先日家庭用の遠隔作業マシンとして作った、Core i5-7260U搭載のIntel NUC。レビューはこちら。
「温度が高い」「ファンがうるさい」などの評価が見られたので、少し低速ですが発熱の少ないSSD(WD Black M.2 NVMe 第一世代)を選択し、気休めに内部にヒートシンクを付けたりし(結果はマジで気休めでした)、発熱に対して万全のラインナップを揃えた!
これで静かに動く!・・・はずでした。
当初は静かで速い!だったが・・・
インストールしたソフトが少なかった組み立て当初は、十分な速度、十分な静けさを保っていたNUC。
しかし、ファイルを常時監視するサービスソフトや、ビックデータのテストをするDBなどを組み込んだ結果、負荷が上がりCPU温度がみるみる上昇!
最近では常時70℃以上、Adobe系ソフトを動かしたり、DBで大きな抽出をかけた日にはすぐさま90℃を突破!しかも何分経ってもまったく冷えない!
90℃ て。
GTX 1080を小型ケースに入れてもそこまで行かんぞ。
Windows Updateなんて来た日には、1時間ぐらい「シュイイイイイィィィィ」というファンの風切り音を発生し続け、なかなかの耳障り。小さいくせに、部屋に入るとすぐに気づくほどの激しい音なのだ。
相当な速度でファンが回転し続けています。
かなり遅かったけどほぼ無音だったCeleron搭載NUCと比べると、ケタ違いにうるさい。
アマゾンのレビューではCore i7の機種が「熱い」「うるさい」と書かれていましたが、「もしかして熱いSSDを積んでるせいじゃないの~?」「Core i7だからじゃないの~?」と、自分の知識を過信して、レビューをナナメに見ていたのも事実。
イキがってこんな記事も書いちゃいました。>INTEL NUCでファンがうるさい!と思っている人はM.2 SSDの発熱のせいかもよ
ですがいま、はっきりと答えが出ました。
SSDのせいでもなんでもないです。ごめんなさい。
ズバリ、
Core i5以上のIntel NUCは熱い。そしてうるさい。
CPUの発熱はたぶん常識の範囲でしょうが、どう見ても排熱に無理がありすぎる。TDPわずか15Wというサフィックス U型番ですら、満足に冷やせてない。
この小さな筐体に、薄いファン1基では無理です。
Intel純正だからもう少し考えてあるかもと思いましたが、この異様に高い温度を見る限り、そもそもの設計に疑問が残ります。
たぶんこのケースとファンでは、満足に冷却できるのは低電圧Celeron ~ サフィックスY型番までではないでしょうか。
もうなったらもう、伝説のGeForce FX 5800並のファンを積むしか・・・このギャグで即座に笑える人はたぶんアラフォー。
同時に動かすソフトが2~3本ならなんとか静かです。動画を見る程度なら、CPU支援機能があるのでこれも静か。
しかし、画像変換などでCPU負荷が70%を超えはじめると、二次曲線的に温度が上がり、ピークでは95℃も超える!
Intelの公式仕様を見ると、T junction (接合部温度)の最大値は100℃となっていて、常時90℃ではもはや熱破損ギリギリレベル。
いやそもそも、TjMAXまでにあと数度というオーバーヒートスレスレなこの状況で、ブルースクリーンや強制シャットダウンを行わないというのも恐ろしい。
試したことはないですが、ベンチを8時間連続とかで回したらどうなるんでしょうか。(熱破損で壊れたら、保証期間内なら交換してくれる・・・んだよね?)
ちなみにTV台の中などに入れて運用している人は、かなり気を付けた方がいいです。想像以上に熱がこもっているかもしれません。あまりに温度が高い状態が続くと、故障率が上がります。
今後出てくる6コア、8コアのNUCがどうなるか。しかも事前発表を見る限り、通気孔を増やしただけの同じ筐体。第9世代ではCPUのリソグラフィは14nmと第8世代と同じ。つまり発熱量はほぼ変化がないか、コア数分増えるということ。
かな~りヤバい予感がします。
それこそGeForce FX 5800・・・ってしつこいですね。
さすがの僕も、夜中にずっとうなっているファンの音はもう限界。
買い換えます!さようならNUC!
(物理的に) 熱い思い出をありがとう!
大人気のベアボーンへ移行!
次の候補は、小さくて人気のベアボーン「ASRock DeskMini 310」。
そしてCPUには高速かつ省電力のCore i5-8400Tをチョイス。
CPU末尾のサフィックス「T」型番は、TなしのCPUと比べ、TDPが大幅に低められています。つまり省電力・低発熱になっています。
もちろんそれなりにパワー(クロックなど)が抑えられることとなるのですが、実用上ではそれほど体感できないほどの差です。かなり遅さを感じるCore MやU型番とはちょっと制限の方法が違います。
とはいえ、ベンチマークやゲームをすれば、はっきりと差は出ます。
家庭で24時間動かすため、電気代はとても重要。65Wと35Wでは半分程度になるはず。僕のお小遣いにもダメージが少ないのです!(最重要)
Core i5-8400TはTDP 35Wながら6コア(6スレッド)を搭載する強力なCPU。NUCのCore i5-6720Uは2コア/4スレッドなので、コア数だけなら3倍、スレッド数なら1.5倍となります。
処理能力も期待できます!
CPU枯渇でどこにもねぇ・・・
しかし、問題は購入時に発生。
実は最近(2018年年末ごろ)、Intelの第8世代CPUがぜんっぜん足りてないのです。生産計画のミスなのか、工場のトラブルなのか、秋葉原でも「売り切れ」の嵐!
ハイエンドのCore i7やローエンドのCeleronやPentiumはありますが、メインストリームのCore i3、Core i5がものすごい品薄。
年末商戦がもうすぐ始まるというのに、こんなスキマだらけの在庫で勝負できるのでしょうか?Ryzen 3、5がシェアにすべりこんで来そうですね。
そしてもともと流通量の少ない「T」シリーズは、もはや壊滅。
ドスパラ、パソコン工房、アーク、アマゾン、ヤフーショッピングから楽天市場まで。名だたるパーツショップのどこにもねぇ・・・
しかし!神は僕を見捨てなかった!(大げさすぎる)
カスタムPCの1’s(ワンズ)に、「CPU単体はダメだけど、PC一式としてなら売るよ!」というありがたい表示が!
DeskMini 310を買うからちょうどいいぜ!
速攻でセット購入!
CPUはバルク品なので箱なし&ファンなしです。純正ファンを使うつもりはないので、ちょうどよし。
別途Noctuaのロープロファイル静音ファン「NH-L9i」をオリオスペックから購入!
翌日にはすべてそろいました!
さて盛り上がってまいりましたが、組み立て&ベンチマークは長くなるので次の記事にて!
追記:組み立て~ベンチマーク記事を書きました!
WTS的まとめ
CPU探しにこんなに手間取るとは思いませんでした。ほんとに今年の年末商戦はどうなるんでしょうか。11月とか12月に大量入荷することは・・・たぶんないよね。どちらにしろ、年末に向けてPCを組みたいと考えているなら、今のうちにCPUだけでも確保しておいた方がいいですよ!
ただ、来週あたりから第9世代のCoreシリーズも出るので、見極めはむずかしいですね。
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