アニメ化

登録日:2009/08/19 Wed 22:20:57
更新日:2024/12/17 Tue 10:24:01
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小説・漫画ゲームなどの原作を元にして、アニメーション作品を製作すること。

日本でもアニメ黎明期から行われており、当初は童話のアニメ化が多かった。
漫画のアニメ化は1925年の『ノンキナトウサン』が最古参。只、当時は映画として視聴するのが主流だった。
そして1963年に漫画『鉄腕アトム』がテレビアニメ化されたのを筆頭に漫画のアニメ化が増加していく。90年代からはライトノベルゲームなどのアニメ化も増えた。

全てをゼロから構築する必要のあるオリジナル作品と比べて原作という設定やプロット、脚本に当たる下地、キャラクターデザインが最初から備わっている故製作がし易く、加えて「原作ファン」という固定の買い手もいる事から積極的に行われる。

また、アニメ作品は基本的に多数の人間が関わるプロジェクト作品的な側面を持つのである程度別な多角的視点が得られるのが利点ではある。
原作では描かれなかったシーンや描写不足であったシーンが補完されるなど、アニメ化ならではの長所も多い。

漫画、小説、ドラマCD…数多のメディアミックス展開の代表であり、ひとつの到達点と言える。
更に言えばそれ等を全部同時に展開するマルチメディア作品は正に大プロジェクト作品。
アニメのヒットによって原作の売り上げも大幅に増加したり、中には社会現象となった作品もある。
「アニメ化」と言えば、それこそ原作者にとっての「夢」と言い換えてもおかしくはないぐらいの一大目標である

だが、アニメ化されたからと言って手放しで喜べないのも現状である。
原作ファンは…いや、時には作者までもがワクワクすると同時に、黒歴史原作レイプの恐怖に怯えることになる。

現代では、原作未完のままアニメされることが当たり前な一方で、全ての作品が長期放送を前提としている訳でない。
結果として、原作中盤以降との食い違いが生じたり、最終回中途半端な内容になったりすることもあり*1、原作ファンから非難の対象になることがある。

原作ファンから叩かれやすい理由として、
  • キャラクターデザインの改変*2
  • 声優の変更(主にゲームやドラマCDなどで既に声が付いている場合に顕著)
  • BGMなどの変更(原作がゲームや実写作品などで既に音声が付いている場合)
  • 世界観・設定の大幅な改変
  • ストーリーの大幅な省略・改変
  • 原作で印象的な演出が再現できていない
  • オリキャラ・ストーリー
  • アニメ未登場キャラクター
などが挙げられ、多ければ多いほど黒歴史認定されやすくなる。
ただし、個々のクオリティが高ければ、原作を知らないアニメファンから評価されたり、後に再評価が進むこともある。

更に、
  • 作画崩壊
  • 脚本が破綻している
  • 音響が低品質
  • 棒読み
  • 関係者の余計な発言・不祥事
などがあると、原作レイプとまで評されてしまう。
アニメの性質上、作画や声優の演技は特に注目されやすく、

中には「漫画や小説という媒体でこそ適切に表現できるものであり、アニメという媒体だとイマイチ映えない」タイプの原作もあり、それらを「人気が有る、儲かる」からと無理やりアニメ化してコレジャナイの批判を受ける事も。
しかし、逆にアニメから入り、原作に手を出して火傷をするパターンもある。

それにアニメ化には莫大な費用と相応の製作期間必要なのだが、全てのアニメが潤沢な予算と十分な製作期間を確保できるわけではない。
限られた環境で作った結果として、作画などにしわ寄せがきてしまうこともある。
ただし、一概に「低予算だから駄作」ではないし、その逆もまた然りであるが。

そのほか、監督やスタッフが業界でのし上がる為自己解釈満載にし内輪の業界受けはいいが末端の原作ファンにはそっぽを向かれるオナニー作品になった犠牲作品も……。

これらから見ると、「原作をリスペクトしていないアニメ化」は非難の対象になりやすい。
オリジナルの要素を原作にいれる事で作品が成功する事は稀であり、ギャルゲー原作の様にキャラ一人一人を大事にしたいのにキャラが多過ぎる場合等では成功する例は存在するものの、その他の原作に介入するのは批判の対象になりやすい。

