スター・ウォーズ 帝国の影

登録日:2011/04/04 Mon 13:08:37
更新日:2024/10/03 Thu 22:39:08
所要時間:約 4 分で読めます




遠い昔、遥か彼方の銀河系で…

STAR WARS
Shadows of the Enpire


間違えるな!俺は味方だ!

概要

SF映画『STAR WARS』シリーズのスピンオフ作品群の一つ。
旧三部作の内、EP5「帝国の逆襲」とEP6「ジェダイの帰還」の中間点を描いた作品で、帝国に捕えられジャバ・ザ・ハットのもとに贈られるソロを救出しようとするというのがおおまかな筋。
いわゆるメディアミックスの形態をとっており、「帝国の影(シャドウズ・オブ・ジ・エンパイア)」というタイトルでコミック・小説・ゲームといった複数の作品が作られた。
ちなみにエピソード4の特別篇には、惑星「タトゥイーン」のモス・アイズリー宇宙港の上空を飛ぶ、主人公が駆る宇宙船「アウトライダー」が飛び立つCG追加されており、外伝作品としては珍しく本篇に影響を与えている。
その後、ディズニーによるルーカスアーツ買収の後、スターウォーズシリーズの設定が大幅整理される影響を受け、帝国の影は「レジェンズ」すなわち「非正史」扱いの設定となってしまった。
しかし、小説やコミックで語られるシナリオや設定の完成度が高く、EP5と6を綺麗に繋いでいることからファンからの評価も高い。そのため、帝国の影を「カノン」(正史)として扱ってほしい声も多い。

作品一つだけでは全体像が分からない作りになっており、例えば作中重要な立場を占めるはずのボバ・フェットが小説版では直接登場しない、小説版ではメインキャラのプリンス・シゾールがゲーム版では地味、など作品の全体構成はちょっと複雑な構造。

本項目では1996年に任天堂から発売されたNINTENDO64用ソフト、アクションシューティングゲームを中心に解説している。

この手のゲームにしては珍しく主人公も敵もほぼ射撃オンリーであり、ライトセーバーの類は使用しない。
ちなみにゲーム版の主人公は密輸業者のダッシュ・レンダーだが、小説版では地味目な脇役であり、むしろダッシュ以外のキャラクター達の視点で物語が進む。

N64で発売された初めてのスターウォーズであり、忠実に再現されたSEやBGMはファンの心をフォースグリップした。
しかしやたら難易度が高く、幼少期にうっかりフォースに導かれた子供達にはトラウマゲーとして扱われる事も…

ゲーム初めてすぐに映画では一回しか成功しなかったAT-ATにケーブル巻く作戦をやらされる事になると言えばその難易度も分かるだろうか。
仮にそこを抜けても次の面もまた鬼畜。基本ザコ枠なAT-STにボコられるゲームとは今で考えると相当レアである。

更に本作はやりこみ要素としてチャレンジポイントと呼ばれる隠しアイテムが存在する。これをすべて集めると「ゲームの秘密」と呼ばれる要素が解放される。
チャレンジポイントはステージのあらゆるところに隠されており、すぐ見つかるところに置かれていたり、ジェットパックで飛行しないといけないような高所などに置かれている。
ここまではまだ序の口で、場合によっては初見プレイじゃまずわからないような隠し扉や隠し通路に隠されている場合があり、コンプリートするのは至難の業と言えよう。隠し扉とかどこの某FPSだよ。
ステージによってはチャレンジポイントは敵を撃墜したスコアによって取得できる場合もある。

登場人物

反乱軍

  • ダッシュ・レンダー
貨物船アウトライダー号の船長で密輸業者の主人公。
射撃の名手だがフォースの類は使えない。
なんだかんだでハン・ソロの口回しによりローグ中隊へ入隊することから本編が始まる。
元はコルサントの名門の子弟だったが、兄が操縦する貨物船を墜落させた先が、皇帝専用の博物館を破壊してしまい、コルサントから追放させられたため、密輸業者に落ちぶれたという。
……実はその博物館とはシスやジェダイなどフォース関連の遺産を蒐集していたシディアスのコレクション倉庫で、それが台無しにされたため皇帝の怒りは半端なかったとか。怒るのも当然すぎるというか、よく一族皆殺しにされなかったもんである。

