シン・仮面ライダー

登録日:2023/09/16 Sat 18:15:47
更新日:2025/01/03 Fri 21:49:37
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       わるモノ。
わ     
ら     
な     
い     
モ     
  ノ。    


そして、えたくないモノ。







生誕50周年企画作品

シン・仮面ライダー






『シン・仮面ライダー』とは、2023年3月18日に公開された仮面ライダーシリーズの劇場映画作品である。
アニメ版『風都探偵』とAmazon Prime Videoオリジナルドラマ『仮面ライダーBLACK SUN』同様、シリーズ生誕50周年企画作品の一つとして製作された。
なお、タイトルこそ似ているが『真・仮面ライダー 序章』との関係はない。


概要


本作は1971年から2年間、毎日放送系列で放送されていた東映製作の特撮テレビドラマ『仮面ライダー』を1本の映画として再構成・再解釈した作品である。
そういった意味では、2005年に公開された『仮面ライダー THE FIRST』とコンセプトが似通った作品と言える。

監督・脚本はアニメシリーズ『新世紀エヴァンゲリオン』並びに映画『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズ、実写特撮映画『シン・ゴジラ』の総監督を務め、さらに本作と同時進行で『シン・ウルトラマン』の総監修を務めていた庵野秀明
庵野が手掛けた『シン・ゴジラ』『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』『シン・ウルトラマン』のタイトル法則から、「シン・シリーズ」の4作目とも数えられている。
他、「監督」の名のつく役職には准監督として尾上克郎、副監督として轟木一騎が名を連ねている。
なお、巨大特撮シーンがないためか、実写「シン・シリーズ」2作で庵野と組んだ樋口真嗣は本作には携わっていない*1
音楽はこれまで庵野と組んでいた鷺巣詩郎に代わって、『天元突破グレンラガン』や『文豪ストレイドッグス』『劇場版シティーハンター <新宿プライベート・アイズ>』等のアニメ作品を手掛けた岩崎琢が務めた。
また、企画・プロデュースとして『孤狼の血』シリーズや『恐怖の村』シリーズなどを手掛けた紀伊宗之、
エグゼクティブプロデューサーとして平成仮面ライダーシリーズスーパー戦隊シリーズでもお馴染みの白倉伸一郎が参加している。

今作までに庵野氏が手掛けた『シン・ゴジラ』及び『シン・ウルトラマン』は、「特撮作品の現代日本におけるシミュレーション」……
つまり「現代日本に巨大不明生物ないし禍威獣外星人が出現したら」をコンセプトとして製作されているが、今作は製作方針が上記2作とは大きく異なっている。
それは「可能な限り原典である特撮テレビドラマを自己流に解釈し直し、現代技術を用いて再現すること」
よって、今作では現代風にアレンジされた秘密結社「SHOCKER」及び主人公の属する「アンチSHOCKER同盟」は形こそ硬派なタッチで描かれているが、
現実に存在する組織はほとんど登場しておらず、あくまで原典となる初代『仮面ライダー』と同様のフィクションラインで製作されている。

そして、本作の何よりの特徴は東映作品のみならず、特撮作品ではお馴染みであるスーツアクター/アクトレスを可能な限り起用せず、変身前を演じる俳優本人にスーツを着せ、変身後の特撮シーンも演じさせている点である。
無論、全部が全部俳優本人が演じているわけではなく、一部はスタントマンの起用やCGで制作されたシーンもあるが、
基本的には劇中で素顔を晒していないキャラクターを除けば、スーツを着てアクションをするのは変身前・人間態を演じた俳優本人である。

また、登場人物の心情描写が多いのも特徴であり、庵野作品特有の細かいカット割と早口による長台詞と相まって、一瞬でも何かに気を取られているだけで、圧倒的情報量について行けなくなるかもしれない。
それ以外では(主に序盤が顕著だが)戦闘シーンにおいて多量の出血描写が含まれており、これによって『仮面ライダー THE NEXT』以来となるPG12指定を受けている。

ちなみに、それだけの情報量を詰め込んでいる本作だが、これでも「撮影はしたが本編では使われなかった」シーンが多く存在し、制作の舞台裏を撮影したドキュメント番組では明らかに本編にないシーンの撮影風景がいくつか見られる。
俳優陣も「ある程度はカットされるだろう」という思いがあったのか、主演の池松氏が「カットされるでしょ?」とボヤく場面もあった。