心理描写が多く描かれるアドベンチャーゲーム系列の作品のアニメ化の場合、心理描写オンリーの場面を丁寧に収録できる程の尺を確保できない事が殆どで、結果心理描写の多くがカットされて「キャラの心理が見えにくくなって薄っぺらくなった」「テンポが良くなった」などと賛否両論…という展開にもなる場合がある。
また複数ルートがある作品で、すべてのルートを通ることで初めてトゥルーエンドが意味を持つ、という作品だと、アニメ作品でトゥルーエンドを描くことが非常に難しくなることが多い(尺が短過ぎても長過ぎても魅力を削いでしまうため)。
そのため、トゥルーエンド以外のルートがアニメ化されたり、トゥルーエンドはOVAで描く、という作品もある。


〈アニメ化成功例〉

瀬戸の花嫁
テンポのいいギャグと声優達の怪演によりまさかの良作。アニメから原作に入り首を傾げた人も。

ARIA
2期で作画が若干怪しかったものの、オリジナル話も概ね良好。
アニメオリジナルキャラが原作最終話で逆輸入され、アニメと原作がほぼ同時に最終話を迎えるという稀有な作品。

けいおん!
京アニによって社会現象になった作品。アニメ化前は知る人ぞ知る4コマ雑誌作品だったがアニメ化によって大幅に知名度上昇、深夜の日常系百合アニメの金字塔の一角として不動の地位を築き上げた。
内容自体も一部エピソードは賛否あるが原作エピソードに程よい肉付けを行った事でよりボリューミーになり、アニメオリジナルエピソードも好評…と、深夜のダラダラ日常アニメだから~などと侮れない完成度を誇る。

ヒカルの碁
言わずと知れた囲碁ブームを巻き起こした作品。最高のタイミングでアニメ化が始まり、最初の数話を除けば原作に完全に忠実なままである。
単に原作をアニメ化しただけではなく、稀に挟まれるアニオリ描写も好評であり、
プロ試験からの脱落が決まった本田が、バスの運転手に励まされて号泣するシーンは特に秀逸との呼び声が高い。
声優のチョイス・滅多に崩れない作画・テンポの良さ(囲碁が分からなくても面白い)から非常に高い評価を受けている。
最終話のBパート(=エンディング)は必見。

ひぐらしのなく頃に
元々はイベント会場の片隅で細々とリリースしていた同人ノベルゲームだが徐々に人気を集め、ドラマCD化を経てアニメ化へ。
原作が極めて長大な為4クール分費やしても大筋をなぞる程度にしか再現できなかったが、その中でも端的かつ的確に作品の魅力を描ききっており多くの視聴者の心を掴む事に成功。
結果としてかなりの有名作品に昇華し、その後も続々と「礼」「煌」「拡」といったOVA作品も作られた他新アニメ版である「業」&その続編の「卒」が放送されるなどメディア展開は留まるところを知らない。

神無月の巫女
原作の連載開始の数ヶ月後にアニメの放送が開始されるというスケジュールだったが、二巻とダイジェストな内容の原作に対してアニメは千歌音の描写に徹底的にフォーカス。多くの視聴者の共感と感動を呼び、百合作品の金字塔の一つと言っていい作品となった。

妖怪ウォッチ
メディアミックスは2012年末に漫画連載として始まり、7ヶ月後に発売された原作ゲーム第1作の初動売り上げは至って平凡だったのだが、発売から半年後にアニメの放映が始まると小学生を中心に国民的大ブームを巻き起こし超人気コンテンツに。ホビー(ウォッチや妖怪メダル)から主題歌まで全てがヒットし、劇場版第1作の興行収入は70億円を突破した。