  • リーボ
ダッシュのパートナーのパイロットドロイド。
アウトライダーを操縦したり通信で解説してくれたり等、縁の下の力持ち。

おなじみコレリアの密輸業者。
PC版では描かれないがN64版ではカットシーンに登場し、本人の同意なしに勝手にダッシュをローグ中隊に加入させる。
エコー基地からの脱出では、ミレニアムファルコンで離陸していく姿が見られる。

おなじみ主人公。
ヴェイダーを邪魔しようとするシゾールの妨害工作によって暗殺者を派遣される。
EP6でジャバの宮殿に向かう前にスピーダーバイクに乗った無法者に襲われかけるが、ダッシュの決死の追撃で殺されずに済んだ。

銀河帝国軍&犯罪組織ブラックサン


  • プリンス・シゾール
本作の黒幕。
表向きはシゾール輸送システム社の社長だが、裏の顔は銀河一の大犯罪組織「ブラック・サン」の首領。こっち見んな。
N64版では基本ゲームオーバー中の緑色の顔だけしか映らないのでわかり辛いが、爬虫類系の種族。ただしボスクらと比較するとわりと人間的。

直接戦うことはないため印象は無いに等しい。

おなじみザコ兵士。
崖や列車から突き落とされたり、ワンパと同じ部屋に閉じ込められたりと毎ステージ碌な目に逢わない。
オードマンテルなどではわざわざ新録された「ウィルヘルムの叫び」を聴くことができる。

  • AT-AT
ステージ1ボス。
ゲームに慣れない子供達を絶望へと叩き込んだ凶悪四足歩行兵器。
本作を遊べばAT-ATの兵器としての素晴らしさを味わえること間違いなし。

原作通りにワイヤーを巻いて倒すのが正規攻略法だが、固い胴体か弱点の顔部分にレーザーを撃ち込んで直接削りきることもできる。しかし熾烈な対空砲火で撃ち落とされることも多く、どちらも一筋縄ではいかない。

  • AT−ST
ステージ2ボス
2足歩行兵器。ダッシュと数ステージに渡って戦う永遠のライバル。一応中ボスポジションに付いているが、壁越しにチマチマと頭を狙うだけで倒せる。

ステージ4ボス。
帝国軍に雇われたアサシンドロイドで、ボバ・フェットを追いかけていたところをホバートレインで突っ込んできたダッシュと遭遇する。
トラウマキャラ筆頭だが、実は後退撃ちがラクなPC版では容易にハメ殺せる。

ステージ5ボス。
おなじみマンダロリアンアーマーの賞金稼ぎで、ハン・ソロ輸送中にダッシュと遭遇する。
詳しくは個別項目。

  • ローダードロイド
ステージ7ボス。
ワーカードロイドの一種で、荷運びを行う個体。
ダッシュに向かって腕を伸ばして襲い掛かるが、大量のミサイルを携行する彼の敵ではなかった。

  • グラディエータードロイド
ステージ9ボス。
ドロイドを大量保有するシゾール宮殿の中でもひときわ際立つコレクション。
3段階あり、長丁場を切り抜けたプレイヤーを苦しめる。

クリーチャー

  • ワンパ
雪男みたいな生物。
ワンパは友達。味方同士殺しあう可愛いやつ。
普通ホスにいるはずだが、なぜかオード・マンテルの山岳地帯にもいる。

タトゥイーンに複数存在する巨大地中生物。
落ちると即死するトラップとして配置されている。

  • ダイアノーガ
デススターのゴミ処理場にもいた触手生物。
本作では水中に潜ることもでき、巨大な口のある中枢から大量の触手が伸びているおぞましい外見を見ることができる。
ボスとして変異した巨大な種も登場する。


