調整中(遊戯王OCG)

登録日:2010/06/07(月) 15:36:50
更新日:2024/11/24 Sun 23:19:40
所要時間:約 16 分で読めます


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Q.「この項目と、コンマイ語の項目の違いはなんですか?」


A.「調整中です」





この項目が面白かったなら……調整中








裁定が変更されました








遊戯王オフィシャルカードゲームには数多くのカードがあり、そのカードの組み合わせによって様々なコンボ、シナジーを生み出す。
しかし、時には「このカードとこのカードを組合せるとどうなるの?」と1プレイヤーの視点ではわかりにくいものもある。

そういった時プレイヤーの心強い味方が全てのカードのテキストや一般的な裁定のQ&Aが載っている遊戯王カードwikiなのだが、
そこでよくこういう言葉を目にしないだろうか。


 「調整中」


コンマイ語の一種。

その名前通りカードのルールがまだ決まっていないことである。
大会等で調整中の事象が発生した場合、判定はその場の審判の判断に委ねられる。結構なジャッジ泣かせである。

「調整中」という単語は実は遊戯王wiki発祥の俗語であり、実際はコナミの電話質問でルールの確認を取った際、オペレーターから「 ただいまルールの調整を行っています 」と返答される場合があることに由来する。
ただし、あくまでこれはコナミからの返答例のひとつで、「担当部署に確認を取っています」などと回答されることも多い。
頻度の問題以前に、 ルールの調整を発売後にやってんじゃねえよ と言わざるを得ないのは事実だが。
なお、メールで質問をした場合も「担当部署で確認してるのでしばらく待ってね」(意訳)という内容のテンプレ文が返ってくる。
それなら仕方ないなと半年待って同じ質問をしたら全く同じ文章を返してくることは割とザラ。
ひどい時には 数年単位で待たされる。

そんな「調整中」、限りなく数が少ないのであればまだ笑って許せるのだが、
遊戯王OCGの場合は「調整中」が非常に多い。ひどい時には、掲載されているQ&Aの半分以上が調整中という項目も存在する。
しかも調整中内容には初歩的なものも少なくなく、「テストプレイをしているのかどうか怪しい」などと言われることも多い。

また調整中でなくても、使用率が中途半端なカードの場合は裁定は頻繁に変わる。
自分の使うカードにややこしい裁定のカードがあれば定期的に確認をしておきたい。
しかし、回答するスタッフによっては同じ質問内容なのに待たせた挙句、調整中と答える場合や即答で処理を答えてくれる場合もあったり、調整中ではないのにも関わらずに解釈が変わったりすることもある。

ある日突然裁定が逆転することもあり、《森の番人グリーン・バブーン》《王宮の弾圧》などはこれによって一気にプレイングが変わったカードのひとつ。
またゲーム等では調整中のカードはそのゲーム毎に裁定が下されているが、 それがOCGと同様の裁定とは限らない
特にドラグニティはこの大きな犠牲者であり、当時発売されたばかりのゲームが旧裁定だったことだけが惜しいと何度も嘆かれた。
玉に瑕という言葉があるが、この裁定変更はそのゲームに非常に大きな瑕を残してしまったのであった。

例を挙げると《王宮の弾圧》は一時期裁定が変更され 特殊召喚効果を持つモンスターの特殊召喚に関係のない効果も無効にできる というとんでもない裁定が下されていた。
影響を受けるカードは膨大な枚数となっており大半は調整中となっていたが、裁定が下されたカードについても《六武衆の師範》の墓地回収効果は発動できるのに《ダーク・アームド・ドラゴン》のカード破壊効果に対しては発動できないとチグハグになっていたため混乱することに。
その後に元の裁定に戻ったが、裁定が揺れていた期間に制作されたと思われるタッグフォース3WCS2009は特殊召喚を含む効果以外でも無効にできる裁定で収録されている。
特にWCS2009では世界大会で使用する禁止・制限リストではバグなどでOCGと違う挙動をするカードは禁止とする方針のためか、禁止カード入りしており大きな影響が出ている。

最近ではほとんど見なくなったが、発売されたばかりのカードのルールを早速聞いたら「調整中」だったりする例もあった。
酷いものでは 効果の発動ができるのかも不明 という事態も。覇魔導士ェ……

いつまでたっても調整中の項目に関しては「勝手に考えてろ」の意味と取っても差し支えない。
このようなカードを使用する際は注意。
特に2011年に入ってからは1年程度古いカードになるとまともに裁定が返って来ない事態が続出しており、人事異動があってその際にそれまでの裁定資料を引き継いでいないのでは、と噂されている。
あくまで噂である。


調整中の裁定を逆手にとったデッキも考案されており、非公式Wiki等でも一般的なデッキ同様に紹介されている。
有名な例としては【ポールポジション】が挙げられる。
ただし、このタイプのデッキは裁定に大きく左右されるため、大会に持ち込むとかなり面倒な事態を引き起こすのは必至だろう(特に一回戦とそれ以降で裁定が異なってしまった場合)。


さらに余談だが、調整中以外にも訳の解らない単語が裁定で飛び出したりする。


カード名《スター・ブラスト》
Q:上記二つの状況において、《打ち出の小槌》により既に手札の一部を交換した場合、ジャッジによる確認は不可能ですがどうしますか?
A:このカードの性質上、止むを得ないことです。(11/02/07)


カード名《一時休戦》
Q:モンスターは戦闘破壊されますか?(テキストに記述がないが戦闘破壊耐性の発生する、《ホーリーライフバリアー》という前例を踏まえての質問)
A:ダメージが0になるのはプレイヤーのみとなる為、モンスターは戦闘破壊されます。
《ホーリーライフバリアー》とのテキストの違いについては非公開となっており、お答えすることができません。(11/07/23)