こうした庵野氏の「シン・シリーズ」3作とも、平成・令和仮面ライダーシリーズとも大きく異なる作風には様々な意見が寄せられ、かなりの賛否が分かれた。
しかし、「異形と化した人間の悲哀」は存分に描けていると言え、石ノ森章太郎の萬画『仮面ライダー』の空気感を忠実に再現しており、そうした意味では評価は高い。

作品の賛否両論やPG12指定の影響なのか日本での最終興行収入成績は23.4億円と、これまでの「シン・シリーズ」と比べて低くなったが、それでも仮面ライダー映画作品では2009年の『劇場版 仮面ライダーディケイド オールライダー対大ショッカー』の19億円を上回っている。
他方、海外では短期上映ではあるが、中々の高評価を得ている。

2023年7月21日よりAmazon Prime Videoにて見放題配信が開始された。

2024年4月22日、同年11月20日にBlu-ray / DVD / 4K ULTRA HD Blu-rayが発売される事が発表された。
販売形態は
  • 本編のみが収録された通常版(税込5,500円)
  • 「撮影地情報字幕スーパー」表示オプションを搭載した本編Blu-rayに加えて、メイキングや未使用シーン、さらに新撮シーンも追加された本編の各話フォーマット版(全5話)などの映像特典が収録された特典Blu-ray2枚とブックレットを同梱した初回限定版(税込13,200円)
  • 初回限定版に4K ULTRA HD Blu-ray版の本編ディスクと限定グッズが付属する完全受注限定版(税込29,700円)
  • 完全受注限定版にさらなる特典が付属する、Amazon.co.jp及びキングレコードでのみ受注発売される完全受注限定版(Amazon / キングレコードver、税込51,700円!)
の4種類。ただし、DVD版は通常版のみの発売となるため、注意されたし。


ストーリー


男、本郷猛は見知らぬ施設で目が覚め、気がつくと謎の女の手引きを受けてその施設から脱走した。
直後、謎の組織に2人は追い詰められるが、女に言われるがまま本郷は被っていたマスクと装着していたベルトの力で異形の超人へと変身し、衝動のまま追手を殺戮する。
やがて行き着いた山小屋で、女・緑川ルリ子とその父・緑川博士と対面した本郷は、自分が秘密組織「SHOCKER」の手により改造された超人=オーグメントの一体である「バッタオーグ」となったのだと説明される。
混乱も収まらぬまま、奇襲してきたSHOCKERの幹部・クモオーグにより緑川博士は殺され、ルリ子は拉致される。
ルリ子を救出するため改造オートバイ・サイクロン号を駆る本郷。
そして、対峙したクモオーグに「バッタオーグ」と呼びかけられた本郷は名乗る。


違う。僕の名は、ライダー。……“仮面ライダー”と名乗らせてもらう!


こうして、改造人間・仮面ライダー=本郷猛と緑川ルリ子の、SHOCKERに対する終わりなき戦いの日々が幕を開けた。


登場人物


主要人物

演:池松壮亮
本作の主人公の一人。
ルリ子曰く「頭脳明晰、スポーツ万能なれど所謂コミュ障」。
それ故に孤独な生活を送ってはいたが、他人への思いやりに満ちた心優しい青年。
幼い頃、警察官だった父親を理不尽な事件で失い、自らの無力に対する絶望を抱え続け、そこを緑川博士に見込まれ(といっても、本人の同意を得ずに)超人・バッタオーグに改造される。
そして、打倒SHOCKERの計画のために緑川博士とその娘ルリ子の手引きでSHOCKERを脱走。
殺されゆく緑川博士の「ルリ子を頼む」という遺志を継ぎ、ルリ子を守りながらSHOCKERと戦う決意をする。
当初はマスクの影響で掻き立てられた闘争本能に抗えず、破壊行為を繰り返す自分に嫌気が差していたが、徐々に本能を抑えられるようになった。
趣味はバイク旅。基本野宿らしく、キャンプ飯はお手の物である。
ちなみに本郷を演じた池松壮亮氏は、『仮面ライダークウガ』で五代雄介を演じたオダギリジョー氏と彼自身が脚本・演出も務めたドラマ『オリバーな犬、(Gosh!!)コノヤロウ』で警察犬が犬着ぐるみオダギリジョーに見える主役及び共演経験がある。
また特撮作品への参加は初主演映画『鉄人28号』(2005年)についで2作目となる。