ステージ紹介

第1章:ホスの戦い

帝国の大軍に包囲された惑星ホスの反乱軍本部基地。味方の脱出を支援するため、ダッシュはローグ中隊の一員として戦う事に。
戦闘機スノースピーダーに乗り戦う。味方は役に立たないので構わず殺せ。
ボスといったボスはいないが、あえて言うならAT-AT。原作通りトゥケーブルで転倒させるなり、栄光あれー!するなりして倒そう。
(どちらにせよチャレンジポイントの入手には転倒させる事が必須だけど)
ゲーム慣れしてない子供達はブラスターを連打してもぜんぜん削れないAT-ATで脱落する。

  • ステージ2:エコー基地からの脱出
友軍を脱出させることには成功したものの、停電したエコー基地に取り残されてしまったダッシュ。格納庫に留めてあるアウトライダーで脱出するには、まず基地の電源を復旧させなければならない。
2面の癖に下手なアクションゲームの中盤程度のボリュームがあるがこれでも序の口である。我らのワンパも大活躍。
ゲームにちょっと自信がある子も散々迷子になった挙句にAT-STとのタイマンを強いられ脱落する。

  • ステージ3:小惑星帯
ホスを離脱したアウトライダーだったが、帝国のTIEファイターとTIEボマーがしつこく追撃してくる。ハイパードライブの使えない小惑星から離脱するべく、操縦をリーボに任せてダッシュは砲塔に乗り込む。
シューティングステージ。小惑星帯を離脱するまでの一定時間生き延びればクリア。
ミサイルとレーザーを撃つだけの簡単なお仕事……のはず。だが難易度によって格差が激しい。
前2つと比べるとボーナスステージではあるが、そもそもここにたどり着け無ければ意味が無い。

第2章:ボバ・フェットを探して

  • ステージ4:オード・マンテルの廃品置き場
カーボン冷凍されたソロを攫った銀河一の賞金稼ぎボバ・フェット。ボバの居場所の手がかりを求め、ダッシュは惑星オード・マンテルへ潜り込んだ。
初見殺しでありみんなのトラウマ。レッツトレインサーフィン。
大抵の人は泥に沈むか蜂の巣にされてコントローラーを投げたとか投げないとか。
ボスは暗殺用ドロイドIG-88。気味悪い音を出し、こいつとの戦いはパルスキャノンの音とダッシュのうめき声が響き渡る…
ピュピュピュピュピュピュアッアッアッアッアッ ドゥン…!

  • ステージ5:ガルの宇宙港
IG-88を下し、ボバはザー星系に向かった事を聞き出したダッシュ。ボバは帝国にソロを引き渡すため帝国軍の衛星基地に向かうはずだと踏み、その前に突入を決行するのだった。
全ステージ一長い。その分我らのワンパやAT-STも大集合。
新装備のジェットパックで空を割と自由に飛べるようになるが、決して俺ツエーできる状況ではない。
思わぬ底無し奈落や上空に置かれていたりする、恐ろしく意地悪な場所に有るアイテムも…。
ボスはボバ・フェット。生身でも十分強いが、倒すとインチキして殺りにくる。難易度によっては無理ゲーになる。

第3章:暗殺者を撃退せよ

  • ステージ6:モス・アイズリーとベガーズ峡谷
ルークの懸賞金を狙い、ならず者集団「スウープ・ジョッキーズ」がルークの潜伏するオビ=ワン・ケノービの家に向かっている。何としても奴らより先にルークの元へ向かわねば。
射撃の無いレースステージ。スウープ・ジョッキーズより先にゴールへ到着するか、もしくは全員倒したうえでゴールすればクリア。
こんな連中にルークは倒せるはずはないとか言っちゃいけない。
どうでもいいがルークで勝てるか分からない奴等をダッシュ一人が片付けたことになる

  • ステージ7:帝国軍貨物船スプローサ
ルークから帝国軍の秘密兵器の情報を聞かされたダッシュ。その情報を入手するため、帝国軍の貨物船スプローサへ潜入する事となる。
ボスは帝国の秘密兵器ローダードロイド。秘密兵器なのは訳有りだからである。