コンマイさんちょっと意味が解らないです。
もっと見てみたい方はコンマイ語を参照のこと。







しかし、この調整中の問題はそれだけではない。恐ろしいほど裁定変更が行われるのだ。
上に書かれた「一時休戦」の裁定は既に古いもので、「ホーリーライフバリアー」との違いは説明されている。

上の非公開が飛び出してから、3日で変わっている。まさに「コンマイのその場しのぎ」である。

男子3日会わざれば刮目して見よ、とは言うが……。
筆者の友人は「午前と午後で違う裁定を出された」と言う。

ついでに言うと遊戯王wiki*1での裁定をめちゃめちゃに荒らす人もいるのでさらにややこしいことになった例もある。
ていうかメーカーの事務所よりも有志のwikiの方がアテにされてる時点で色々とどうなのよという話であり、その有志にしても正しいことを言っているとは限らない。
たとえば調整中がもっとも問題になっていた2007~9年には、名物裁定を下す人(仮にAさんとしておく)がいたのだが、その人の出す裁定は「XX-セイバーはX-セイバーに含まれない」などかなり問題があった。
一方で割と信頼できる裁定を出してくれるBさんとCさんの意見が食い違うこともあるわけで、この裁定を下した人の名前が重要視された時代もあったのである。
そしてこのBさんに信頼できる裁定を下してもらった人が、Cさん基準の別裁定の表記を見て「間違っている!まぁーたAが変なこと言ったんだ!俺が正しい情報に直さなくちゃ!」と勝手に差し戻す
こうなってしまうと善意同士のぶつかり合いであり、さらにここに荒らして楽しむ人まで出てきて大混乱……というわけ

一方で悪意があるのが編集者だけとは限らない。一時期有名だった《メンタルマスター》の「カードが違います。カードが違うということです。」という珍裁定のスクショとされる画像は、コラ画像であった。
しかし「OCG事務局より誰が編集しているか分からないwikiの方が信じられる」と判断したプレイヤーたちが、それを「本物」だと勘違いしてしまったのである。
実際「一言一句同じ効果でもカードが違えば同じ裁定をするとは限りません」という裁定は下ったらしいし、《一時休戦》と《ホーリーライフバリアー》のような例もあるし。

原作読者なら、ペガサスの使用した切り札「サクリファイス」に覚えが有るだろうが、
あのカードはまだ裁定が固まっていないことはご存知だろうか?

かつて子どもだった読者が大人になるだけの時間を経ても、なお裁定は揺れているのだ……。

確かにスタン落ちがないうえでシリーズも長い遊戯王だが、そんなことは言い訳にならないほど多いのだ……
そんなカードだらけの処理をほとんどバグなしで作成したタッグフォース&WCSスタッフすげーなおい。

もっとも、2023年現在はルール整備に伴ってある程度改善されている
未だに唐突な裁定変更や調整中の項目もあるが、当記事に書かれていることの多くは過去の物となっている


余談


さて、遊戯王GXユベル編のオチといえば、「《超融合》でユベルと十代の魂を融合させてハッピーエンド」である。これを受けて当時考えられたジョークがこちら。
Q.「《超融合》を使って、プレイヤーと《水霊使いエリア》を融合させることは可能ですか?」
A.「調整中

普通に考えたらできるわけがねぇだろと一蹴されるようなものでも調整中と答えるだろうという、プレイヤーのコナミに対する不信感がよく現れたものである。
ちなみにまじめに考えると
「融合デッキ(エクストラデッキ)にそれを融合素材にするモンスターがいれば可能です。」
と答えるのが穏当だったりする。プレイヤーを素材にするモンスターはいないので事実上できない、もしそういうルールが制定された時にも裁定をひっくり返さずに済むというわけだ。ちゃんと回答したという話題性も得られて一石三鳥。

また、当時のデュエルマスターズのFAQが遊戯王と違って非常に懇切丁寧であることが、当時の遊戯王プレイヤーの間でも話題になっていた。
たとえば「Aというカードでこういう挙動はできますか?」と尋ねると、普通のTCGなら「可能です」とだけ答える。
しかしデュエマの場合は「可能です。ですがその用途でAを使うのであれば、こちらのBというカードを使うとさらにこれこれこういうことができて、こちらの方がよいと思います」とアドバイスまでくれるというものである。
上記のジョークにおいてデュエマの回答風に「可能です。ですが《ヒステリック天使》の方がよいと思います」と返すネタが作られた。
これは単なる老人のお寒い笑い話というわけではない。当時のプレイヤーは荒れに荒れていた激変期の環境を何とか楽しもうと、何とか頑張って工夫していたのである。

遊戯王マスターデュエル等のコンピュータゲームでは調整中となっている場合においてもエラー等になったりはせず処理が行われるため、この時の処理を公式の考える裁定と見做す決闘者もいる。
特にテーブルトップと環境の近いマスターデュエルは公式の調整中処理の検証ツールとして使われることも少なくない。
無論これはあくまでゲーム側での処理にすぎず正式に下された公式裁定ではないため、テーブルトップ環境で同様の状況になった場合はジャッジ判断を仰いたりするほうが望ましいことに変わりはない。


Q.「この《項目》を追記、または修正することは可能ですか?」
A.「追記、修正に関するルールは現在調整中です」


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最終更新:2024年11月24日 23:19

*1 非公式ながら多くのプレイヤーが愛用しているサイト。