  • 緑川ルリ子
演:浜辺美波
本作のヒロインにして2人目の主人公。
緑川博士の娘で彼の協力者。しかし、実際は博士の生体データを基にして生み出された「生体情報演算装置」であり、SHOCKERの人造人間である。
「私は常に用意周到なの」がモットーの完璧主義者であり、作戦を繰り出すに当たっては次の更に次の手を用意している。
緑川博士に協力してはいるが、非道な改造手術を行った上で本郷に自分の計画を手伝わせる矛盾を「エゴ」と断言しており、人間としては彼を軽蔑している。
一見すると合理主義的でクール一辺倒にも思えるが、(遺伝子上とはいえ)「父」と「兄」、そして組織で共に育った「友人」に対して感情的な一面を抱いてもいる。
当初は本質的に優しい本郷を戦士として不適格と思っていたが、その優しさが戦う覚悟に繋がり、信頼し合うパートナーとなる。

演:柄本佑
本作の3人目の主人公。
「人間の悪を暴く」事を目指すジャーナリストだったが、自らの絶望によりSHOCKERに改造を受け2人目のバッタオーグとなった。
イチロー曰く「ちょいとカスタムした強化型」であり、実際にその膂力は本郷を凌ぐほか、風のない場所でも変身が可能など、随所でアップグレードが施されている。
「自分の心がスッキリする」ことをモチベーションにしている、自分に対して素直な性格。
その精神力は鋼の一言に尽き、洗脳されてSHOCKERに忠誠を誓い、闘争本能のままに戦っていた中でも、本心では本郷のスタンスに好感を抱いていたレベル。
そしてルリ子の情報演算能力で洗脳を解かれ、彼女のためにもSHOCKERを裏切ることになる。
反面、良くも悪くも個人主義的な側面を持ち、それ故に最初は本郷の助けは断っていたが……
ちなみに演じている柄本佑氏は『仮面ライダー龍騎』で神崎沙奈子を演じた故・角替和枝氏の息子であり、また『クウガ』の大ファンでもある。
劇中での一文字のサムズアップシーンは彼のアドリブである。


SHOCKER(ショッカー)

人工知能「アイ」が運営する秘密組織。
正式名称は「Sustainable Happiness Organization with Computational Knowledge Embeded Remodeling(電子演算知識を組み込んだ改造による持続可能な幸福の組織)」。

名前の通り、目的は「人類の幸福」
その具体的手法は「世界で少数派の、最も深い絶望を抱えた人間を幸福にする」事。
これは創設者の意向をもとにアイが「最大多数の最大幸福」ではなく、「偏った嗜好・思想を持つが故に常人ならざる絶望を持つ人間」を救済する、その行動プランこそが人類の目指すべき幸福であるという結論を得たため。

救済といっても現実との折り合いをつけるといった生易しいものではなく、彼らが持つ世間一般の常識・倫理から逸脱した欲求……殺人や他者の隷属などを満たすことの技術・金銭的支援。
いわば異常なエゴの全肯定であり、その過程で多数派の感性を持つ一般人の犠牲を容認する。
結果、幸福追求という善意の下で大勢の人間に不幸をもたらすという、絶大な矛盾を抱えた非道の組織と化している。
詳細は個別項目を参照。


アンチSHOCKER同盟

  • 政府の男
演:竹野内豊
政府とルリ子の窓口役を買って出た政府関係者。
日々暗躍していたSHOCKERの存在を憂いており、ルリ子と本郷の身の安全の保証をする代わりに同盟を組むよう要求する。
主にSHOCKER幹部であるオーグメントの潜伏先の情報共有と戦力補給で2人を援護している。
ルリ子達の使命と2人の持つ優しさを個人的に尊重はするが、時として2人に出来ない非情な判断も下すことがある。


  • 情報機関の男
演:斎藤工
政府の男の補佐役を務める男。
ぶっきらぼうで無口だが、気遣いの出来る性格。
政府の男同様に汚れ役を進んで担っており、それ故にルリ子達には申し訳なく思っている。


