聖闘士星矢 THE LOST CANVAS 冥王神話

登録日:2011/03/05 Sat 21:30:51
更新日:2024/07/05 Fri 20:01:22
所要時間:約 8 分で読めます





遠い神話の時代から
この地上の覇権をめぐって
二百数十年ごとにくり返されてきた
女神アテナと冥王ハーデスとの戦い


聖戦―――…


18世紀ヨーロッパ

この街の崩壊によって

新たな聖戦の火蓋が切って落とされる―――



原作:車田正美、漫画手代木史織による週刊少年チャンピオンに連載された「聖闘士星矢」のスピンオフ作品。
原作の聖戦より240年前の前聖戦を描いた作品。
2006年から2011年まで連載され完結。単行本は全25巻。

連載終了後には黄金聖闘士を主人公とした「聖闘士星矢 THE LOST CANVAS 冥王神話外伝」が連載された。


あらすじ

18世紀、イタリア。テンマは黄金聖闘士・天秤座の童虎に才能を見出だされ修行の末、天馬星座の聖闘士(セイント)となった。また、聖域で幼なじみの少女・サーシャと再会し、彼女がこの時代のアテナであることを知る。
テンマは故郷がハーデス軍の襲撃に遭った事を知り、迎撃に向かうが、そこで冥王ハーデスの正体がサーシャの兄で幼なじみの親友・アローンである事を知る。


登場人物


天馬星座(ペガサス)のテンマ
主人公で星矢の前世。15歳。アローンやサーシャと共に孤児院で暮らしていたが、童虎に才能を見出だされ、聖闘士となる。後生の星矢とは違い黄金聖闘士や仲間と共闘する事が多い。
日本系の見た目と名前だが、それは彼の出生の秘密に由来する。

サーシャ
この時代の女神アテナ。テンマ、アローンと共に暮らしていたが、聖戦が始まる5年前にシジフォスにより見つけ出され、聖域に引き取られる。
240年後のアテナと違い最初から善良な性格でかなり可愛い。

アローン
この時代のハーデスの依代。15歳。テンマの親友でサーシャの実兄。
心優しい性格で画家を目指していたが、最も心清らかな人物としてハーデスの器に選ばれてしまった。冥王覚醒後、描かれたものは全て死に絶える絵、「ロストキャンバス」の完成を目指す。


女神軍



■青銅聖闘士(ブロンズセイント)

一角獣星座(ユニコーン)の耶人
この時代の一角獣星座の聖闘士。15歳。実力はテンマに劣るが、いざという時は決めるタイプ。
240年後の一角獣星座の聖闘士よりは活躍しており、ユズリハ共々準レギュラーとして位置づけられている。



鶴座(クレイン)のユズリハ
ジャミールの女戦士。17歳。主に首に巻いたストールを使った技や超能力、そして足技を得意とする。テンマ救出の一件以降、耶人と行動する。
女聖闘士の掟を鬱陶しく感じており、テンマと耶人の前では仮面を外して共に行動する。

祭壇座(アルター)のハクレイ
ジャミールの長で教皇セージの兄。260歳前後。前聖戦の生き残り。本来は自分が纏うはずの蟹座の黄金聖衣も教皇の地位も譲って、裏方に徹していた。セージの死後、教皇としてハーデス城へ乗り込む。
現・黄金聖闘士よりも強い。もはや存在がチートな白銀。


黄金聖闘士(LC)
今作のメインキャラクター達であり、主力メンバー。本編の黄金聖闘士達よりも格段に扱いが良く、1人1人の戦いが細かく描かれている。

また、シオンと童虎以外は本編で既に語られた結末により、全員が「存在=死亡フラグ」な為、どれだけ活躍できるか、どんな散り様を見せるかが期待されている。


教皇セージ
260歳前後。元蟹座の黄金聖闘士。ハクレイの弟でマニゴルドの師匠。前聖戦の生き残りの1人で、兄ハクレイと共に双子神を封じる事を悲願とする。マニゴルドと共に死の神タナトスと戦い、命と引き換えに封印する。
兄共々やっぱり現・黄金聖闘士よりも強い。


