東仙要

登録日:2009/07/11(土) 15:38:05
更新日:2024/12/23 Mon 22:57:18
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私の歩む道こそが、正義だ





東仙 要  
とうせん かなめ

[職業]死神
[肩書]瀞霊廷護廷十三隊九番隊隊長
    瀞霊廷通信編集長

 [羽裏色]枯竹色
 [身長/体重]176cm/61kg
 [誕生日]11月13日
 [斬魄刀]清虫(すずむし)
  〔解号〕鳴け「清虫」
 [卍解]清虫終式・閻魔蟋蟀(すずむしついしき・えんまこおろぎ)
 [CV]森川智之


漫画『BLEACH』の登場人物。

 目次


 概要


護廷十三隊第九番隊隊長。瀞霊廷通信編集長も兼務。約100年前は九番隊第五席。
ゴーグルをつけた生来盲目の褐色肌の男で、コーンロウとドレッドヘアが特徴。
盲目だが相手の体格や表情を認識することは出来るらしい。

かつて慕っていた死神の女性が、死神同士のトラブルで殺害されたことを機に、彼女の正義を貫くために自らも死神となった。
何事にも「正義」を優先させる平和主義者であり、瀞霊廷の秩序を乱すことを是とせず無益な戦いは好まない。
そのため、生来の戦闘狂であった更木剣八とは馬が合わなかった。
戦いに対して彼が一貫して持っている信念は、副官の檜佐木を始め多くの隊士から敬愛されている。
また、七番隊隊長の狛村左陣とは親友の間柄である。

瀞霊廷通信では「正義の道」というコラムを持っていて、編集長特権でこのコラムが打ち切られることはなかった。
当初は東仙自身の持論を展開するだけのコラムになっていたが、後に料理のレシピも追加で載せるようにしたところ、女性死神たちから大評判になったらしい。


100年前は同じく九番隊に所属し、当時の隊長・六車拳西の直属の部下だった。
ガスマスク風の仮面を装備していた他、髪型はヒトデのようになっていて、かなり変。


 斬魄刀


◇─ 始解「清虫(すずむし)

解号-「鳴け()~。」

鍔に輪がついたタイプの斬魄刀
輪の辺りから超音波を出し、聞いた相手を昏倒させる能力を持つ。
この音波を出すと、鈴虫が大量によって来るらしい…。

東仙が浅打を一から自分の斬魄刀へと昇華させたものではなく、彼の亡き友人「歌匡」から受け継いだものである。
斬魄刀の形状自体は歌匡が持っていた頃と変わらず、斬魄刀の銘も同じく『清虫』である。

  • 清虫弐式(すずむしにしき)紅飛蝗(べにひこう)
刀身を巨大な針状に分裂させ、それら全てを上空から標的めがけて撃ち放つ。

◇─ 卍解「清虫終式・閻魔蟋蟀(すずむしついしき・えんまこおろぎ)


鍔に付いている輪が巨大化・分裂し、周囲に展開されて巨大な黒いドーム状の空間を作り出す卍解。背景には九相図(死体が朽ちていく過程を描いた絵)の漢字が並んでいる。
この空間内にいる者は視覚、嗅覚、聴覚、霊圧感知能力を完全に遮断され、無明の地獄へと突き落とされる。
百年前の時点で既に修得していたが、この時点では聴覚を封じることはできなかった。

この呪縛から逃れる方法は、斬魄刀「清虫」の本体を持つこと。
あくまで「柄の部分を手で握ること」が条件のようで、斬られたり貫かれるだけでは戻らない。

本編では剣八相手に初披露。東仙は卍解後、ヒット&アウェイを主体とする戦法をもって剣八を翻弄したが、
剣八は触覚は遮断されないことを活かして「切っ先が当たった瞬間、致命傷となる部位に当たらないように身体を躱す」という方法で致命傷を避け続け、
やがて東仙の卍解に慣れ始めた剣八の「致命傷にならない部位をわざと東仙に貫かせてカウンターを狙う」戦法によって東仙は斬り伏せられて重傷を負い、その結果卍解は解除されてしまった。

