ダブルバトル(ポケモン)

登録日:2012/04/30 Mon 12:40:30
更新日:2024/12/13 Fri 17:14:35
所要時間:約 7 分で読めます




ラブラブカップルのルビーサファイアが、しょうぶをしかけてきた!!


【概要】

ダブルバトルとは、ポケットモンスター ルビー・サファイアより導入された対戦ルール。
お互い4匹のポケモンを持ち寄り、場に2匹ずつ繰り出して対戦する。

ストーリー中では野生・トレーナー戦ともにほとんどのバトルはシングルバトル形式で行われる事からカジュアル層のプレイヤーにはあまり馴染みがなく、特に日本国内においては対戦人口もシングルに比べると少なめ。
しかし公式で開催される大会は基本的にダブルバトルで行われる*1GSルールなど禁止伝説が使用できる機会もダブルのほうが多めである。

ちなみに第三世代の外伝作品であるポケモンコロシアムとその続編、ポケモンXD 闇の旋風ダーク・ルギアの冒険の舞台となるオーレ地方や『SV』のDLCで行くことができるブルーベリー学園ではダブルバトルが主体であり、シナリオモード内におけるバトルはごく一部の状況を除いて全てダブルバトルとなっている。

じしん」等の一部の技は複数(技によって敵2体だったり、敵2体+味方1体の合計3体だったり)の相手に当たる。
ただし、攻撃対象が複数体になる場合は技の威力がダウンするため、そういった技だけを連打すれば勝てるというわけでもない。
その中でも相手2体が対象かつ3割の確率で怯ませる「いわなだれ」等は強力な技として知られている。
単体技の場合はどちらのポケモンを狙うか選ぶ。その選んだ位置は相手がポケモンを交代しても変わらない。

いかく」「サイコフィールド」等、相手全体やフィールド全体に影響を及ぼす特性や技も同じく有用性が高い。

といった感じ。

また、「テレパシー」や「プラス/マイナス」等、ダブルバトル専用の特性も存在する。

他にも「スキルスワップ」でケッキングの「なまけ」やレジギガスの「スロースタート」を消す等、ダブルバトルならではのコンボも。

そして2対2という性質上、一般的なシングルバトルとは全く違った知識、テクニックが必要とされる。

ここでは特徴的なものを簡単に説明させて頂く。


なおこの項目のは2012/04/30(第5世代)に作成されたものであり、仕様や環境の変遷によって最新の環境にそぐわなくなった記述がいくつか残っていることをご理解のうえお読みください



【縛りについて】

ダブルバトルでは"縛り"という概念が存在する。
例1
例えば、
あなたがギャラドスカビゴン
相手の場にサンダースが出しているとしよう。

このままではあなたのギャラドスはサンダースの「10まんボルト」で一撃で倒されてしまう。
この状態を"サンダースがギャラドスを縛っている"と言う。

しかしここでギャラドスが「「まもる」」を使うと、
1.サンダースの10まんボルト→まもるにより不発
2.こちらのカビゴンの「すてみタックル」でサンダースを倒す

という風にギャラドスの危険を排除し、アドバンテージを取ることが出来る。
縛りの解除である。

逆に、これを読んでサンダースがまもるを使う事もある。
この場合は、ギャラドスのまもるは空振りに終わり、次のターンの危険度は更に上がる(まもるは連続で使うと成功率が下がる為)。


この為、ダブルにおいて「まもる」は超重要技。
特に理由がないのなら「基本的に」全員に覚えさせるべきである。

例2
だが、当然ながらそれを「あえて」せずに勝たなければならないパターンも存在する。
自分がファイアローとドドゲザン、相手がウーラオス(れんげき、タスキ所有)とゲンガーを出していたとしよう。
このとき、「まもる」は使えなくなっていることに気が付くだろうか?*2
そのため、あえてドドゲザンが「ふいうち」を選んでタスキを潰し、ファイアローの攻撃で「まもる」の縛りを解除する、といった考えが必要になってくるのである。

