつくった人』(大佛次郎賞、講談社ノンフィクション賞ほか)、『青いバラ』『セラピスト』『れるられる』『ナグネ 中国朝鮮族の友と日本』『証し 日本のキリスト者』『中井久夫 人と仕事』ほか、エッセイ集に『なんといふ空』『最相葉月のさいとび』『最相葉月 仕事の手帳』など多数。ミシマ社では『辛口サイショーの人生案内』『辛口サイショーの人生案内DX』『未来への周遊券』(瀬名秀明との共著)『胎児のはなし』(増﨑英明との共著)を刊行。
登録情報
- 出版社 : ミシマ社 (2024/1/18)
- 発売日 : 2024/1/18
- 単行本(ソフトカバー) : 176ページ
- ISBN-10 : 4909394990
- ISBN-13 : 978-4909394996
- 寸法 : 12.8 x 178 x 1.4 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 106,459位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 32,170位文学・評論 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1963年、東京生まれの神戸育ち。関西学院大学法学部卒。科学技術と人間の関係性、スポーツ、近年は精神医療、カウンセリングをテーマに取材。
97年『絶対音感』で小学館ノンフィクション大賞。2007年『星新一 一〇〇一話をつくった人』で大佛次郎賞、講談社ノンフィクション賞、日本SF大賞、08年同書で日本推理作家協会賞、星雲賞。2024年『証し 日本のキリスト者』でキリスト教書店大賞。
ほかのノンフィクションに『青いバラ』『セラピスト』『ナグネ 中国朝鮮族の友と日本』『れるられる』『証し 日本のキリスト者』『中井久夫 人と仕事』など、エッセイ集に『なんといふ空』『最相葉月 仕事の手帳』『辛口サイショーの人生案内』『辛口サイショーの人生案内DX』『母の最終講義』、児童書に『調べてみよう、書いてみよう』、共著に『心のケア 阪神・淡路大震災から東北へ』『胎児のはなし』など。
カスタマーレビュー
星5つ中3.7つ
5つのうち3.7つ
17グローバルレーティング
評価はどのように計算されますか?
全体的な星の評価と星ごとの割合の内訳を計算するために、単純な平均は使用されません。その代わり、レビューの日時がどれだけ新しいかや、レビューアーがAmazonで商品を購入したかどうかなどが考慮されます。また、レビューを分析して信頼性が検証されます。
上位レビュー、対象国: 日本
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- 2024年8月27日に日本でレビュー済みAmazonで購入読売新聞の人生相談の回答が最高に気持ちいいのでエッセイを買ってみました。タイトルと内容は違うし、人生相談の切れ味はなく。読み飛ばしてしまいました。残念です。
- 2024年4月15日に日本でレビュー済みAmazonで購入わたしも認知症の母を10年介護しました。
- 2024年2月25日に日本でレビュー済み最相葉月(1963年~)氏は、関西学院大学法学部卒、広告会社、出版社、PR誌編集事務所勤務を経て、フリーのノンフィクションライター。『絶対音感』で小学館ノンフィクション大賞(1998年)、『星新一 一〇〇一話をつくった人』で講談社ノンフィクション賞(2007年)を受賞。そのほか、大佛次郎賞、日本SF大賞等を受賞。
本書は、2010年以降(大半は2015年以降)に、南日本新聞、山陽新聞、日経新聞等の新聞及び雑誌に掲載されたエッセイをまとめ、2024年に出版されたものである。
私は、十年ほど前に、エッセイ集『なんといふ空』(PHP研究所発行の増補復刊版)を読んで以来の最相さんのファンで、その後も、『れるられる』や、ノンフィクションの『絶対音感』、『東京大学応援部物語』、『セラピスト』、『青いバラ』等を読んできた。(最新刊の『証し』は、あまりの大部ゆえに二の足を踏んでいるが)
また、私は元来、小説よりもノンフィクションやエッセイが好きで、支持する書き手は、沢木耕太郎、藤原新也、佐々涼子など、いわゆるノンフィクション作家ばかりなのだが、その中で、最相さんに惹かれるところは、その感性と徹底した取材スタイルである。
(失礼を覚悟の上で言わせていただくと)最相さんは、シャイで、朴訥で、不器用な方ではないかと想像するが、それ故に取材相手の気持ちを聞き出せるというようなこともあるのではないかと思う。本書にある、北海道の公共交通機関のない所で、車で往復1時間かかる取材先に、自転車!(最相さんは車の運転をしないのだそう)で向かおうとしたところ、取材相手から、クマに襲われる可能性があるから止めて欲しいと言われたというエピソードなどは、最相さんの人となりを端的に表すものと言えるだろう。
尚、本書の書名である『母の最終講義』というのは、50代前半で脳出血で倒れ、認知症となった母親を、30年に亘り介護しながら(その間、がんで声を失い、流動食生活を送るようになった父親の介護も、10年ほどあった)、仕事を続けてきた最相さんが、母親の症状が進行するにつれて、「今、私の心境は大きく変化しつつある。この日々は母が私に与えた最後の教育ではないかと思うようになっているのだ。」と感じるようになったということから付けられており、本書に通底するテーマとなっている。
また、大半のエッセイの初出は新聞なので、東日本大震災、はやぶさ2、ヤングケアラー、コロナ禍等の時事テーマに関わるものもあれば、最相さんが手掛けたノンフィクション作品に関わるエピソードも含まれている。
私は最相さんと同い年で、当然ながら、環境は全く異なるのだが、多くの点で共感を覚えたし、また、いくつもの気付きを得ることができた。
(2024年2月了)
- 2024年3月16日に日本でレビュー済みAmazonで購入タイトルから母親の介護のことが書かれているかと思ったら、違った
- 2024年2月17日に日本でレビュー済み「母の最終講義」という本のタイトルに惹かれて購入しましたが、エッセイ集なので、母の最終講義はその一部です。エッセイ集としては、もちろん素敵ですが、私としては、最相さんにもっと最終講義のところを語って欲しかったです。