ポプテピピック
覇権アニメを狙うと宣言して本当に覇権を取ったクソ4コマ原作のクソアニメ。
原作者を監修担当に据えつつ前代未聞の演出手法も大量に盛り込み、原作のシュールなテイストとアニメオリジナル要素を上手く両立させ、やりたい放題やりながら大きな反響を呼んだ。

鬼滅の刃
週刊少年ジャンプにて連載されていた漫画のアニメ。
アニメ化前はクセの強い作風から知る人ぞ知る中堅漫画というポジションであったが、ufotableによるクオリティの高いアニメが放映されると爆発的にヒットし、社会現象を巻き起こした。

NARUTO‐ナルト‐
週刊少年ジャンプにて連載されていた漫画のアニメ化作品。
第一部と第二部(『NARUTO 疾風伝』)併せると15年以上放送が続くロングラン作品となり、劇場版作品も多数作られた。
重要な回における超絶クオリティの作画、著名なアーティストによる主題歌、和楽器を活用した劇伴などは評価が高い。
長期アニメ故に作画のブレやオリジナルストーリーの評価がイマイチといった面も否定はできないが、放送が終了した現在も海外を中心に高い人気を誇っている。

遊戯王
最初の東映版アニメは残念ながら打ち切られてしまったが、制作会社と放送局を一新した遊戯王デュエルモンスターズがちょうどTCG人気の発展にベストマッチして『遊戯王OCG』と共に大ヒット。
原作からカットされたストーリーや変更点もあるものの、原作では手探りだったTCGの体裁がある程度整えられた。
また、原作ストックが尽きたために長期間挟んだアニメオリジナルエピソード ネタ的な人気も加えて 一定の評価を得ている。
原作者の体力の限界もあって原作は惜しまれつつも完結したが、なんとアニメ側で舞台を一新した続編を作るという形でメディアは継続、現在8作品目が放送されている(ただし、7作品目以降はカードゲームそのものが違う)。

ガングレイヴ
ゲームのアニメ化作品。抽象的なゲームのシナリオを膨らませて、ハードボイルドを極めた名作となった。

DRAGON QUEST -ダイの大冒険-
(2020年版)
かつてあったTBS放送版は残念ながら番組構成の煽りで打ち切りになったが、こちらは全100話で無事原作最後まで完結。
土曜朝と言う放送時間もあって、(反面原作の過剰なグロ描写やセクハラ展開は殆ど削られたが)アーケードゲームや関連商品含め新規の子供達にもばっちり好評を得た。
製作陣に原作ファンが大勢いた為「愛あるリメイク」と無事往年の読者にも受け、後日談の小説や前日談まで発刊したりと
歴代ジャンプ作品のリバイバルブームにおける火付け役とも言える。
また主人公ダイ役の種﨑敦美女史の知名度を上げた出世作でもあり、見事近年における有名な声優になった。


〈アニメ化失敗例〉

キャプテン翼(J以降、特に平成14年版)
放送期間を考慮せず原作を追おうと無茶振りをした上に現実のサッカーとの整合性などという相容れない事情を無理矢理考慮したため、とにかく主要な話をカットしすぎ、サッカー描写が悪い意味で常人すぎ。
立花兄弟は主たる被害者であり、現実でルール違反だからという理由で技をばっさり切り落とされた。
その上平成14年版では 翼がブラジルに行く夢・予定を持っておらず 、物語の目的すらない状態でただ惰性のごとく普通のサッカーをするだけという最悪のアレンジとなった。
さすがに原作を追うのは無理と判断したためか、平成30年版は舞台設定そのものをリメイクして無難な出来となった。

まもって守護月天!
ハートフルコメディから一転して、単に騒がしくなり、キャラ描写が原作と違ったりと、原作ファンから顰蹙を買う。
そのこともあってか、テレビ朝日土曜18時のアニメ枠は終了した。
尚、スタッフは反省したらしく、後に制作されたOVAでは原作の雰囲気を出している。