このような、縛りの逆転・解除に伴う読み合いこそがダブルの真髄であり醍醐味である。
縛りの関係を制したものがダブルを制すと言っても過言ではない。


【技の選択対象について】

基本的に1対1の対面で戦わざるを得なかったシングルバトルと異なり、お互いにポケモンを2体繰り出して戦うのがダブルバトルである。
場に2体いるという都合上、味方2体で敵1体を集中攻撃したり、もう片方の味方をサポートするように味方1体を動かしたり等、シングル下では出来なかった戦法も可能となっている。
これにより厄介な相手を1ターンで致命傷に追い込むかひんしにさせる事ができたり、攻めを遅らせるのと引き換えに場を整えて動きやすくしたりできる。

技の対象が単体であれば味方1体に対しても選択可能。
有用な効果を持つ変化技を味方へかけたり、「へんしん」や「じこあんじ」のように味方を対象にする技を用いてダブルならではのコンボを狙ったりも…

概要にも記述したが、「じしん」などの一部の攻撃技は相手2体だけでなく味方1体にも命中してしまう。
こういった攻撃技をダブルで用いる場合は味方を巻き込まないよう、無効化できるタイプ・特性を持つポケモンを隣に置くのが基本。


【素早さの重要性】

上の例で示した通り縛りは大きなアドバンテージであり、縛りは基本的に素早いポケモンが行う。
よってダブルバトルでは素早さが非常に重要視される。

例えばさっきの例だと、サンダースがまもるを使うのを読んでギャラドスが「りゅうのまい」を使ったとしよう。
すると一転、サンダースはギャラドスから縛られる事になる。このように、行動順が変わるだけで縛りの関係が逆転するのはダブルでは珍しい事では無い。

その為、「でんじは」や「こごえるかぜ」によって素早さを奪ったり、特性「すいすい」や「すなかき」による素早さ強化などが重要視される。

そして素早さを操作する技で忘れてはいけない技が、「トリックルーム」である。
これは素早さの低い順に行動するようになるというトンデモ技であり、素早く耐久の低いポケモンはノロマな的に。重戦車型のポケモンは速さ・硬さ・火力を兼ね備えた化け物になる。
シングルでは1ターンに1回しか攻撃できず、自主退場が必要になるためそこまでメジャーな戦術ではないが、ダブルでは超メジャー戦術である。
速攻ポケモンばかり入れているとぶっちゃけ詰むので、相手のトリックルームを解除するためだけにトリックルームを覚えたポケモンを入れる人もいるほど。
対策は必須。



【メジャーな戦術・コンボ】

ここではダブルバトルならではの戦術を紹介したい。

  • ねこだまし+変化技
「ねこだまし」で隙を作り、相方が変化技を使う。
「ちょうのまい」を積んだり、「トリックルーム」で場を制圧したり。基本的なコンボ。

  • てだすけ+全体技
使い易いコンボ。
ダブルにおける全体技は読みの負担が少なく、一度に2匹へ攻撃出来る為強力。0.75倍の補正が掛かるが2匹に当たれば実質シングルの1.5倍である。

素早いポケモンが味方へ威張り、混乱をキーの実で直すコンボ。攻撃力2倍は脅威。
派生として「しんぴのまもり」をした後威張るを連発するいば神秘もある。
こちらは発動が手間な分、攻撃力はいばキーの比ではない。

  • ふくろだたき+せいぎのこころ
味方の「せいぎのこころ」持ちを「ふくろだたき」にする。
味方の数だけ、つまり一気に4段階攻撃を上げることができる。
エルフーンテラキオンのコンビが有名。

  • 確定急所攻撃+いかりのつぼ
味方の急所を突き、攻撃ランクを最大まで上げる。
第六世代以降は急所ランクの合計が+3で確定急所となる。
特性「きょううん」か「スナイパー」なら「ピントレンズ」を持って「つじぎり」等を使うことで発生する。
また「こおりのいぶき」と「やまあらし」は威力が低い上に必ず急所に当たるため、これを利用するのも手。
「ながねぎ」持ちカモネギに「きりさく」を使わせる手もあり、何気にダブル向きの特性や技が豊富。
主な組み合わせとしてはケケンカニハギギシリオコリザルorワルビアルケンホロウ等。
特にケンホロウとワルビアルのコンビは
「ケンホロウの素早さ種族値がワルビアルより1だけ高い」
「ワルビアルのじしんにケンホロウが巻き込まれない」
と相性が抜群の組合せとなっている。