冥王軍


パンドラ
19歳。ハーデスの側近。冥闘士を統括し、実質的な冥王軍の指揮を執っている。負けフラグ建築要員
だが240年後よりも超可愛い&エロい。

眠りの神ヒュプノス
タナトスの兄。冷静沈着に物事を進め、神に逆らう人間の姿を愚かだと見下しながらも、その力に対し「面白い」と興味を抱いている。
ハーデス城でシオン、ユズリハを撃退する。その後、ハクレイと対峙し、ハクレイの命を賭けた積尸鬼転霊波で封印される。

死の神タナトス
ヒュプノスの弟。短気で人間を「所詮は塵芥」と侮っている。
マニゴルド、セージと戦い圧倒的な力を見せるが、マニゴルドの命を賭した執念の一撃により肉体を破壊され、セージに封印される。

夢神オネイロス
ヒュプノスの配下の夢の四神。倒された兄弟達の魂を統合して真の姿でエルシド、テンマと戦い追い詰めるが、アテナの力を借りたシジフォスとエルシドの連携の前に敗北。テンマを道連れにしようとするが、エルシドに阻まれ死亡する。

仮象者パンタソス
夢の四神の一神。男の娘。空間を切り裂いて夢界に突入したエルシドに真っ先に倒される。
散り際で男性態を晒し、美少女だと喜んでいた読者をリアルで幻朧魔皇拳状態に陥れた。
OVA第二期では女性態をくぎゅが演じ、男性態を日野ちゃまが演じるという日野理恵現象が起こった。

造形者モルペウス
夢の四神の一神。他人の望む夢を見せる力を持つ。シジフォスやテンマを夢界に幽閉するが、神聖衣に一瞬覚醒したテンマに倒される。

幻夢イケロス
夢の四神の一神。空間を繋げる力を持つ。現実世界でエルシドの一撃を跳ね返して腕をもぎ取り、一度は撃退する。夢界での戦いではエルシドを苦しめるも精神を研ぎ澄まし、動きを読みきったエルシドに両断され、敗北する。


■冥界三巨頭
冥王に仕える108の魔星の中でも最強の三人。
240年後の本編と名前や外見など基本的にキャラが同じである。

天貴星グリフォンのミーノス
冥王軍で先陣を切った冥闘士。糸で他人を操る。アルバフィカと対峙し、圧倒的な実力で一度は倒す。しかし、アルバフィカが守っていたロドリオ村を襲撃中に、重傷を負いながら立ち上がったアルバフィカに敗れた。

天雄星ガルーダのアイアコス
冥界三巨頭最強で冥闘士のリーダー。カルラ王を名乗りガルーダ船(シップ)と呼ばれる戦艦を持つ。聖闘士のリーダーであるシジフォスと戦うが、エイトセンシズに覚醒したシジフォスに敗れ、聖戦から身を引く。おそらく生き残った2人の冥闘士。人間の時は水鏡と名乗っていた。

天猛星ワイバーンのラダマンティス
ハーデスに最も強い忠誠心を持つ三巨頭。ブルーグラードでカルディアと戦うが敗北。負けた上にオリハルコンも奪われる失態を犯すが、パンドラを救ったお陰でお叱りを免れた。
帰還後、ハーデスから神の血を受けて神竜へとパワーアップする。先代獅子座でレグルスの父・イリアスを殺した張本人で、ロストキャンバスでレグルスと対決。イリアスと同じ領域に登り詰めたレグルスに敗北する。
心臓なくても動ける。


冥闘士(スペクター)
108の魔星。三巨頭以外も原作よりかなり強く、黄金聖闘士級でないとまともに戦えない。というより来世の聖闘士達(特に青銅)が強すぎるのだが。もしくは来世の冥闘士が弱すぎるのか

天暴星ベヌウの輝火(かがほ)
ハーデス覚醒時に童虎と戦い、聖戦開始後に再び童虎を狙う。その途中で聖域周辺を守護していたアルデバランと戦い、敗北するも邪悪ではないと見逃される。
冥界三巨頭クラスの実力者でありちょくちょく登場する。
明言されてはいないがほぼ間違いなく240年後の不死鳥星座の前世と思われる。

