百合男子

登録日:2011/10/13 Thu 00:24:48
更新日:2024/12/28 Sat 18:07:03
所要時間:約 6 分で読めます




我思う、ゆえに百合あり。


『コミック百合姫』で倉田嘘先生により連載されていた、葛藤系ヒューマニズム哲学ギャグ漫画。(作者「僕はギャグだと思って描いてません!!!!」)

かつては表紙で高らかに「男子禁制」を謳い、漫画内に男性が登場すること自体稀な百合姫にあって唯一の男性を主人公とする漫画である。
そのため明らかに雑誌内で浮いており、読者の中でもそれはもう賛否両論らしい。

第1回は簡単に破棄できるように注意書き付きの袋とじで隔離され、以降も百合男子だけ破り捨てやすいように紙質を下げて他の漫画と区別していた。
…が、製本のとき面倒、コストがマイナスになるなどの理由から、12年1月号より他の漫画と同じ紙質になっている。

賛否の差がでかいため、カラー掲載した次の号はアンチに配慮して原稿のサイズを1/4にして載せるなどしてバランスを取っている。

12年夏にドラマCDとキャラソンが発売するなど、順調に百合姫の人気作品としての地位を確立していた。
その後、一度は連載を終了したものの、すぐに連載再開。
だが単行本が想定していたより売れなかったからという理由で、物語途中で中途半端な形で打ち切りになってしまった。
作者の倉田嘘によると、「最終話までのプロットは既に出来上がっていた」との事。

あらすじ


担当「あらすじ要らないっすよね」
先生「えっ」
担当「えっ」



主人公・花寺啓介は百合をこよなく愛する百合男子。
その関心は二次元にとどまらず日常生活でも百合的シチュエーションを追い求めるが、女性同士の聖域たる百合と男である自分との壁に時に葛藤する。

◆登場人物

《倉良学園》

啓介が通う高校。名前の由来は百合小説の古典「クララ白書」

「『俺の嫁』なんていねぇ!!」

倉良学園2年生。キモ荒々しい我らが百合ーダー。湖上の嵐を一喝で鎮めたキリストのごとき百合ーダー。
外見こそメガネをかけた某新世界の神といった風情のイケメンだが、中身はかなり残念。
美味しい百合的シチュエーションを前にすると我を忘れて暴走しがち。そして最終的にグーで殴られたり中華鍋を投げられたり消火器を投げられたりしてメガネを割られる。割られなかった時は自分で割る。
百合の保護のためには男である自分が女性に近づくことすら認めず、結果自身の魔法使い化すら辞さない苛烈な思想の持ち主。
「男が百合に萌えることは許されるのか?」という命題に苦悩する。
だんだんスーパーサイヤ人みたいになってきた。

名字の由来はマリア様がみてるに登場する男子校「花寺学院」 

「我思う、ゆえに百合あり だがそこに我(男)必要なし……」

「百合の女神よ 何故あなたは俺を男子に作り給うたか!!」
「どうして…俺はこんなにも矛盾した存在なのか!」
「どうして 男なのに百合に萌えてしまうんだ!!!」

啓介の隣の席に座るクラスメイト。
清楚かつおしゃれな素敵女子。啓介からは「あんな子こそ女の子とくっつけばいいのに」と思われている。
名字の由来は志村貴子の漫画「青い花」より「藤が谷女学院」


啓介たちのクラスにやってきた転校生。中学の同級生だった沙織に好意をあらわに接する。
百合のメッカ・女子校帰りのJKS(女子校帰国子女)であり、その百合力の高さで啓介を悶絶させる。
転校の経緯に秘密が…?

名字の由来はストロベリー・パニックの「聖ミアトル女学園」か

「一番奥にしまって誰にも触れさせたくないもの それが本当に大切なもの」

啓介のクラスメイトにして天敵。寡黙で感情を表に出さないクール系美人。
沙織に思わせぶりな視線を向けていたところ、百合フィルターで興奮した啓介に迫られ見開き顔面パンチで葬り去る。
おまえノンケかよぉ!?(驚愕)

内面は理屈っぽく饒舌。百合に対しては何やら思うところがあるようだ。
やっぱり好きなんじゃないか(歓喜)
同好の士以外で啓介の性癖を知る唯一の人物でもある。

名字の由来は「青い花」から「松岡女子高等学校」
(百合…男子…!!これが…!!)
(ありえない!彼の言動存在全てが)

(き も ち わ る い!!)


《百合男子連盟》

コミケの百合オンリーイベントで知り合った百合男子たち。
派閥争いを鶴の一声で収めた啓介を百合ーダーに担いで結成されたが、即解散した。

「侵してはならない領域に土足で踏み込んでいるのは 百合ーダーのほうだ!」

成年向け作品が好きな高2。チャラ男風。
転校前の宮鳥に惚れてアタックしていたことがある。
あくまで創作を創作として楽しむタイプであり、現実の女子にまで干渉する啓介の行動を批判する。
ちなみにモデルは担当兼百合姫編集長の中村成太郎氏。

名字の由来は「少女セクト」より「籠目女学校」

ヤングレディース誌好きの大学生。留学先のノースカロライナ州からの参加。
「青い花」の舞台である鎌倉市から。

少女誌好きの中3。北海道在住。
マリみて作者の母校でリリアンのモデルとなった武蔵野女子学院より。

  • 桜ヶ丘健司 CV.安元洋貴
一般漫画のイチャラブ百合が好きな高1。離島から遠征してきた。
けいおん!の桜ヶ丘高校から。

《その他》

  • 鳳隆(魚屋)
「感じたぜお前の百合魂(ソウル) 俺はお前の中にあったものに名を与えたに過ぎねぇ」

近所の鮮魚店の主人で小学生の啓介に百合姫の前身・百合姉妹を与えこの道に引き込んだ人物。妻子持ち。
性癖を隠して女子と結婚し幸せな家庭を得たが、百合紳士ゆえの宿命かいまだ煮え切らない何かが心に残る。
名字は少女革命ウテナの「鳳学園」

◆その他

  • 作者の倉田嘘先生は百合姫からデビューした男性漫画家。初単行本「リンケージ」の後にスランプに陥り、百合好き男の葛藤を描く私小説的作品のアイディアを出した。
  • 作者は現役のサラリーマン。今も会社内で漫画を描いている。

  • ゆるゆりと並ぶ百合姫の話題作であるが、両方百合姫の作風とは異なる異色作でもあるので本誌購入には注意を要する。

  • 作品内でけいおん、ささめきこと、オクターヴなど他誌作品の実名を積極的に出している。

  • 漫画内でゆるゆりをプッシュし過ぎてついにゆるゆりにパロられた。

  • 百合声優佐倉綾音によってこのマンガが天下のNHKの番組、MAGネットで紹介されてしまった。ちなみに漫画は西川兄貴に贈呈されました。

  • 作者は「(コミック百合姫という)少女たちの可憐な世界を土足で踏み荒らすようなもの」として連載に大反対だったが、編集長が
「大丈夫ですよ、そんな簡単に踏み荒らされるほどヤワじゃないですから。むしろ荒れるくらいパワーを持った作品をください」
と返して無理やり載せた。

  • ゆるゆりのヒット記念で刊行された『コミックなもり』にも寄稿。掲載文を信じるなら勝手に描いたらしい。
啓介『げっ!また百合男子なんか載せやがって!空気読めよ編集部!』
煽り文『先生が勝手に描いたんじゃないですか…依頼してないのに








二人で追記・修正して

百合ん百合んになってよ!!

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最終更新:2024年12月28日 18:07