  • はらだいこ+じこあんじ
ダブルならではの豪快なコンボ。扱いは難しいが決まれば強烈。
このコンボで公式大会を優勝したツワモノもいる。
はらだいこ使いでメジャーなのはカビゴンマリルリマッスグマ等。
じこあんじ持ちはそれより遥かに多く、様々な組み合わせが考えられる。

  • いかく+いかく
場に出た瞬間、相手の攻撃力を1段階下げるという強力な特性「いかく」。
ダブルなら相手2体の攻撃力を下げられるので尚の事強力だが、そんな「いかく」持ちを2体同時に出して物理アタッカーへの隙を作る。

出すだけで強いというシンプルさが猛威を振るい過ぎた影響か、後の世代になるにつれて「いかく」対策になる特性が増加。
特性「かちき」持ちの相手には逆利用されるため、下手に繰り出すと自身の首を絞めかねなくなった他、
「せいしんりょく」「どんかん」「マイペース」「きもったま」の相手にはそもそも効かない。


【ダブルならではの技】

シングルで強い技はもちろん、シングルではイマイチパッとしない技も、ダブルでは超有用な技になる事がある。

■相手全体への攻撃技
  • いわなだれ
シングルでは使用率はそれなり。
「ストーンエッジ」を覚えないか低命中率を嫌う、または特に怯みを重視する場合に採用の余地がある。
ただし、安定性やサポート性能で上回る「がんせきふうじ」もあるので悩ましい所。
ダブルでは相手全体に攻撃できるため、他のいわ技よりも採用率が高い傾向にある。
ダブルでいわなだれを使うと相手ポケモンのどちらかが怯む確率が 5割 近くになるのでやられた側からすれば理不尽極まりない。

  • マジカルシャイン
シングルでは「ムーンフォース」を覚えないポケモンにとっての代用技。
ダブルでは相手全体に攻撃できるため、基本的にこちらが優先される。

  • ねっぷう
シングルでは命中安定の「かえんほうしゃ」やより威力の高い「だいもんじ」等の影に隠れがち。
ピジョットシンボラーといった他にほのお技を覚えないポケモンが採用するケースが大半である。
ダブルでは相手全体への攻撃となるためほのお技の中でも優先的に採用できる。

  • だくりゅう
「なみのり」と同じ威力で命中率では劣るが、3割の確率で相手の命中率を下げる。
「なみのり」と違い味方を巻き込まない全体攻撃として使える。

  • こごえるかぜ
威力は低いが、必ず素早さを1段階下げる追加効果が優秀。
弱点が突きやすい氷タイプの技なので4倍ダメージによって火力自体もそれなりに出せることも。
ダブルだと相手全体への攻撃となるため、より強力。「エレキネット」と違い無効タイプが無いのも強み。

  • バークアウト
タイプがあく、下げる能力が特攻に変わった「こごえるかぜ」であり、「いかく」と併用すると特に強力。
ウインディレントラーメガライボルト等は両立もでき、ガオガエンなら一致かつそこそこの特攻で撃てる。
追加効果がメインなので敢えて特攻の低いグラエナズルズキングランブル等に使わせる手もある。
似た性能の「むしのていこう」もあり命中も100と優秀だが、「いかく」持ちがアメモースムクホークしかおらず、使用者の能力とも噛み合わないことが多い。


■フィールド全体への攻撃技
  • ほうでん
威力は低めだが「かみなり」と同じく3割の確率で相手をまひさせるでんき技。
ダブルではじめんタイプや「ちくでん」「でんきエンジン」「ひらいしん」持ちと組むか相方にまもるを使わせることで活用できる。

  • ふんえん
威力は低めだが3割の確率で相手をやけどさせる、シングルではほのお版「ねっとう」とも言うべき技。
「もらいび」持ちと組むか相方にまもるを使わせることで活用できる。

「ハイドロポンプ」に比べて威力は劣るが命中100の安定したみず技。
「ちょすい」「かんそうはだ」「よびみず」持ちやみず1/4のキングドラルンパッパと組む、味方にまもるを使わせることで活用できる。
第三世代では味方を巻き込まない。