天究星ナスのベロニカ
冥衣は野菜の茄子ではなく、ゾロアスター教の死人使いの悪魔の事。
てかハエ。珍しいオカマの冥闘士。
OVA第二期ではテラ子安がノリノリに演じており、最後の断末魔は中の人が酸欠で倒れそうな勢いだった。

天獣星スフィンクスのファラオ
おそらく今回の聖戦で一番多くの(雑魚)聖闘士を葬っている。来世同様嫌みな性格。

天英星バルロンのルネ
少年時代のシオンをかどわかし、鞭で調教しようとしたうえ、他人の人生を覗き見するのが趣味の変態。

天魁星メフィストフェレスの杳馬(ようま)
テンマの父親。所謂「ザ・ワールド」の使い手。その正体は時の神クロノスの弟カイロス。悲劇の黒幕。

天孤星ベヒーモスのバイオレート
アイアコスに心酔している、怪力マッチョな乙女。

天間星アケローンのカロン
来世と同じく金が全ての現実主義者。

天哭星ハーピーのバレンタイン
ラダマンティスに忠義を尽くすが、主同様不憫。20年の時を経て、幻の技「スィートショコラーテ」を披露してくれた。

地獣星ケット・シーのチェシャ
駄猫呼ばわれされつつも、パンドラに懐いているガングロ少年。もはやマスコットキャラ扱い。

双子座(ジェミニ)のアスプロス
野望の為にアテナを裏切り、ハーデス側に寝返った。
生前、聖闘士候補生の頃に杳馬の技により精神汚染をされたが、自決の際に打った幻朧魔皇拳をデフテロスに解除された時に精神汚染の影響も消滅した。

無星オウルのパルティータ
テンマの母。ハイレグ冥衣やメイド姿も披露してくれる、かわいらしい若奥様。


その他の人々


アガシャ
ロドリオ村に住む少女。アルバフィカを慕っており、彼の象徴である薔薇をつけている。

アトラ
ジャミールの少年。顔だちといい、強力な念動力を持ってたりと、240年後の牡羊座にそっくり。

テネオ、セリンサ、サロ
孤児時代にハスガード(アルデバラン)に拾われ、彼を父のように慕う。
ハスガードが黄金聖闘士となった際、三人共に聖闘士の道を選んだ。
後にテネオはハスガードの遺志を受け継ぎ牡牛座の黄金聖闘士となる。

海龍(シードラゴン)のユニティ
ブルーグラードの領主の息子でデジェルの幼なじみ。シスコンが過ぎて、海闘士(マリーナ)となり、ポセイドン復活を企てる。

セラフィナ
ユニティの姉。銀髪の美女でデジェル、ユニティにとって太陽のような存在だった。
病で無くなった後、ユニティによって肉体にポセイドンの力が注がれ続けており、パンドラの逸った行動でポセイドンとして一時的に覚醒するが、デジェルの命と引き換えに鎮められ、共に海底都市に眠る。
外伝では生前の彼女が登場する。

星矢
後の天馬星座(ペガサス)の青銅聖闘士で原作主人公。タイトルに名前があるが240年後の人間なので登場しない、と思われたが…。
「神殺し」の少年。


当初はあまり人気が振るわなかったが、単行本3巻以降(アルバフィカ戦)からは黄金聖闘士1人1人にも戦いと活躍の場が描かれ、世代を越えた読者達から大きな人気を得た。
OVAやドラマCDも好評である。

また、黄金聖闘士達も大活躍し、本編では微妙な扱いだった最不遇の魚座、蟹座かませの牡牛座聖衣がメインの射手座の活躍は必見。

第1話の巻頭カラーにはペガサスの他4人(顔は見えない)が描かれたが、劇中未登場(鳳凰は矛盾が生じる)なので本編の方々だと思われる。

生き残った聖闘士は老師とシオンのみだと思われたが、どうやら「聖闘士としての力が残った」のが彼らのみだった模様。




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最終更新:2024年07月05日 20:01