その他の人物

  • 緑川弘
演:塚本晋也
SHOCKERの幹部で、天才的頭脳を持つ科学者。本郷の恩師にして今作の元凶でもある。和製版アーサー・ブレイク博士
オーグメント開発の責任者であり、タイフーンを駆使したオーグメント化とプラーナシステムを人類の幸福のためと信じて研究を進めた。
しかし、個人のエゴの為に大勢の犠牲を強いるSHOCKERの現状、そして息子・イチローが進めたハビタット計画に異を唱え、彼と決別。「娘」であるルリ子とSHOCKERからの離反を決意する。
そして自らの最高傑作として、潜在的に「力」を欲していた本郷を選び改造。洗脳前に脱走させて協力を求めるが、直後奇襲に来たクモオーグの手により殺害される。
最期に本郷にルリ子を頼んだ事が彼に使命感を宿らせた。
若かりし頃は彼もバイク乗りだったらしく、赤いマフラーを付けてバイクにまたがる写真が映されている。
結果的に本人も望んだとはいえ、事後承諾の形で本郷を改造して巻き込んだ様から某Z級映画の博士を思い出したという声も。

ちなみに演じた塚本氏は初劇場公開制作・出演映画となった『鉄男』で後に『THE NEXT』でシザースジャガーを演じる田口トモロヲ氏を主演に、氏が演じる主役を変容させる敵役を自ら演じており、円谷特撮『生物彗星WOO』でも最終的に自分をも改造する悪の科学者役を担当。
また、2018年には本郷役の池松氏主演の時代劇映画『斬、』も制作し共演。そして本作後、今度はイチロー役の森山氏を新作映画『ほかげ』の出演者の一人に選んでいる。
ついでに役者としても、かつて映画『殺し屋1』で本作出演者の内数人と共演していた。

  • イチローの母
演:市川実日子
緑川博士の妻。
一人息子のイチローとは仲睦まじい親子だったが、ある日通り魔強盗に襲われ死亡。
彼女の死はイチローに人間への絶望を与え、過激な思想に走らせることになる。

  • 本郷の父
演:仲村トオル
本郷猛の父親。職業は警察官。
正義感と優しさに溢れており、本郷の優しさは彼譲り。
偶然、連続通り魔犯が人質を取った現場に遭遇し、必死に犯人に説得を続けたが、逆上した犯人に刺され、息子の目の前で死亡してしまう。
最後まで犯人の身を案じていた彼の死は、本郷に自分の無力感を痛感させることとなった。

  • 通り魔
演:安田顕
本郷の父を死に追いやった連続通り魔犯。
本郷の父を刺した後、警官により射殺された。
ある意味本作の諸悪の根源にして、どこにでもある絶望の1つと言えなくもない。
ちなみに演者はかつて出演した『雅楽戦隊ホワイトストーンズ』(ナレーターが『仮面ライダー』と同じ中江真司氏)で、主人公の一人「本郷隆」を演じていた(一応こっちの「本郷」は地名由来だが)。


登場ライダー


  • 仮面ライダー
SHOCKERにおいての名称は「バッタオーグ」。緑川博士曰くオーグメンテーションプロジェクトの最高傑作。本郷猛が変身する。
胸部コンバーターラングに風を受け大気中のプラーナを送り込む事で、特殊なベルト「タイフーン」を稼働させると本郷の肉体が変化。
それに合わせてマスクが連動・変形することで「変身」する。
「仮面ライダー」の名はルリ子が本郷を「ヒーロー」と定義したことにより、本郷自身が名付けた。
なお、一文字が「仮面ライダー第2号」を名乗った事で「仮面ライダー第1号」と呼ばれる事もあるが、劇中での呼称はあくまで「仮面ライダー」。

装備は原典のように「変身に合わせてどこからともなく現れ着用」ではないので、脱着は自由。
防護服としての機能に加え、背中からプラーナをバッタの翅状に展開・放出させる事も可能。
本編中では上に黒のロングコートを羽織っているシーンが多数見られた。
防護服は着っぱなしだったためルリ子に「いい加減洗え」と突っ込まれた

戦闘は素手による徒手空拳だが、パンチやキックの一発一発で下級構成員を文字通り粉砕し、血祭りにあげるほどに強力。
その絵面はシリーズ定番の「パンチ力何トン、キック力何トンの設定を実際にやるとこうなる」と言わんばかりのもの。
特にバッタ由来の跳躍力は66.3mを誇り、そこから繰り出される飛び蹴り地面を揺るがし小さなクレーターを作り出す、まさに「必殺」の二文字が相応しい威力である。