  • はなふぶき
安定した性能のくさ物理技。
しかし覚えるポケモンの多くが特殊アタッカーや耐久型寄りなのであまり使われない。
そうしょく」持ちと組むことで味方への被害を避けられる。

  • ばくおんぱ
Zワザを除けば音技の中で最高の威力を誇る。
ゴーストタイプや「ぼうおん」持ちと組むことで味方への被害を避けられる。

フィールド全体を巻き込む爆発技2種。
ゴーストタイプや特性「テレパシー」持ちと組むことで味方への被害を避けられる。
滅多にない事だが特性「しめりけ」のポケモンが場にいると、技が発動できないことに注意。

かつては爆発技だけ防御力を半分にして計算していたため、「ダブルは爆発ゲー」などと揶揄される事もあった。
第三世代ではそれに加えて相手2体・味方1体の攻撃技は威力減衰しない仕様まであったので、第四世代よりも鬼のように強かった。


■単体攻撃技
  • ねこだまし
場に出たターンしか使えないが、ほぼ確実に先制攻撃が可能な技。相手のポケモン1体を怯ませて1ターン行動不能にできる。
シングルでは時間稼ぎやタスキ潰しに使われるが、ダブルでは縛りを解除したり相方が積んだり、相手の戦術を妨害したり何かと便利な技。
ダブルの1ターンは重い。
ひるみ状態にする追加効果持ちの技のため、特性「せいしんりょく」相手には効かない点に注意。
特性「りんぷん」や、第9世代から登場した持ち物「おんみつマント」を持った相手にも追加効果無効により怯ませられない。

  • だいちのちから/ドリルライナー/10まんばりき
覚えるポケモンの少なさもあり、シングルでは大正義「じしん」の影に隠れがち。
特に「10まんばりき」の使い手はギャロップを除いて「じしん」も覚えられる。
しかし、ダブルでは味方を巻き込まない地面技ということで「じしん」よりも優先されることがある。
地味に「グラスフィールド」で威力が減衰しないというメリットもある。

シングルでは高火力の悪技や怯み、「ちょうはつ」に縛られない状態異常撒き。
ダブルではそれに加えて味方にハーブや木の実を投げることでサポートもできる。
詳細はリンク先を参照。

シングルでは同速でのハメ狙いや「ねこのて」パで採用されることがある。
ダブルでは相手の片方を次のターンまで連れ去ることで連携を崩し計算を狂わせることができる。

シングルでは「ハイパーボイス」や「ばくおんぱ」の劣化な上に威力も低すぎるため、完全にダブル用の音技。
構築に工夫がいるが爆発力は高い。詳しくはリンク先を参照。

  • くさのちかい/ほのおのちかい/みずのちかい
御三家三猿シルヴァディが使用できるロマン溢れる合体技
詳細は御三家のページを参照。


■変化技
  • アンコール
相手が最後に繰り出した技を3ターン連続で繰り出させる。
相手の「まもる」等、隙になり得る変化技を読んで使うと強力。素早いポケモンか特性「いたずらごころ」のポケモンで使用すると、相手の行動を見た上で技を固定出来るので使いやすい。

  • てだすけ
必ず先制でき、そのターンだけ味方の技威力を1.5倍にするというダブルならではの技。
ふぶき」や「ねっぷう」等の全体行動に使ったり、相方が一発で倒しきれない厄介な敵を倒すのに使ったりもする。
死に際に相方をサポートして散ったり出来る。また最も優先度が高い技なので、相手の「ねこだまし」を読んで被弾前に使用することで、怯むデメリットを抑える使い方も出来る。

  • このゆびとまれ/いかりのこな
ダブルならではの技その2。単体技の対象を自分に変更する効果を持つ。「ちょうはつ」等を吸い取って、相方の変化技を成功させる事ができる。
他にも味方への弱点技を引き寄せたり、相手が相方へ撃つつもりだった「いばる」や「ふくろだたき」を引き寄せたりと何かと便利。
ただし優先度+2なので「ねこだまし」(+3)は止められず、「しんそく」等とは素早さ勝負となる。
「はらだいこ」を積んだポケモンと「このゆびとまれ」持ちが並ぶともう手が付けられなくなる。

