【7月25日 AFP】米大リーグ(MLB)は24日、各地で試合が行われ、ニューヨーク・ヤンキース(New York Yankees)のイチロー(Ichiro Suzuki)は、シアトル・マリナーズ(Seattle Mariners)戦に8番・右翼で先発出場し、3打数1安打を記録した。

 一方、前日発表されたイチローのマリーナズからヤンキースへのトレード移籍に関して日本のメディアやファンは、引退を迎える前に名門チームでワールドシリーズ制覇を叶え、有終の美を飾る好機と歓迎した。

 NHKは昼のニュース番組でイチローのシーズン途中の移籍を取り上げ、経済紙である日本経済新聞(Nikkei)を含めた国内の各紙夕刊も、一斉に一面で取り上げた。

 毎日新聞(Mainichi Shimbun)は、『世界制覇見据え名門へ』と見出しを打った。

 イチローは、2001年に日本プロ野球のオリックス・ブルーウェーブ(Orix Blue Wave、現オリックス・バファローズ(Orix Buffaloes))から野手として日本人初の大リーグ移籍を果たし、マリナーズに加入した。イチローの移籍をきっかけに、マリナーズは日本で最も有名なチームの1つとなった。

 現在38歳のイチローは、キャリアの晩年を迎えて成績は下がってきているにもかかわらず、日本で変わらぬ人気を誇っている。

 イチローの父である鈴木宣之(Nobuyuki Suzuki)氏はNHK取材陣に対し、「(移籍について)びっくりしました。彼は子どものころ、弱いチームで強いチームを倒してナンバー1になることが夢でした」と話した。

 一方、2006年のワールド・ベースボール・クラシック(World Baseball Classic)で日本代表の監督としてイチローとともに優勝に貢献した72歳の王貞治(Sadaharu Oh)氏もNHKの取材で、「彼自身、自分の気持ちをもう一度燃やさせるために、あえてヤンキースへ行くことを自分で望んだんだろうと思う。成績次第では厳しい批判を受けるかもしれない」とコメントした。

 スポーツジャーナリストの二ノ宮清純(Seijun Ninomiya)氏は朝日新聞(Asahi Shimbun)に対し、「残りの野球人生は限られている」と語っている。(c)AFP