ちなみに変身機構の都合上、劇中で「変身」と叫ぶシーンは無く、当然というかポーズも取らない*2
代わりに戦闘時は原典における旧1号編でしばしば披露された「ライダーファイト」の構えを取る。



  • 仮面ライダー第2号
第1バッタオーグの改良型「第2バッタオーグ」として開発された。一文字隼人が変身する。
変身のプロセス自体は本郷のそれと同じだが、改良型タイフーンは風を受けることなく変身可能。
パワーも第1号から格段に上がっているが、一方で機動力では第1号が勝る模様。
まさしく「力の2号」である。

初めて登場した際、何気に「変身」と口にし、実際に変身してのけている。
ただしこの時点では洗脳状態だったため、「仮面ライダー」としての変身口上は無い。
お馴染みのポーズは変身後の臨戦体制を示す、原典でいうところのライダーファイトの扱い。




アイテム


  • マスク
仮面ライダーが力を発揮するために頭に装着するヘルメット状の被り物。
装着者の生存本能を増幅させる機能が搭載されており、これを付けていると内なる破壊衝動に突き動かされてしまうが、本郷は徐々にそれを克服し、一文字は最初からある程度抑制できている。
その他、装着者のプラーナを意思として保存する事も可能。
ちなみに着脱の音は怪傑ズバットと同じ。

  • タイフーン
仮面ライダーに変身するためのベルト。体内に取り込んだプラーナを圧縮・変換し、変身や戦闘に必要なエネルギーを生み出す。
第1号は白帯の「プラーナ強制排出補助機構付初期型」で、変身には風を受けてプラーナを体内に取り込む必要がある。
また、ベルト右腰部のスイッチを押すことで体内のプラーナを排出し、身体を人間の姿に戻せる。
第2号は赤帯の「開閉式安全装置付初期改良型」で、変身者の体内空気で得られたプラーナを用いるため、風を受ける必要がなく、性能も初期型を大きく上回っている。
大量発生型相変異バッタオーグとK.K.オーグのタイフーンは黒帯の「プラーナ蓄積循環外部補助機構簡易タイフーン(量産型)」で、初期型をベースに量産のためプラーナの強制排出機構を始めとする不要な機能を廃止したもの。
加えてK.K.オーグの装備についてはエネルギーの循環の為に全身にパイプを巡らせる改修が施されている。

  • サイクロン号
バッタオーグ/仮面ライダーの操るオートバイ。
バッタオーグ(少なくとも本郷)はサイクロンとセットでの運用を前提とされている。
通常時はカウルのないネイキッドスタイルだが、左ハンドルのスイッチで変形が可能。
変形すると各部にカウルが現れ、原典の(旧)サイクロン号に近いフォルムとなる。
なお、変形後にマフラーのように見える6本のノズルは実際には加速用のブースター(排気用のマフラーは車体下部にベース車であるCB650Rのものがそのまま存在している)。
劇中では下方に向けることで車体ごと飛行するほどの推力を見せた。
仮面ライダー用と第2号用で外観が微妙に異なる(6本ノズルの色が本郷はブルー、一文字はシルバー)。
ベース車両は変形前がHONDA CB250R、変形後はCB650R。
劇中では「改造」オートバイと説明されているので、もしかすると市販の車両をSHOCKERが改造したものなのかもしれない。



用語集


  • オーグメント/人外合成型オーグメント
SHOCKERにより改造された超人であり、動物と人間の遺伝子が組み合わさって出来た存在。
殆どのオーグメントは活動時にメカニカルな仮面を被っているが、その下の容貌はまさしく動物と人間を混ぜ合わせたような異形となっている。
劇中でも一部のオーグメントが変身状態で素顔を晒す描写がある他、コウモリオーグは仮面を被らずに行動している。
劇中で昆虫などの節足動物をモデルとしたオーグメントが多いのは「世界で最も進化した存在」だからとのこと。
一方で植物は普通の動物とは異なる生態である関係上、文字通り植物状態で死亡してしまうためにオーグメント化は不可能となっている。