魔法先生ネギま!
1期は作画崩壊に加えヒロイン火葬という誰得オリジナル展開に。

キミキス
主人公分裂、誰得サックス投入。しかしそのサックスにすら同情してしまうほど主人公がやらかす。出演者から総叩き。

SHUFFLE!
空鍋。原作の『ドロドロした展開はなく、ヒロイン達は皆仲が良い』というコンセプトをガン無視。
その対極をゆくヒロイン同士の確執・奇行まみれのドロドロアニメになるなんて誰が想像出来ただろうか。
原作ファン、特に楓好きにとって黒歴史そのもの。

かりん
ヴァンパイアハンターだのBL男子校だのを描き、原作の良さを台無しに。

機神咆吼デモンベイン
ニトロプラスから発売されたPC用18禁ソフト『斬魔大聖デモンベイン』並びにPS2移植版『機神咆吼デモンベイン』のアニメ化作品。全12話と言う短さ故に一部シナリオやキャラクターが原作から多くカットされた上、スケジュールの逼迫等が災いして作画やCGの質も良いとは言えずファンからは非常に評判が悪い出来であり、一つの作品としても完成度があまり良くないことから、原作ファンはおろか制作会社のニトロプラスからも黒歴史扱いされることがある。
特に原作では主要人物の一人で、OPやEDに登場し第1話にもシルエットが出ているメタトロン(と何故かEDにしか出ないサンダルフォン)が、第2話以降は存在をなかったことにされたところがネタにされていた。
しかし、アニメ版が『スーパーロボット大戦UX』への参戦のきっかけとなった事を考えると皮肉な結果ではある。裏を返せば作品の出来がどうあれ、一度アニメ化されればスパロボ参戦へのハードルが下がる裏付けにもなったと言える。

裏世界ピクニック
原作者が脚本に参加していたものの、原作自体アニメ化に向いていなかったのか……。

RAIL WARS!
原作で鍵を握る敵組織が登場しなかったり、肝心要の鉄道描写が微妙な割に原作ではさほどプッシュしていなかったお色気描写に力が入っていたり、話の構成がダメダメなど原作の良さをとことんスポイルしてしまった結果、失敗。

極黒のブリュンヒルデ
序盤は割と良かったのだが、中盤以降の展開が駆け足気味となってしまった。

ドラゴンクエスト ユア・ストーリー
DQ5を基にしたアニメ映画で、丁寧に作られていた…はずだったのだが、最後の最後に文字通り「世界滅亡」レベルの核地雷が埋め込まれていた。
主人公の名前「リュカ」についても、それを最初に世に広めた小説版の作者には無断だったことが判明し物議を醸している。

EX-ARMエクスアーム
アニメ制作経験がない制作会社・スタッフが担当したせいで、TVアニメとは思えない程の3DCGのクオリティの低さで注目を集めることに。原作の売りであった画力の高さやお色気・グロテスクな要素が悉く消え失せてしまった。
ストーリーも大きくカット・改変されている(物語の元凶であるキャラクターが登場せず、その役目が主人公の仲間に充てられるなど)が、それ以上に作画のインパクトが強すぎて、視聴者の間でストーリーについて語られることは殆どなかった。
とどめに連載中だった原作の新章もアニメ放送中に打ち切られる羽目に。



〈賛否両論例〉


チェンソーマン
原作からして話題作であり、注目のアニメとして期待を寄せられていたが、クセの強いBGMや声優の演技がミスマッチとされ、更に印象的なシーンの台詞やカメラワークが改変されるなど、絶対に認めないとする原作ファンとこれはこれはありだとする新規の間で評価が二分される自体に。
加えて監督の過去の発言や、豪華なアーティストを揃えた週変わりEDというチャレンジ精神((アーティストを使い捨ての客寄せパンダにしているようで失礼だという意見や、このせいで予算が無くなって2期が作れなくなったのではないかという指摘があった。))などが批判の的にされ、一部界隈では皮肉にも悪い意味で注目を集めるアニメに。今の時代ではあり得ない程円盤売上を理由に失敗と煽る声も多かった。
一方で、上述した独特な演出を称賛する意見も多く、更に改変にゴーサインを出したのは原作者であり、Twitterでアニメを賞賛していた。
加えて、円盤売上こそ振るわなかったものの総合的な売上面では黒字との事((現在は配信なども普及しているため、円盤の売上だけで作品の成功の可否を語れるものではない。))。
また、米津玄師氏が担当したOP「KICK BACK」は原作愛が込められている・原作理解度が高いと大好評。