  • ワイドガード
全体攻撃技から味方全体を守る効果を持つ。味方全体を守ることで相方の行動機会を確保する事が出来る。全体攻撃技が多用されるダブルバトルだからこそ有効な場面は多い。
「まもる」等と違って連発可能。ただし単体攻撃技は通るので読まれると躱される。
味方が使用する「じしん」等フィールド全体を攻撃する技からも守る事が出来る。

  • いえき/スキルスワップ
「いえき」は相手1体の特性を消す効果で、「スキルスワップ」は自分と相手1体の特性を交換する効果を持つ。
上記の通りケッキングやレジギガス等、特性に足を引っ張られるポケモンの補助として。
デスカーンの「ミイラ」も利用できるほか、レジギガスやグソクムシャは「なやみのタネ」「シンプルビーム」「なかまづくり」を使う手もある。
ただ、この手のデメリット特性持ちはダブル下での手持ちの見せ合い・実際に出て来た段階で相手に警戒されてしまうのが最大の問題点となる。
他にも、「いかく」「ひでり」など、場に出たときに発動する特性を再利用することもできる。

  • スピードスワップ
パワー・ガード・ハートスワップとは違い、素早さのランクではなく種族値そのものを入れ替える効果。
鈍足高火力アタッカーを補助したいが、トリックルームの後続への影響やターン制限を嫌う場合等に活用できる。
使用者は少なく、ライチュウ(リージョンフォーム)、エモンガアブリボンフェローチェのみ。

  • ふういん
シングルでは都合良く同じ技を使う相手と遭遇できることは稀で、読みや運も絡む。
しかしダブルでは「まもる」「トリックルーム」など同じ技を持つポケモンと遭遇する機会が多いし、相手2体の技を封印できるため決まった際のリターンは大きい。
特にシングルでは気付きにくい点としてこの技は相手ではなく自分に封印を施す効果であり、発動させたポケモンが場からいなくならない限り、解除されない。
「このゆびとまれ」等妨害に引っかかりにくい点も強く、対「トリックルーム」においては絶大な性能を発揮する。
先述の通り自爆技の威力が絶大だった頃は「まもる」の採用率が高かったため、「まもる」を封じられた時のリスクも非常に大きく、「封印爆破」として名を馳せた。

使ったターン、相手の攻撃を受けない。連続して使うと失敗しやすくなる。
【縛りについて】でも記述したが、これがあるとないとではダブルでの動きやすさが段違いである。
わざマシンが使えるポケモンであれば大多数のポケモンが覚えられるというのも強み。
拘り系アイテムや突撃チョッキを持たせる場合を除いて、ほぼ全てのポケモンで採用を検討する価値があるダブルの最重要技。

  • みきり
上述の「まもる」と同じ効果。
シングルではPPの少ない「まもる」なので滅多に使われないが、ダブルでは「ふういん」対策として使える。
覚えさえすれば、まもるよりも優先して採用される。

  • ものまね
シングルでは対戦相手の技に依存するため不安定すぎるが、ダブルでは味方の技を使用できるため様々な使用法が考えられる。
習得手段は初代の技マシンか第三世代の教え技であり、まもるやみきりと同様、マシン未対応者除く全ポケモンとその進化形が覚えられる。
レートで使えるのはピクシープクリンバリヤード系・ウソッキー系・グランブル系・ペラップトリミアンミミッキュ

  • まねっこ
「ものまね」と同じく味方の技を利用でき、レートで使用できるポケモンもこちらの方が多い。
最後に発動した技とコピーするという性質上、相手のポケモンの素早さにも左右される点に注意。

  • どくガス
シングルでは技マシンさえ使えれば誰でも覚える「どくどく」に見劣りしがち。
ダブルだと猛毒状態でこそないものの、相手全体をどく状態にできる貴重な技に。

  • いとをはく
ストーリー序盤用の技との印象が強いが、XY以降は相手全体の素早さを2段階下げる強力な技となっている。
しかし「こごえるかぜ」と違いダメージを与えられないのと、使い手であるむしタイプ自体が不遇なのが難点。