  • プラーナ
あらゆる生命が持つエネルギーで、「生命力」や「魂」のようなもの。人間の場合は精神や記憶もプラーナに内包されている。
オーグメントの生成にも密接に関わっており、彼らの圧倒的な力の源でもある。
緑川博士は大気中のプラーナを取り込む技術を開発する事で、食糧問題の解決や難病・重症の根治を目指していた。
しかし、ルリ子は「最終的にはプラーナの奪い合いになるだけ」と欺瞞を一蹴している。
事実、プラーナの摂取は「他の生命エネルギーを自らの糧とする」という、従来の食物摂取と比べれば手段が異なるだけで過程は何ら変わりはない以上、この指摘は必然と言える。
他方、『空想科学読本』では「風力なんぞとは比べ物にならないほどエネルギー効率がいい」「この世で唯一動けば動くほど消費どころか元気になる」と称賛されている。柳田氏が本作世界のSHOCKERにいなくて本当に良かった……

  • ハビタット世界
人間のプラーナを保存可能な空間として、イチローが提言した理論にして彼の最終目的。
全人類(SHOCKER構成員も含めた)のプラーナを取り出して送り込み、死も理不尽も無い世界を築き上げる、というもの。
だが、その実態はルリ子曰く「地獄」であり、人間の精神が嘘も真実も丸裸にされた、他人の恐怖に支配された世界。常人が到底耐えられるものではないという。
手っ取り早く言うと同監督アニメ人類補完計画が非常に近い。
元々はルリ子がイチローと共同で始めた計画だったが、途中でその危険性に気づいたルリ子は計画阻止のため組織を離脱した。

  • 赤いマフラー
ルリ子が定義した「ヒーローの象徴」。
彼女が本郷に与えたことで、彼は自分をヒーロー「仮面ライダー」として生きる事を決める。
同様に洗脳を解いた一文字にも彼女が与えた。


関連作品


  • 真の安らぎはこの世になく -シン・仮面ライダー SHOCKER SIDE-
本作の公開に先駆けて『週刊ヤングジャンプ』にて連載された漫画作品。漫画脚本は山田胡瓜、作画は藤村緋二がそれぞれ担当。
本作のラスボスである緑川イチローを主人公としたスピンオフ兼前日譚である第一部。そしてルリ子を主人公とした本編コミカライズとなる第二部の構成となっている。

  • しん・仮面ライダーだゾ
本作の公開と同日に放送された『クレヨンしんちゃん』とのコラボエピソード。
仮面ライダーシリーズとクレしんのコラボは『仮面ライダーフォーゼ』以来となるが、今までの仮面ライダーは平成関連だったので、昭和関連の仮面ライダーとのコラボは本作品が初。
こちらはシリアスな本編とは真逆のギャグ回であり、ネット上では本編との凄まじい温度差と封切り初日に観なかったファンに本編のちょっとしたネタバレを食らわせた事がネタにされた。

  • SD シン・仮面ライダー乱舞
公開から5日後の2023年3月23日に発売されたNintendo Switch・STEAM専用ベルトアクションゲーム。
SDライダーとしては『仮面ライダーゴースト ゲームでカイガン!!』以来の単独発売となる。
ライダー第1号を操ってSHOCKERをぶちのめす爽快アクションで、DLCでシン・ゴジラ、初号機、シン・ウルトラマンが使用可能となる。
この並びならガンダムも見たいと考えた人は多かろう
また、今作では映画では無かったシーンがあったり、やりこみ要素が多かったりと、ファンの“幸福”を満たしてくれるであろうかなりの良作なのでぜひプレイしてもらいたい。



追記するモノ。修正するモノ。
そして、荒らされたくないモノ。


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俺達はもう独りじゃない。いつも2人だ。2人でSHOCKERと戦おう。















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最終更新:2025年01月03日 21:49

*1 なお、樋口は仮面ライダーシリーズにおいては『BLACK SUN』でコンセプトビジュアルを担当した。

*2 『しん・仮面ライダーだゾ』においては、「事前に風を蓄えて変身」という形で、一文字と共にポーズと掛け声付きの変身を披露している。

*3 ただし、グローブとブーツは黒。側面のラインは新1号と同じ2本だが、裏側には生えてない

*4 デザイナーの山下いくと氏本人も、カラーのX(旧Twitter)公式アカウントが公表するまで新造だとは知らなかった模様。