ハーメルンのバイオリン弾き
音楽に力を入れた結果演出もあったが紙芝居状態・原作のギャグ要素を徹底的に排除しドロドロな鬱展開でスポンサーが離れる結果に。ただひとつの作品としての完成度は決して悪くなく、鬱アニメとしては高く評価する声も多い。 

鋼の錬金術師
原作準拠の二期と異なり旧アニメ版は原作ストックの無さから途中でオリジナル展開+設定改変が多かったが、コンテンツの人気の上昇の立役者となった。

無責任艦長タイラー
富士見ファンタジア文庫最初期のメディアミックス例なのだが、なんと最低限の設定だけ残してキャラクターデザインを総入れ替えし各種他設定も色々と変更、ストーリーの後半を大きく変更するというダイナミックな改定を実施。
まあ地味顔過ぎる主人公タイラーとか、そんな主人公を愛犬の様に慕う事になる敵国のロリ女帝のビキニ衣装等がテレビ放送で一般受けするか?放送出来るかと言われると考えてしまうが…
作者もそれ以前のメディア化であるカセット文庫版のキャストが気に入っていた事もあり色々と不満はあったようだが、なんだかんだと何とか受け入れた様で、その後原作の続編でイラストレーターをアニメ版の人に変えたり、
タイラーの曾孫世代を描いた『無責任三国志』でアニメ版主人公顔似のキャラをメインにしたり、原作者最晩年の作品『無責任ギャラクシー☆タイラー』で「タイラーのアニメ版顔似な子孫」な主人公が「タイラーの原作顔似な子孫」と対峙する等原作サイドにも色々と影響を及ぼす事になる。

クロノクルセイド
原作にはない宗教要素を追加し終盤は鬱展開に。ただ海外では高く評価され泣けるアニメの代表作の一つとしてしばしば挙げられている。

生徒会の一存
「メディアの違いを理解せよ!」はアニメオリジナル。ギャグに振り切った内容で原作ファンからは賛否分かれたが売上的には成功した。ただ二期は...

ロミオ×ジュリエット
シェイクスピアの古典を原作にしているがほぼ別物のファンタジー作品に。

中間管理録トネガワ
内容自体は若干の脚色などはあれども原作に忠実であったが、ナレーションが「でしゃばりすぎ」「不快」と原作ファンから多くの不評を買ってしまった。
元々シリアスなギャグを売りにした本作だが、バラエティ番組のようなハイテンションやわざと笑わせようとする演技が作品に合っておらず空回りしてしまう。
(同アニメ制作会社の『アカギ』や『賭博黙示録カイジ』でもナレーションは存在したものの、作品の雰囲気に合った演技でこちらは好評だった)
また途中で1日外出録ハンチョウのエピソードが番外編として差し込まれたが「中途半端にアニメ化すると単独でのアニメ化がし辛くなるのではないか?」とこちらも内容自体は良かったが疑問を抱かれている。


〈その他〉

表現規制の問題や肖像権等の問題から、原作では許されていたエピソードやキャラクターのビジュアルが、全く違うものに差し替えられる事がしばしばある。
以下代表例を表記。


自主規制による変更

魁!!男塾
右翼・軍国主義的描写はカット、それらを象徴するような教官連中の服装・個性は殆ど別物に変換された。
男塾特有の過剰な日本人らしさは大和魂・武士道精神などといった原作でも描写されかつ特に問題にされないような方面で演出されている。
また80年代当時から動物虐待に関しては厳しかったらしく、富樫源次が切腹するフリをして腹に仕込んだ猫を切ったり、ある意味男塾名物である「酸や溶岩に生きた動物をドボン」なシーンはカットされた。ただし劇場版では愛馬を見殺しにする悪役が登場した。