  • ダークホール
「ワイドガード」も無視し相手2匹を眠らせる最凶技。
強力すぎるため第五世代では禁止となった、が何故か第六世代で謎の解禁。
第七世代では技の命中率が「うたう」以下かつドーブルは使えなくなるという大幅な調整を受けた。

  • さいはい
ダブルならではの技その3。ヤレユータンの専用技。
対象のポケモンに直前に使用した技をもう一度使わせる効果を持つ。
Zわざやダイマックスわざには適用されない欠点はあるものの、味方に1ターン2回行動をさせられるので単純に強力。
高火力範囲技を連発したり、能力変化技の効果を2倍にしたりといろいろなコンボができる。

他にも有用な技、戦法は数多く存在するが書ききれないので割愛。




【第8世代で活躍中のメジャーポケモンたち】

Nintendo Switchから発売されたソード・シールドでは使用可能なポケモンが大きく数を減らしたこと、メガシンカとZワザの廃止、そして新要素であるダイマックスの登場により環境も大きく変動した。


ソード・シールドで登場した600族。歴代600族最高の素早さ種族値(142)と最低の耐久を持つ速攻アタッカー。
ゴースト・ドラゴンというユニークなタイプを持ち、全てのポケモンに対して上から攻撃でき、登場するやいなやシングル同様ダブルでも最メジャーとして君臨。
最低の耐久と言ってもやはり600属なので並程度の耐久はあり、ダイマックスすれば相手の流星群でも一発くらいは耐えることも。
両刀可能な種族値により物理型と特殊型が存在し、壁貼りなどもこなす。
とくせいは相手の壁の無視する「すりぬけ」、能力を下げられない「クリアボディ」どちらも優秀。
専用技の「ドラゴンアロー」は、「まもる」やフェアリータイプなどを自動で避けて、効果のある方に二発着弾する仕様でありとても優秀。

砂嵐時特防1.5倍のおかげでハピナスもビックリな特殊耐久を持ち、GSルールでは禁止伝説相手にまともに殴り合う怪獣。
攻撃134から飛んでくる相手のみ全体攻撃技「いわなだれ」が非常に強力。
独特なタイプとそのありえない耐久力から大抵の特殊アタッカーに強い。ダブルは特性「いかく」のせいで物理アタッカーが少なめなのも強さの理由の一つ。
第8世代ではダイマックスで確実に一発耐え、「じゃくてんほけん」で攻撃力を倍にする戦術(通称:保険金詐欺)の代名詞。

特性「サイコメイカー」を有する強力なサポーター。ドラパルトを筆頭にゴーストが跳梁跋扈する剣盾においてはゴースト技無効の「このゆびとまれ」持ちとして盤面に影響力を与え続け、サイコフィールドで「ねこだまし」「いたずらごころ」からの展開や妨害を片っ端から通さない為「トリックルーム」の展開に極めて高い適性を持つ。
「てだすけ」「サイドチェンジ」「しんぴのまもり」等有用なサポート技は一通り使用可能であり、自前のサイコフィールドに「ワイドフォース」を乗せる事で耐性無しでは無視できない火力を出してくることも。

シングル同様アタッカーとして運用されることも多いが、非常に豊富なサポート技を持つため、多彩な型が存在する。
弱点も多いが耐久も高いため、「じゃくてんほけん」との相性も非常に良好。ダイジェットによりスピードまで強化されると手が付けられなくなる。
また貴重な「このゆびとまれ」使いである。

元々高い耐久と特性「ハードロック」でポテンシャルは高かったが、第8世代にダイマックスの登場により躍進したポケモン。
バンギラス同様確実に一発耐え、「じゃくてんほけん」発動で無双するという戦術がメジャー。
弱点も多いが耐性も多く、受け出しも得意。トリックルームとの相性も非常に良い。

XYの新システムであるメガシンカでXとYの2種類のメガシンカ形態を獲得。
リザードンはどちらにメガシンカするか初見では分からないという他のポケモンには無い強みを持っているが、ダブルではほぼメガリザードンYが使われた。
特性「ひでり」で「ねっぷう」を強化することができ、「おいかぜ」ですばやさ操作が可能。
単体性能が高く、晴れパ以外のパーティでもリザードンY単体で採用することが多い。
物理&両刀アタッカーのリザードンXで意表をつくことも可能。
第8世代ではメガシンカは廃止されたが、ダイバーンにより自力でサンパワーを発動させる事が可能になったり、強力なダイジェットを一致で打てることもありメジャーポケモン。

