七の槍 サンダール

登録日:2020/06/20 Sat 17:22:00
更新日:2024/12/19 Thu 01:17:40
所要時間:約 11 分で読めます






忍び寄る新たな槍の影!

お前は!?

まさか!!

ジャカンジャの新しい…!!


巻之三十九

七の槍と謎の石


地球忍者大ピンチ!











ジャカンジャ暗黒七本槍!七の槍、サンダール参上!

地球の忍者達よ!貴様らと戦うのを楽しみにしていた!だが今のはほんのウォーミングアップ!


頼むから…ガッカリさせてくれるなよ!!


サンダールは『忍風戦隊ハリケンジャー』の登場人物である。

声:池田秀一


概要

終盤に加入した『宇宙忍群ジャカンジャ』の幹部・暗黒七本槍の最後の一人。
一人称は「私」

機械的な眼帯を付けたサメを模した具足を身に付けた宇宙人で、いわゆる肉体の一部をサイバネ化しているタイプの忍者
イロモノが多いジャカンジャの中ではオーソドックス気味な忍者だが、上位の存在ということで装束や武装は軍師や武士のそれをイメージしており、鉄扇を携え大太刀を背負った堂々とした佇まいが特徴。

配下は鉄扇内に飼っている忍法を体得した凶暴な宇宙生物扇忍獣(せんにんじゅう)


人物

表向きは冷静沈着でいて仲間を「同志」と呼び、丁寧な態度で接する武人気質な優等生といった雰囲気。
初対面のメンバー(サーガイン以外)にも早期に受け入れられている。
誰であれどこかコミカルな一面を持っているジャカンジャの面々の中では異色な
徹頭徹尾シリアスなキャラクターで強そうなデザインや声も相まってパッと見た限りでは大層かっこいい。

……しかし本性は極めて狡猾な野心家であり冷酷な策士
他者は一切信用せず使い捨てて当たり前としか思っていない冷血漢で、上記の仲間思いのような言動や態度も組織内での自分のポジションを安定させ、仲間の信頼を勝ち取りいいように利用するための演技にすぎない。

同時に自分を取り巻くあらゆる者をすべて見下す傲慢さにも染まっており、
それらを過小評価し侮るあまり、いい具合になりすましていたのにどうでもいいところで割とぽろっとボロを出してしまうのが欠点。

最終的にタウ・ザントに対して下克上を目論んだが、こうなった最大の要因はタウ・ザントが
自分の目的の為にサタラクラを捨て駒にした事である。
この作戦、元々はサンダールが作戦実行を志願していたが、サタラクラが割り込んだため
結果的にサタラクラが先に使い捨てにされて死ぬという結果に終わっており
これは「まかり間違えば自分が捨て駒にされていた」という、皮肉にも今まで周りを利用して
良い気になっていた自身も捨て駒の内であったというサンダールのプライドを叩き折るに相応しい出来事であった*1

シリアスかつ「死」がクローズアップされるハリケンジャー終盤の展開を代表するキャラクターであり、敵味方の陣営を問わず凄まじい数の人物を破滅に追いやっている脅威のキルレシオの保有者。


戦闘能力

名実共に暗黒七本槍最強の上忍。
背中のシュモクザメに似た形状の鞘に納刀した大太刀赦悪彗星刀(しゃあくすいせいとう)を主武装とし、ノコギリのようにギザギザの刃の付いた鉄扇や
着弾すると爆発する「鮫手裏剣」、拳から放つ破壊光線が武器。
鉄扇は短刀感覚で用いるほか、中には常時サンダールが仕込んだ扇忍獣が待機している。

その戦闘力は体術と剣術だけでハリケンジャー、ゴウライジャー、シュリケンジャーを手玉に取り、強力な忍法である「超忍法・影の舞」ですら真正面から打ち破る程で、他の七本槍とは文字通り格の違う強さを持つ。

しかしサンダールの真の恐ろしさは目的のためには手段を択ばぬ冷酷で卑劣な精神性
自分以外の他人を捨て駒としか思っていないので平気で味方を陥れ、
人の心を踏み躙る狡猾な策謀を練り己が野望の道を邁進していった。
サーガインとは別ベクトルで文武両道を体現する猛者と言える。

海賊戦隊ゴーカイジャーには同種族と思われる宇宙忍者サンダールJr.が登場するが
彼のプロフィールによると重力に縛られない特殊な負荷(フカ)筋肉を駆使し、
様々な宇宙忍法を使用する宇宙忍者とのこと。