非常に強力な卍解だが、触覚とBLEACHで最も重要な「霊圧そのもの」は全く封じない。
つまり相手の実力や行動自体には何一つ制限をかけられない
知覚のみ封じて行動を縛らないことで相手を混乱させ、無明の地獄で一方的に攻撃されて自分は動けるのに反撃できないという恐怖を与えるのがこの能力の真髄で、普通なら十分強力な効果を発揮する。
それを逆手に取られ、相手が知覚を封じられても平気で攻撃して来れば普段通り防御しなければならず、使用者が攻撃を受ければ普段通りにダメージを受ける。
剣八の「無明の空間でも普通に動けることを利用して上手く攻撃する」という立ち回りはかなり強引ながら、真っ向から挑んで的確に弱点を突いた戦法であったと言える。
作中の過去編で未完成ながらもやっていた様に、背後からなどの不意打ちで卍解を展開し、その後の一撃で決められた場合はほとんどなす術がないが、
ドームの展開にやや時間がかかることを考えると、正面から使用した場合、相手との距離にもよるが展開完了前に効果範囲内から逃げられてしまう危険性がある。
剣八は斬り合うことばかり考えていたためにその場に留まっていたが、この能力を知る狛村は卍解発動直前にドームの展開範囲から離脱している。
また、ドームそのものを破壊されても卍解は解除されると思われるため、内側からドームを破壊できるだけの霊圧を持つ敵には恐らく通用しないと見ていいだろう。
とにかく本来なら相手を見極めタイミングよく使うことで相手を完封できる卍解なのに、滅法相性の悪い戦術を仕掛けられたのが活躍できなかった要因といえる。


 活躍


尸魂界編では他の隊長格と共に隊舎集会にて初登場。
その後、一護に味方する剣八らを狛村と共に排除しようとする。
卍解を繰り出し優位に立ったかと思われたが、剣八のあえて攻撃を受ける捨て身の戦法で居場所を特定され、敗北する。
この時の剣八はさらに狛村と十分戦えるほどの余力を残していたため、東仙の実力に首をかしげた読者も多いだろう。*1




しかしこの後、物語は急展開を迎える。





東仙要は、藍染惣右介の部下だった。



護廷十三隊の死神たちは全員、藍染の「鏡花水月」の解放を目にしていたことで完全催眠にかかっていた。
そして、盲目であるが故にその術にかからない(と思われる)東仙は味方に引き込まれている。
ちなみに一度始解を見せてさえいれば、個別に催眠内容を変えるなどの応用性もあると思われるため…(明言されていないがそうでなければ説明できない場面が多い)
彼を仲間に入れた経緯は小説『BLEACH Can't Fear Your Own World』にて詳細が語られている。
ちなみに剣八に思い切り負けたのは事実である模様。正義厨なので剣八と反りが合わないのも素だった模様。

彼が謀反に手を貸した理由は、友人を殺した世界そのものへ復讐するため。
発端となった人物個人ではなく世界そのものを憎むようになったのはこの世の成り立ちに対して度し難い怒りを覚えたからだという。実はそれこそが東仙の友人が生贄として選ばれた発端だったのだ。

藍染の謀反発覚後は彼や市丸と共に虚圏へと消えた。



虚圏へ移動してからは、虚圏統括官の肩書を得る。
生来の「正義」思考は激しさを増し、グリムジョーに対しても敵意をあらわにする。

そうだ…大義だ

貴様の行いにはそれが無い

大義無き正義は殺戮に過ぎない

だが大義の下の殺戮は…

正義だ

命令違反して戻って来た彼の左腕と刻印を吹っ飛ばしたのは東仙。
卍解での月牙天衝さえも多少出血しただけでガードに成功したグリムジョーの腕を易々と切り落とし、鬼道で一瞬で焼き切ってしまう辺り何だかんだ実力は確かなようだ。

純粋な性格の持ち主はお互い惹かれ合うものらしくワンダーワイスには懐かれていた。

100年前の段階では既に藍染のもとにおり、魂魄消失事件の調査に向かった拳西たちを襲う。
同僚たち全員を殺害した後、拳西と白を虚化させ、また始末特務部隊として駆けつけたローズたちも襲っている。



空座町襲撃の際にも藍染らと共に参戦。
藍染に斬りかかった平子を襲うが、狛村と檜佐木の前に阻まれる。

この時は虚の力を得ており、頭部をスッポリと覆う白くて丸みのある虚の仮面を付けていたため、読者から「卵」と呼ばれた。
ブチギレると口元が歪に割れ、中にある口がのぞく。
当初は顔に仮面を出現させたため仮面の軍勢のような存在であるかに思われたが、
帰刃や超速再生の能力も身につけていて、どちらかと言うと破面のような存在になっていた。
またよく見ると、体の一部にも仮面がついており、仮面の軍勢以上に虚に近付いたことを暗示するようなシチュエーションになっている。
藍染がより理想とした形に近づいた結果だろう(少なくとも最終的には自身が虚化する気はなさそうだったが)。

内なる虚に呑まれた状態に似ているが、ニセ空座町での狛村戦では終始「正義」は何かのやり取りをしているなど自我を失ったわけではない。
元々そういう思考の元で行動していたと思われるため(他の考えを否定した狛村も彼の怒りや憎しみには理解を示していた)、概ね正常な状態に保たれていると思われる。
虚化の影響でより内実ともに虚に近づきすぎて多少性格が歪んだ可能性もあるが、逆にいえば影響があっても多少程度のもので行動がブレるほどではないだろう。


