台湾海峡で中国軍の気球を探知 国防部
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【12月8日 AFP】台湾国防部(国防省)は8日、中国との非公式な境界線である台湾海峡(Taiwan Strait)の中間線を横切る中国軍の気球を探知したと発表した。
同部は「中国の気球1機がきのう(7日)午前11時52分(日本時間午後0時52分)、台湾海峡の中間線を横切った後に探知された。基隆(Keelung)の南西101カイリ(187キロ)の地点だった」と発表した。
さらに「気球は東に向かい、午後0時55分(日本時間同1時55分)に消息を絶った」と明かし、気球の蛇行する飛行ルートを示した図も公開した。
邱国正(Chiu Kuo-cheng)国防部長(国防相)は8日、「気象用などの観測気球が季節風によって台湾方面に漂流したのかもしれないというのが、われわれの予備的見解だ」と述べた。
一方、同部は、7日夜に中間線を横切る中国軍機7機を検知したとも報告した。8日朝の報告では、午前6時までの24時間で27機が中間線を越えたという。
中国はほぼ毎日、台湾周辺へ戦闘機や船舶を派遣しているが、中国軍機による夜間活動や気球の出現はまれ。
台湾国防安全研究院(INDSR)のアナリスト、蘇紫雲(Su Tzu-yun)氏は、過去にも台湾本島や周辺地域の上空に中国の小型気象観測気球が飛来した例があり「軍事的脅威にはならない」とみている。
ただし気象学的な目的の他に、中国軍による運用試験、あるいは「政治的な嫌がらせ」の一種である可能性もあると指摘した。(c)AFP