【技一覧】

  • 宇宙忍法・自在(じざい)(なわ)
手から無数に放つ伸縮自在の光のロープで相手を拘束して空中に無理矢理浮かせ、そのまま縦横無尽に叩き付ける術。
ロープ1本で大人1人軽々持ち上げ振り回すほどのパワーがあり、叩きつけるだけでなく単純な拘束にも使える。
基本的に自在縄で縛った相手を壁や地面、他に捕らえた相手の仲間にぶつけるのが常套手段。
当然相手が多い程効果を発揮するため、対多数相手の攻撃手段としては異常な使い勝手の良さを誇ることもあってサンダールが最も多用した技。

  • 宇宙忍法・縄頭(ジョーズ)(ガイ)
地面から具現化させた巨大な鮫形のエネルギー体に乗り猛スピードで突撃する。
跳ね飛ばす以外にも、奇襲や高速で接近し間合いを詰めるのにも使える。
名前の通り元ネタはジョーズ。

  • 宇宙忍法・(きょう)()
眼帯に内蔵したカメラを用いて隠れた敵を探り当てる索敵技。
「手品のタネを見破ってしまう→何が起こるか見え見え→興ざめ→サメ」という洒落がモチーフと思われる。

  • 宇宙忍法・巨大身(きょだいみ)の術
虫ケラ共がいつまでもウジャウジャと…!邪魔はさせん!!

ゴウライジャーとの決戦にて使用。
巨大化アイテムに頼らず単独で肉体を巨大化させるサンダールの奥の手。


扇忍獣(せんにんじゅう)

サンダール配下の宇宙忍者……というより高度な宇宙忍法を会得した宇宙動物たち。
普段は鉄扇の中に格納されており、サンダールの呼び掛けに応じて鉄扇から召喚される。

他人を一切信じないサンダールの意向もあってサンダール以外の人物には一切従わぬよう調教されている。
あのサラタクラに「凶悪ペット」と言わしめる程の強者揃いで、劇中では3匹しか出なかったが、直接戦闘から搦手までその技量も戦闘力も他の七本槍配下の三軍団の忍者を遥かに凌駕する規格外の怪物達。
登場する度にハリケンジャー達は大苦戦を強いられたが、サンダールにとっては彼らは「便利な道具」でしかないため愛着の類は一切ない。
それどころか扇忍獣を囮にして裏で計略を実行に移す場合すらあった。

3体中2体は巨大生物で、残る1体も巨大化していないため巨大化アイテムはなし。


凶扇獣(きょうせんじゅう)バドーギ


第一段階終了という訳か……チッ、しぶとい奴等め!
出でよ、凶扇獣バドーギ!!!

凄いサンちゃん!こんな凶悪ペット飼ってるなんて!?

CV:無し
出身星:麒麟座近くの惑星ヒマラガン
好物:真っ赤に燃える備長炭で炙ったイモリの鋳物の炭火焼
宇宙忍者ファイル:"扇獣"とは、サンダールが鉄扇の中に飼っている忍獣です。他にもまだいるよ~!!

扇忍獣1番手。
風貌は三つの目を備え、二足歩行する緑色の麒麟に似た怪物。
得意技は頭部の3つ目からの破壊光線と巨大な口からの超高温の爆炎により、周囲一面を跡形も無く破壊し尽くす「宇宙忍法・凶獄火災」
また炎の羽衣を纏う事で「1日に万里を駆ける」と言われるほどのスピードと、巨大なタンカーの土手っ腹を一撃で切り裂く程の威力を誇る両手の鋭い爪が武器とし、四肢を使った格闘技じみた体術すら操る。

ハリケンジャー達6人の抹殺及び怒りの矢のメダル強奪の命を受け召喚。
「究極奥義 スターライトニードロップ」をただの対空パンチで弾き返し、「ゴートハンマーハリケン彗星」と「ハリケンスパイラル」のフィニッシュトリック2連発をいとも簡単に跳ね除けるなどハリケンジャー達を大苦戦させた。一時は怒りの矢を武器として装備した旋風神に反撃を受ける。その後、怒りの矢で暴走し始めた旋風神にトドメを刺そうとするが、突如現れた御前様にトドメを阻まれ、そのまま御前様の言葉に応じて合体した天雷旋風神の前に苦戦。
そのまま怒りの矢の斬撃を喰らい漸く爆散した。


災扇獣(さいせんじゅう)デザーギ


隙あり!行け、災扇獣デザーギ!!!