第4章:暗黒のプリンスの隠れ家

  • ステージ8:インペリアル・シティーの下水道
銀河帝国の首都「コルサント」には犯罪組織ブラック・サン首領、シゾールの宮殿があった。警備の目をかいくぐるべく、ダッシュは下水道を通って潜入する事に。
みんなのトラウマ。どこからとも無く声が聞こえてきてとても怖い。
ボスは巨大ダイアノーガ。気持ち悪いので気分が悪くなる前に倒そう。

  • ステージ9:シゾールの宮殿
シゾールの宮殿への潜入に成功したダッシュ。シゾールの要塞スカイフックと宮殿の連絡通路に爆弾をセットし、切り離す作戦を開始する。
全体的に迷いやすいステージ。
ボスはジオングのようなグラディエータードロイド。三段階有り、倒すたびにパーツが減り最後は頭だけになる(なぜか途中でジェットパックが故障し回復しなくなってしまう。燃料切れたら二度と飛べなくなる)。
そこ、頭だけのほうが強いとか言わない

  • ステージ10:スカイフックの戦い
シゾールがスカイフックに逃げ込んだ。ローグ中隊、ミレニアム・ファルコンと共に、ブラック・サンと決着を着ける時だ。
最終ステージ。久しぶりのシューティング面でスカイフックをフルボッコにしよう。
後半はスター・デストロイヤーを引き連れてきたダース・ヴェイダーが第三勢力として参戦。敵の敵は味方、何てことは一切ないので動くものは全て倒せ。
通常使えるのはアウトライダーのみだが条件を満たすと…?
砲台を全て破壊すると内部に入るよう命令が下るがゲーム中で入るのはアウトライダーだけである。他のやつはやる気が無いのか?



最後はアウトライダーが爆発に巻き込まれるが…
ちゃうかぁ?

余談


  • 他ゲームとの関係
本作の進行状況を維持しての戻り復活が行われる残機制システムは、前年の1995年に発売された「スター・ウォーズ ダークフォース」のものを継承した結果。
レベルエディタ自体も「ダークフォース」「Outlaws」で使われたジェダイエンジンを改良したものを使用しており、武器の切り替え音や着地音といった効果音も流用されている。

逆に本作の翌年1997年に発売されたダークフォースの続編「スター・ウォーズ ジェダイナイト」では、本作で培われた3DFPS製作技術やAT-STモデル・効果音などの一部素材が流用されている。

  • PC版
現在はsteamなどから気軽に購入可能な1997年発売のPC版だが、N64版と比較するといくつかの違いが存在する。
カットシーンは全てフルボイスかつ3DCGとなっており、64版よりもビジュアルが豪華になっている。
操作性も向上しており、マウス操作でエイミングが行えるようになってかつ、キー配置も自由に変更が可能。
また、64版ではBGMが省略されていたが、PC版では長尺になっており、IG-88は喋るがハン・ソロは出てこないなど、微妙に差異が存在する。
なお、言語は英語版のみなので注意。

  • 正史?
上述の通り、本作はディズニー買収後はレジェンズに区分され、無かったことにされている数多のゲーム作品の一つ。
再編後は特に言及されることもない...のだが、実は 現在でも唯一YT-2400軽貨物船「アウトライダー号」のみ正史でも「本当に存在していた」と認められている

実は本作、同年の1997年に公開された「新たなる希望 特別編」と部分的にコラボしており、惑星タトゥイーンのモス・アイズリー宇宙港の追加映像シーンでは飛び立つアウトライダー号の姿が新規挿入されている。
そして、再編後の2018年に発表された書籍「YT-1300 ミレニアム・ファルコン オーナーズ・ワークショップ・マニュアル」でも、正史である特別編に登場したYT-2400軽貨物船がアウトライダー号であると正式に明言。これによりアウトライダー号の存在、そして恐らくはそのパイロットであるダッシュ・レンダーの存在も正史入りを果たすこととなった。





「船長、追記・修正はチャレンジポイントを集めながらお願いいたします。」

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最終更新:2024年10月03日 22:39