ジョジョの奇妙な冒険(テレビアニメシリーズ)
焼却炉から飛び出すダニータルカスの人間雑巾絞り、DIOに命じられるままに歩道を車で爆走し無実の人を轢きまくるウィルソン・フィリップス上院議員など、カットされた残虐シーン多数。
また各シーンごとではなく全体的な面で言えば、体の各部位の切断面が真っ黒に塗りつぶされた。
残虐表現とは別方面では、承太郎の喫煙シーンではは煙草の先が黒く塗られたりシュトロハイムのナチス式敬礼も指先が黒塗りされた。
深夜アニメにもかかわらず現在では原作連載当時の描写ができなくなっていることを如実に表している。
ただし4部以降は人間煮凝りがカットされなかったり、原作にはない惨殺場面が追加されたりと、もしかしたら規制が緩和されていっているのかもしれない。
また動物への暴力・殺生描写は上記の男塾と異なり、先述のダニーのような一部を除き原作再現されたため、
悪人の残虐さの強調・害獣駆除・突発的ななら問題はなく、あくまで「悪人でない者が意図的に動物を粗略に扱うこと」が問題かと思われる。

幽☆遊☆白書
原作では未成年者の喫煙・飲酒・賭博のシーンが描かれたが、アニメ版ではカットされるが、年齢を変更することで可能とした。

金田一少年の事件簿
原作では、人体切断やバラバラ死体が多いが、アニメ版ではスタッフの「殺人事件を描いていく過程で感覚が麻痺しないように」という理由から、トリックに影響のない切断描写をカットしたり、死体のシーンも一部分だけを描くといった規制が成された。
薔薇十字館殺人事件』等ではトリックを丸々変更するといった配慮がなされた事もある。
その事件では字幕で犯人を[[ネタバレ]]するという別の問題が生じていたが。

ONE PIECE
ある片足の登場人物の「子供に食料を全て与え、その飢えをしのぐ為に自分の足を潰して食べる」という過去が、「子供を助ける時に足を失った」というものに差し替えられた。
子供=サンジの思想に大きく関係するエピソードだが、小さな子供も観るTVアニメという媒体で放映するにはあまりにもショッキングな内容の為、原作者直々に変更を依頼した。
ちなみにNetflixで配信された実写版はレーティング指定されており問題無いと判断したのか、こちらは原作再現されている。

HUNTER×HUNTER
1999年フジテレビ版の作品中盤において、原作では隻腕や半身不随など障害を負った格闘家が数名登場するが、全て差し替えられた。
障害者の表現はアニメにおける非常にデリケートな問題で(障害自体がテーマである作品以外は)ほぼ変更されると言っても過言ではない。
だが、2011年の日本テレビによるリメイク版では放送コードが緩和されたのか、そのまま放送されている。なお、キメラ=アント編の後半からは放送時間が全日帯から深夜枠に変更されたが、原作における過激な表現をそのままの形でアニメ化するためだったのではという見方は根強い。

史上最強の弟子ケンイチ
黒目のない登場人物に黒目が書き足された。
盲目の漫画的表現としてのそれが変更される事はよくあるが、この人物の場合あくまで神秘性の表現であった為、過剰な自主規制といえる。
又、特定の技を発動した際に眼が変色する描写もカットされた。

浦安鉄筋家族(1回目)
実在人物をモデルにしたキャラクターの一部が変更されることに。
  • 国会議員:外見のモデルをアントニオ猪木からジョン・ウェインに変更。
  • 畑松五郎:名前を「牛松虎五郎」にし、唇をたらこ唇に。
  • ボギー愛子:オリジナルキャラクター「三途野川霊子」へ変更。こちらの変更理由は「モデルになったキャラクターが古すぎるから」というもの。
またウンコの色がピンク色になっていたり、基本全裸の花丸木の股間にモザイクが掛けられたりしている。