CV:無し
出身星:クロウガーデン星
好物:光輝くガラス玉を散りばめた天狗揚げ
宇宙忍者ファイル:ジャカンジャを勝利に導く宇宙の大鴉!

扇忍獣2番手。
ビジュアルは全身が漆黒の鱗の様な羽毛に覆われた巨大なカラスの獣人。
知性は高く、旋風神ハリアーを凌駕するスピードで空を飛び、容易く天雷旋風神から怒りの矢を掠め取る技量も兼ね備える。

扇忍獣最強と謳われる忍獣で、得意技は両手の翼を羽ばたかせて特大の竜巻を発生させ、相手を翻弄しつつ弾き飛ばす「宇宙忍法・黒羽根竜巻」
その他
  • 鋭い翼と両足の鉄爪による斬撃や刺突
  • 天空神と轟雷神を単騎で圧倒する体術
  • 羽根ミサイル爆弾を飛ばしての遠距離攻撃
  • どんな硬い岩盤も一撃で打ち砕いてしまう嘴
  • 口から吐く破壊光線
を持つ全身凶器の怪物。
そして何よりも最大の特性が全身を覆う「地球上のどんな物質よりも硬い」とされる羽根。
この羽根が防具と武器を兼ね備えており、アルティマストームすら無傷のままあっさり弾き返してしまう無敵の防御力を誇っている。
また飛行能力を生かしてサンダールの移動手段となる場合もあった。
結果「強すぎて自分達の立つ瀬がない」と他の七本槍達すらドン引きさせた強豪である。

劇中では御前抹殺の命を受けて鉄扇から召喚されるとハリケンジャーを襲撃。
天雷旋風神すらあっさり敗退させる強さでハリケンジャーを圧倒し苦戦させたが、御前様が乗り込み強化された天雷旋風神の前に押され、最期は「宇宙統一忍者流奥義・アルティマストームマキシマム」を喰らい漸く爆散した。
なお死後遺された羽はマドーギの手で新たな謀略のための素材になった。


呪扇獣(じゅせんじゅう)マドーギ


悲しみ…嘆き…フッ、人間とは脆いものよ!今だ、マドーギ!

ウニャアアアアアッ!!

CV:疋田由香里
出身星:オセロット星
好物:またたび酒麝香入り
宇宙忍者ファイル:猫のような女は、お嫌いですか?

扇忍獣唯一の等身大サイズの忍獣でありくノ一
外見は赤いタイツ風の装束を纏った人型の猫。
等身大サイズなだけあってビジュアルは正統派な猫の獣人だが、知能の高さや悪辣さも扇忍獣随一。ただし教育されてないのか言語を介する様子は一切見せない。

直接的な戦闘能力に特化した上記の扇忍獣2体とは対照的に、偵察や情報収集、謀略などの搦手が得意分野の密偵。
肩書通りの呪術的な宇宙忍法や、スパイらしい宇宙忍法を多く持つ。
得意技は相手の影に中に巧みに忍び込み、あらゆるセキュリティを無効化しながら敵陣の奥深くに潜り込む「宇宙忍法・影忍びの術」
またサンダールと五感をリンクさせ、自身が見聞きした情報をサンダールに流すこともできる。

猫らしい身軽で素早い動きを駆使した体術で敵を翻弄しながら圧倒するなど扇忍獣らしく搦手以外の能力も高く、ジャイロ手裏剣を全弾叩き落とす技量と、シュリケンジャーの「秘打・ミラクル千本ノック」を容易く見切って回避する敏捷性を保持。
踵の爪で相手の頭部を狙うように振り下ろす「必殺マドーギ踵落とし」なる必殺技を有する。

御前の持つ嘆きの弓の力が御前の悲しみの感情に連動して力を失うことを見破ったサンダールの命令で本格的に活動開始。
デザーギの羽を術で偽物のハリケンジャーに変化させ破壊活動を行わせてハリケンジャーを誘き出し、
偽物を倒し油断したハリケンジャーに羽を変化させた首輪をハリケンジャー達6人の首に無理やりくっつけることで肉体を支配。
御前を悲しませるためだけに御前との絆を深め、互いに仲良くなった直後のハリケンジャー達6人に無理矢理御前を殺させようとさせ、御前の心を徹底的に追い詰め苦しませる作戦に実行した。
結果、御前の心を折る形で嘆きの弓のメダルの力を消すことに成功。
更にマドーギの存在そのものを囮として利用することでサンダールは御前に肉薄し、嘆きの弓のメダルを奪い取って御前を死に至らしめた。


