【9月25日 AFP】サッカーイングランド代表のロイ・ホジソン(Roy Hodgson)監督は24日、ジョン・テリー(John Terry)の代表引退を「渋々」受け入れたと明かした。

 ホジソン監督は6月に行われたサッカー欧州選手権2012(UEFA Euro 2012)に渦中のテリーを召集し、さらに2014年サッカーW杯ブラジル大会(2014 World Cup)予選への参加にも期待を寄せていた。

 ホジソン監督は「監督就任以降、ジョン・テリーがみせたイングランド代表への献身ぶりに感謝したい。ジョンのように国際的な経験を持つ、並外れた能力の選手を失うのはもちろん残念なことだ。イングランドの監督として、ジョンとは良好な関係を楽しんでいたこともあって、彼の決断を渋々ながら受け入れた。彼が、礼儀正しく、発表を前に代表引退の旨を伝えてくれたことも述べておきたい。チェルシーでのジョンの今後の活躍を期待している」とコメントを寄せている。

 23日に代表からの引退を表明したテリーは、2011年10月に行われたリーグ戦でクイーンズ・パーク・レンジャーズ(Queens Park Rangers、QPR)のアントン・ファーディナンド(Anton Ferdinand)に対して人種差別的な発言をしたとされてFAから告発受けたことで、代表引退に追い込まれたと同協会を事実上非難している。

 テリーは代表引退の声明の中で、「代表チームでの自分の立場を維持できないと感じた」としている。

 しかしながらFAのアレックス・ホーン(Alex Horne)事務局長はこれに対し、「これは個人的な判断だ。我々がどのように維持できなくさせたか分からない」と英スカイスポーツ(Sky Sports)に語っている。

 人種差別発言を行っていないと一貫して否定を続けたテリーは、刑事裁判では7月に無罪判決を受けた。テリーはこの無罪放免で全てに終止符が打たれることを期待したが、FA内部の聴聞会が待ち受けていた。

 24日、FA本部のあるウェンブリー・スタジアム(Wembley Stadium)には、テリーとその弁護団、FAの独立委員会、そしてファーディナンドが訪れて聴取が行われた。聞き取りは9月いっぱい続く見込みとなっている。(c)AFP/Julian Guyer