キン肉マン(漫画)
キンターマンの名前がクンターマンになる、ブロッケンJr.ミイラパッケージの身代わりにしたのが無実のレフェリーでなく元から骨で身代わりにしてもダメージが無さそうなキン骨マンに変更されるなど、アニメ化らしく全体的にマイルドになってるが以下の事例は「どうしてこうなった」と言われる変更点として、アニヲタ界隈でよく挙げられる。
アニメ化に当たって人体切断表現を避けようと気を使い過ぎた結果斜め上に飛んで行ってしまい、却ってより残虐になってしまったという古今例をみない事例である。
原作でも確かに残虐表現だったがどちらの切断描写も「千切れた粘土のように」と表現したように、そこまでグロテスクではなかったからなおさらである。
まぁラーメンマンに関しては子供向けにコミカルしようとした結果と思えなくもないが、ウルフマンの方は何故無駄にリアルにしたと言わざるを得ない・・・。

苺ましまろ
飲酒・喫煙等の未成年の禁止行為への配慮から、伊藤伸恵が16歳の高校1年生から20歳の短大生に変更された。

ケロロ軍曹
ポコペン(地球人以外の地球の呼称)が放送禁止用語であるため、ペコポンに変更された。

絶体絶命でんぢゃらすじーさん
じーさんの作った校歌が流石にまずかったため、アニメでは別の歌に変更された。

ボボボーボ・ボーボボ
ゴールデンタイムに放送されたため、無駄に多い吐血などの残酷シーン、ソフトンやサービスマンなどの下ネタ、多種多様なパロディ、その他食べ物を粗末にする描写や飲酒喫煙などの不適切な演出に大分規制が入った。ただし、常人には理解が追いつかないハジケっぷりはほぼ原作通りである。そのため、「こんなの見たら頭おかしくなる」というごもっともな苦情が殺到。

封印作品

作品としての評価はともかく、権利関係や問題ある表現があり、視聴が困難になっている物。
詳細は封印作品へ。

ジョジョの奇妙な冒険(OVA版)
原作との相違点は多いものの、概ね許容範囲というのが内容自体の評価ではあるが、
原作ではページ内が描かれていないDIOが呼んでいる本の中身をエジプトの資料を元に書き込んだところ
それがイスラム教の聖典コーランであったため海外で問題視された。


実名表記の変更

空手バカ一代
原作の主人公は原作者梶原一騎と交友関係のあった空手家大山倍達と彼の開いた「極真会館」の若者達だったのだが、アニメ版では「飛鳥拳」という架空キャラの遍歴物語に変更。
ちなみに梶原作品では『巨人の星』・『タイガーマスク』にも実在人物が登場したが、そっちのアニメ版では実名のままアニメに登場している。

毎日かあさん
原作ではそのまま「原作者一家」だった主人公家族が架空家族に変更。
それに伴い原作前半の大事件である「とうさんとの離婚~死別」や実名人物の登場がカットされた(とうさん絡みの話は実写版でフォローされた)。
まあそのまま実在人物を出していたら地上波で流すのに少々問題が出ていたかもしれない(某整形外科医に励まされる主人公とか、とうさんの過去話が非業の死を遂げたジャーナリストのこぼれ話になる等)。

キャプテン翼
J及び平成14年版において、球団名などをもじったものに変更。
  • サンパウロFC→サンパスFC(J)、ブランコス(平14)
  • セリエA→セリスA(J)、イタリア1部リーグ(平14)
  • インテル→インテーナ(J)
  • ハンブルガーSV→グリュンバルド(平14)
  • バイエルン・ミュンヘン→ロードブルグ(平14)
  • FCバルセロナ→カタルーニャ(平14)

あの作品この作品のアニメ化が気になる方は追記・修正よろしく。

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最終更新:2024年12月17日 10:24

*1 例:原作が数十話かつ連載途中であるにも関わらずアニメ化

*2 一枚絵で美麗な絵を表示できるエロゲやラノベの挿絵、漫画に対して、アニメは動くことを前提とした絵にする必要があるため、多少の変更はやむを得ないのだが、あまりにも違いがあるとやり玉に上げられる。