  • 偽ハリケンジャー
人も知らず…世も知らず…影となりて、善を討つ……

マドーギがデザーギの遺した6枚の羽根から生み出したハリケンジャー、ゴウライジャー、シュリケンジャーの偽物。
全体的に本物よりも声のトーンが低く、マドーギと同型の首輪を付けているのが特徴。
街中で暴れ回り、本物のハリケンジャー達を誘き出し、サンダールが怒りの矢のメダルを触媒に相手の攻撃を弱体化する結界を作り出して本物を苦しめながら、嘆きの弓のメダルで結界を消す為に御前様が現れるのを待っていた。
しかし真の狙いは御前様の力を削ぎ、且つ偽ハリケンジャーの付けていた首輪を身につけさせてハリケンジャーの肉体をマドーギが支配するための触媒に過ぎなかった。


物語での活躍と末路

「アレ」の出現に必要なものを手に入れるため星を一つを単独で破壊。「怒りの矢のメダル」を持ち帰る手柄を持って凱旋した。
表向きはタウ・ザントに忠誠を誓っているが、実際は自分が「アレ」を手にする機会をうかがっており、「アレ」の力を使い自分が宇宙を支配することを目的として裏で暗躍。
「アレ」入手のために甘言も活用しジャカンジャの内紛を煽った。
その際に自分の計画に差し障るサーガインを孤立させ、敗北しながらも生存し再起を誓う彼に


邪魔なんだよ…ご立派な戦士面も気に喰わん。

……早い所、逝けィ!


と非道な台詞を叩きつけて謀殺した。(この時のサンダールは折れた巌流剣と自身の鉄扇だけでサーガインにトドメを刺しており、直前には「刀の錆にもならん」と言い放っていた。)
サンダールが装っていた表の貌はサーガインの素に近いものがあり、多方面で優れた才覚を発揮しているサーガインは邪魔であると同時に単純にサンダール自身の目から見て不快で許しがたい存在であったのかもしれない。


『アレ』の力で高みに上るのはこのサンダールだ!
タウ・ザントでもサタラクラでも……ましてサーガインでもない


終盤、タウ・ザントに下克上を果たし、轟雷旋風神やリボルバーマンモスを一蹴する強さを見せつけるが、「アレ」の降臨に有頂天になっていたのが運の尽き。
轟雷神の不意打ちを喰らい、背後に回り込まれ羽交い絞めにされ…。

鷹介、七海、吼太!コイツは我らが!!

お前らは『アレ』を!

この星を守れ!ハリケンジャー!!

うわぁぁぁぁぁぁッ!!

一甲ぉぉぉぉぉっ!!

一鍬!!

あぁ……

捨て身覚悟のソードスラッシャーで轟雷神共々串刺しに。

無念…!

だが…この星も終わる…宇宙も終わる…!滅びるのだ!!

己の野望の為、策を巡らし命を弄んだ最低最悪の男は報いを受けるかの如く呪詛まじりの捨て台詞と共に地獄へ堕ちていった。


余談

モチーフは 「Sunday」(日曜日)。
デザインは見ての通り「Shark」(サメ)が元になっている。シャア~…クが。
声が声なので最終盤では某赤い人を思わせるセリフを多用している。
そもそも武器である赦悪彗星刀(しゃあくすいせいとう)もその「赤い人」と異名、そしてデザイン元である「Shark」(サメ)をかけ合わせている。

海賊戦隊ゴーカイジャー』では、サンダールJr.という同種の宇宙人が登場する。*2




追記・修正で高みに上るのはこのサンダールだ!
タウ・ザントでもサタラクラでも……ましてサーガインでもない



『宇宙忍者ファイル:暗黒七本槍七の槍サンダール。他人を一切信じないので、配下は全て忍獣です』


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最終更新:2024年12月19日 01:17

*1 とはいえ、サンダールがジャカンジャを裏切るのは最初から決めていたことであり、謀反のタイミングにしても結局は遅いか早いかの違いにすぎない。

*2 どういった間柄なのかは不明だが相方のサタラクラJr.とは裏表のない良好な仲間関係を気付くなど元祖とは真逆な人柄が目立った。