かつては器用貧乏と評されあまりメジャーではなかったが、第8世代の環境の変動によりポテンシャルが見直され、最メジャー格となった。
優秀な「いかく」や「バークアウト」「おにび」撒き、耐久もそこそこ高く、中途半端とされたS95も鈍足ポケモンが多い第8世代においてはかなり早い方。
せいぎのこころアタッカーとして運用されることも。

強力な特性「いたずらごころ」と多彩すぎる変化技、サポート技を持つサポートのエキスパート。
あらゆる戦術やコンボを始動する上に、「ちょうはつ」を先制で確実に打てるため相手の抑止力にもなる。

相手のみず技を自分に引き寄せる特性「よびみず」がとてつもなく優秀。コータスやドサイドンなどみず弱点のポケモンを組ませたり、相手の雨パストッパーとしても使われることも。
メジャーなポケモンに得意な敵が多い。

ペリッパーはSMで特攻上昇、特性が「あめふらし」に変わるなど大きなテコ入れが行われ一気にメジャーに躍り出た雨パの新しい雨始動役。
「おいかぜ」、雨下必中「ぼうふう」、「とんぼがえり」など優秀な技を多数持つが、素早さが低めで低耐久な事には注意。
ルンパッパは優秀なタイプに「すいすい」、「ねこだまし」の存在などもあり、第3世代から常に雨パのエースである。

特にメジャーなのがウォッシュロトム、ヒートロトム、カットロトム。
いずれも攻撃範囲の広さや受け出し性能の高さ、また豊富なサポート技を持つことからパーティの補完からエースまで多彩な活躍をする。
シングルと違いそこまでサイクルは重視されないため、ボルトチェンジは覚えていないことも多い。

特性3種全てがダブル向きで、専用技もダブルで真価を発揮するダブルで使ってくださいと言わんばかりのポケモン。
素早さが低く「せいしんりょく」で「ねこだまし」に強いのでトリパの始動役として優秀。
またなんと言っても、対象が直前に使った技をもう一度使用させる専用技「さいはい」により、味方の強力な技を連続で打たせるというヤレユータン独特の動きが可能。

ダブルバトルではあらゆる環境においてドラゴン最メジャー級ポケモンとして君臨。
「いかく」はもとより、バンギ対策に多いかくとうに強くグロスをほのおで焼ける。「りゅうせいぐん」の威力も高い。
ORASではメガシンカを獲得。特性がスカイスキンに変わり、「すてみタックル」や「ハイパーボイス」などの強力なひこう技を使えるようになった。

3大エスパーの一匹。ルビー・サファイアで登場以来常にダブル最メジャーに君臨したポケモン。メタグロスが使用可能な環境でこいつを見ない日はまずないと言っていいほどであった。
需要の高い鋼タイプであり、高火力高耐久の為どんなPTに入れても仕事が出来る。
BW爆発弱体化、強力なほのお・みず・でんきポケが増えたのが逆風となったが依然高い使用率を誇った。
ORASでメガシンカを獲得し、素早さが大幅に強化され、サンムーンではフェアリーに有利という点で更に数を増やした。

BWの準伝説。
霊獣フィルムに変化し、素早さの低下の代償に攻撃が大幅に強化して特性が「いかく」に変化。
高い火力に有用なサブ技を覚える、優秀ないかく、とんぼ返りで後続に繋げたりと、使用可能な環境では圧倒的な使用率を誇った。
じめん技とでんき技が無効という点も魅力。

SMに登場した準伝説。
耐性も攻撃面でも優秀なフェアリー&水の複合タイプで「だくりゅう」「マジカルシャイン」と全体技を使える。
フィールド効果は火力強化では無いが、「でんじは」等の状態異常を起こす変化技等を無効化する。