色々と言ってはいたがひたすら正義について発言・考察していた彼らしく、最終的には「正義とは言葉では語れぬものなのだ」という結論に達していたらしい。

因みに狛村や檜佐木からは友を裏切ってまで過ぎた力(虚の力)を得たことについて堕落と批判されたが、
本人は復讐対象の組織(死神社会)に迎合して、安寧な暮らしに満足して復讐しないことのほうがよほど堕落という考えに至っており全く気にしていなかった。

また、これらの発言からまがりなりにも居心地は悪くなかった風にも受け取ることができるため、
狛村や檜佐木のことは悪しからず思っていた様である。


二人に対し虚化、帰刃した状態で闘い、狛村を終始圧倒していたが、
瞬歩で頭部に移動されるまで檜佐木の存在に気付けず、「風死」を喉に突き立てられて敗北する。
(檜佐木曰く、目の見えない頃の東仙なら回避出来ていた)

虚化の影響で即死は免れ、落ち着きを取り戻して最後目の見えるうちに二人の顔をよく見ようとしたところで、藍染の手により狛村たちの目の前で破裂、死亡する。

前述した小説では、藍染のこの行動が東仙の生前の願いによるものであり、彼なりの腹心への慈悲だったことが明らかになった。
また例え勝利して生き残ったとしても藍染の作る新たな世界に自分のような憎しみに囚われた者は相応しくないと感じていたらしく自害する覚悟だったという。*2



 帰刃(レスレクシオン)




人は皆すべからく悪であり
自らを正義であると錯覚する為には
己以外の何者かを 己以上の悪であると
錯覚するより 他にないのだ

確信した正義とは、悪である
正義が正義たり得る為には
常に自らの正義を疑い続けなければならない

(BLEACH44 VICE IT)


◇─ 「狂枷蟋蟀(グリジャル・グリージョ)


解号は「清虫百式(すずむしひゃくしき)~。」
斬魄刀が消滅し、四枚の巨大な羽、黒い毛に覆われた巨体、六本の細い脚、土偶のようなデカい目を持つ巨大な昆虫の姿になる。
キモい。ひたすらキモい。

虚閃を放てたり超速再生能力が強化されるなど、破面そのものになりつつある。
巨体に似合わぬ俊敏なスピードで飛び回ることが可能。四本ある手の内の一本で明王の斬撃を受け止めてしまうほどのパワーも持つ。

そしてこの状態の最も特筆すべき特徴は、東仙の視力が回復しているということ。
しかしこの視力を取り戻したことでハイになってしまい、周囲の気配を感知することを怠ったがために、檜佐木の接近を許し敗北した。
副隊長と言うか自分の元副官の、しかも始解による不意打ちで負けるなんて…。
また前述の通りキモい姿になった東仙だが自身は初めて肉眼で見た狛村について「醜い」と評しており、
視力を得たことで逆に目に見えるもの以外は分からなくなるのは皮肉としか言いようがない。

ちなみにこれよりも元の清虫終式・閻魔蟋蟀の方が強かったのでは?とよくつっこまれているが、
この時の状況は周囲で戦いが展開されている・敵の死神が広範囲にばらけている・敵の数が多い・閻魔蟋蟀の能力を知られている…などから、
展開しても破られたり対策される可能性が高く、味方の邪魔になる可能性もあったので、正しい判断だったと思われる。*3

◇─ 「九相輪殺(ロス・ヌウェベ・アスペクトス)
「清虫」の始解の破面化版。音波で攻撃する。
「黒縄天譴明王」を一撃で倒す破壊力を誇る。

◇─ ラ・ミラーダ
両目の先に二つの虚閃を作り、それを一つにまとめて発射する。



 謎


  • 生来視力が無いと言っているのに虚夜宮で監視モニターを眺めていたり、友人の輪郭は分かっている風だったり、雲が好きだったりと、ちょくちょく怪しげな表現が挟まる。
    • しまいには自身の回想の友人の輪郭に「これは誰だ」と繰り返す。
    • 目が見えないのに相手の表情などが分かる。霊圧知覚でそこらが分かるのかもしれないが…。



わたしの行う追記・修正こそが正義だ。

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最終更新:2024年12月23日 22:57

*1 もっとも連載当時はまだ十三隊の掘り下げが行われておらず、各隊長にどの程度実力差があるのか分からなかったところも影響している。

*2 剣八との戦いで敗北すると共に忠告を受けたことで、自分が死ぬと分かっていて彼に突っかかったのも、友を裏切り復讐に囚われる前に死にたいという思いがあったからなのかもしれない。

*3 見た目はアレだけど狛村を力押しで完全に圧倒するほどの能力を有するし。