攻守両面で優秀なタイプ・トリパ適性もあるS・「ねこだまし」持ち等ダブル適性が高いポケモン。
隠れ特性「いかく」解禁後はさらに評価が跳ね上がり、使用率が常に50%を上回るほどの最メジャーポケモンとして君臨。同じいかく持ちのランドロスとの相性補完もそこそこ。
「とんぼがえり」「すてゼリフ」「バークアウト」等も有効に活用できる。

「まもる」を貫通する特性、急所確定のため「いかく」や壁が気にならない専用技、さらには先制技まで使える。ダブルの基本である「まもる」による縛りの解除を拒否する特性が極めて強力で、読みの負担も減らせる。
「いちげきのかた」「れんげきのかた」の2種が存在するので何をしてくるかも予測されにくい。

全ポケモン中最速、特性によりでんき技の火力も高い。「エレキネット」による素早さ操作や「でんじは」「かいでんぱ」などの妨害もできる。



【歴代のダブルバトルの猛者たち】

猛威を奮ったがソードシールドに登場せず使用不可能となった、もしくは最メジャー格であったが仕様や環境の変遷によって地位を失ったポケモン達を紹介する

3大エスパーの一匹。
素早く耐久も低くない。
何より強化アイテム持ちの流星群の威力がぶっ飛んでおり、並程度の耐久では等倍でもあっさり落としてしまう。
特殊耐久調整の的はまずこいつの流星群。物理はグロス。
ジュエル廃止、あくタイプの強化やフェアリーの登場などが逆風となり数を減らした。

3大エスパーの一匹。
HP防御120特防130と驚異的な耐久を持ち、シュバルゴのメガホーンやラティオスのジュエル流星群も耐える。
「でんじは」「こごえるかぜ」「トリックルーム」「てだすけ」「しんぴのまもり」「サイドチェンジ」etc...と有用な変化技を沢山覚える。
メタグロスとのコンビを中心に据えたクレセグロススタンは第4~6世代に大流行した。

ブラック・ホワイトで一般ポケモンとして初めて特性「あめふらし」を獲得し、雨始動役として流行。
当時は特性によって始動した天候は永続であったため、対策してないと詰んだ。
ぺリッパーの登場後は使用率も落ちたが、「アンコール」や「ほろびのうた」など独特の強みを持つ。

特性「すいすい」と高威力のみず技で場を制圧する雨パのエース。
一般ポケモンの「あめふらし」解禁によって大きく躍進を遂げた。
トリックルームには要注意。

SMに登場した準伝説。
特性によってダブルでの採用率が高い「ねこだまし」をはじめとした先制技を封殺する為、相手を縛る事ができる。
同じくエスパー技の火力を高めるのでアタッカーでもいける。
ただし先制技を無効化する効果はこちらにも及ぶのでPT構築する際は注意。

特性「いろめがね」をスキルスワップでカイオーガに移し、カイオーガが本来不利な相手であろうとしおふきの威力を上げて突破する「モルオーガ」が第七世代の禁止級ありルールでは猛威を振るった。
剣盾ではシンボラーが代役を務めている。

【ダブルバトル用の特性とその所持者】


■ダブルバトルでのみ効果を発揮する特性
  • いやしのこころ
ハピナス、タブンネ、メガタブンネ、ママンボウフレフワン

  • かがくのちから/レシーバー

  • きょうせい

  • テレパシー

  • バッテリー

  • パワースポット

  • プラス/マイナス

  • フラワーベール
フラージェス、キュワワー

  • フレンドガード


■ダブルバトルでシングルバトルにはない効果を発揮する特性の例
  • アロマベール
フレフワン、マホイップ

  • ひらいしん

  • フラワーギフト

  • ものひろい

  • よびみず



一見複雑そうに思えるが、やってみると単純かつ奥が深い事がわかるはずだ。
お気に入りのポケモンにまもるを覚えさせて是非一度挑戦してみて欲しい。
新たな世界が見える事間違いナシである。


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最終更新:2024年12月13日 17:14

*1 これは性質上いわゆる「受け」が成立しにくいため、1試合あたりの時間がシングルより短いことが考えられる。

*2 ファイアローの攻撃ではウーラオスを倒しきれず、返しの「インファイト」でドドゲザンは倒され、ファイアローもゲンガーの技次第ではダウンする、という理屈。