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カイン・ハイウインド

登録日：2009/05/27(水) 01:51:15
更新日：2024/10/10 Thu 05:47:33
所要時間：約 7 分で読めます




行くか、セシル

あてにしてるぜ、カイン

フッ、まかせておけ

FINAL FANTASY Ⅳ、その続編FINAL FANTASY Ⅳ THE AFTER YEARS 月の帰還の登場人物。
ガリとの愛称で呼ばれる事もある。理由については後述。


概要

以下のデータはFINAL FANTASY Ⅳの時点のデータである



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声優：山寺宏一（DS版以降）
性別：男
年齢：21歳
身長：183cm
体重：61kg
出身：バロン
利き腕：左
属性：ポニーテール
ジョブ：竜騎士
専用アビリティ：ジャンプ
(空中に飛び落下と共に敵に「たたかう」の2倍のダメージ。このアビリティはFF4本編と続編FF4TAでも共通して使用している。)

素顔を見せたことは当初なかったが、イケメンであるとDS版の攻略本に書かれている。

バロン王国竜騎士団隊長でセシルの親友。
またローザとは幼なじみの関係。
ローザの父親とカインの父親が親交があったので、ローザとは家族ぐるみの付き合いをしている。
シドとも古くからの付き合いである。

父親はカインが幼い頃に病死している。(母親については不明。)
父親もかつては竜騎士団隊長であり、竜騎士になったのは父の後を継いだ形だが、騎士団隊長になったのはカインの実力によるもの。
作中設定では親子2代で隊長というのは長い竜騎士団の歴史において初めてであるとのこと。

性格は真面目で友情に篤い。
ただ、セシルよりはリアリストな一面も。


戦闘

戦闘においては槍の攻撃力が高く、「ジャンプ」によりさらに高いダメージを与えられる。
槍以外にも一部の剣も装備できる。
鎧も装備できるため、耐久力もあり優秀なアタッカー。
「ジャンプ」で一部の攻撃を避けることができるのも優秀。
飛び上がってるときに敵を倒すと、勝利画面でカインがいない状態になってしまうのはご愛敬。


以降、ストーリーのネタバレを含みます。


FINAL FANTASY Ⅳでのカイン


ミシディア襲撃に異議を唱え、バロン王の怒りを買ったセシルを庇い、セシル共々ミストに出現するという幻獣討伐に向かわされ、ボムの指輪の事件の後行方不明になる。

その後はファブールのクリスタルルームでセシルと再会するが、再会を喜ぶセシルに問答無用で襲いかかって彼を打ち負かし、ファブールの風のクリスタルを奪い去ってしまう。彼はセシルを裏切っていた…と言うわけではなく、この時点で彼はゴルベーザに洗脳されてしまっていたのだ。

その後、土のクリスタルを手に入れたセシル達一行をゾットの塔へ案内し、テラの命懸けのメテオの余波を喰らったおかげでゴルベーザの洗脳が解け、再びセシル達の旅に同行する。

……しかし、地底の封印の洞窟脱出直前にゴルベーザにまた洗脳されそうになり……


だいじょうぶだ‥‥
おれは　しょうきに　もどった！

のセリフと共に結局洗脳に打ち負け、最後の闇のクリスタルを奪ってパーティーから離脱し、ゴルベーザに届ける。

「おれはしょうきにもどった！」について

その後はバブイルの巨人の中でフースーヤの術によってゴルベーザのゼムスによる洗脳が解かれた為、連鎖して彼にかけられた洗脳も解け、セシル達をバブイルの巨人から脱出の案内をする。

後に、洗脳されるきっかけが、セシルへの劣等感や、セシルの恋人であるローザに自分も恋をしてしまった罪悪感による心の弱さだったことを知る。
そして、己の未熟さを痛感した彼は全ての元凶ゼムス（ゼロムス）との決戦に臨む。

青き星に平和が戻った後は、己を心身共に鍛えるためにミシディアの試練の山での長き修行を始める。

GBA版以降のリメイクでの追加ダンジョンではカインの視点でセシルとローザが仲良くしているのを見せられるという色々と辛い試練イベントが追加。

試練の果てに殺人を犯しセシル達を襲ったのは、彼らを妬ましく思う自らの心の闇であることがわかる。
最後の選択次第では幻とは言えセシルを殺すことができる。
こっちを選ぶと闇が誰かさんみたいに叫ぶ。

わかったろう？どんなに偽善者ぶった*2ところで俺がお前の正体なのだ。
俺こそが、お前なのだ……！これからも、ずっとな……。
フハハハハ……。ヒャアハッハッハァ……！！

ただしこれを選んでもゲーム的には何の利点もないため、選ぶだけ損。
セシルを殺すことを拒否すれば、カインは自身の闇を否定。試練のボス「ダークカイン」とその正体である「ルナバハムート」と戦うことになる。
しかし、試練終了後も無理してるようにしか見えない。

これで……これでいいんだ……そうだろ……カイン……？
……
これでいいんだ……そうだろ、ローザ……　そうだろ……セシル！

これが続編への布石となる。


FINAL FANTASY Ⅳ THE AFTERでのカイン


魔導船が月に飛ぶという事態が起き、ミシディア長老はミシディアのクリスタルの安全対策のために試練の山にいるカインの力を借りようと考える。
長老によって試練の山に派遣されたポロムだったがアンデッド集団に襲われ、その際にカインによって救出される。

ミシディアに戻ったカインは魔物に襲われた長老を救出するも、直後に現れた謎の少女に「クリスタルを渡すことを条件にセシルを殺害させてくれ」と要求する。

その後、カインはファブール、ダムシアンのクリスタルを入手。バロンから避難していたローザをも手中に収め、「セシルをローザの目の前で殺すのだ」と声高らかに笑いながらバロン城へ向かう…。

前作とは明らかに人格の異なるカイン。
実は、そのカインは我々の知る前作までのカインとは別人だった。

試練の山でカインも心の闇に悩んでいると思ったセシルの父クルーヤは自分の祠へ導く。そしてカインの心を善と悪（実際はローザへの執着の塊*3)へと分散させ、聖騎士の試練を与える。

しかし悪カインは強すぎた。
善カインを撃破した悪カインはクルーヤの祠から飛び出してしまう。
悪カインがポロムを救出したのは「ローザと同じ白魔導師である」という理由のためであった。

その後、残された善カインは事態の収拾をつけるため「謎の男」として悪カインを止める行動を開始する。
善カインは鎧を脱ぎターバンとマントを着ける。（悪カインは従来通りの竜騎士の姿をしている）
実際謎の男は槍ではなく剣を装備しているため、カインであるかどうか確信が持てなかったプレイヤーも多かった。

試練の山周辺に墜落した赤き翼の生き残りであるセオドア（セシルとローザの息子）が魔物に襲われているのを救出。セオドア一人では旅は無理と判断したのか同行し、ミシディアへ向かう。

その後、デビルロードを使いバロンに到着するが、そこで洗脳されたセシルと邂逅する。
セシルと会った後、危険を察したカイン一行はミスト経由でシドとローザが避難しているというダムシアンに向かう。
しかし、ダムシアンに着いた時には既に闇カインの手にローザは落ちていた。

シドのエンタープライズにギルバート、セオドアと乗り込んだカインはバロンに急ぐ。
バロン城の悪カインに追いつき、一騎打ちの末、悪カインに勝つ。
その際に「悪カインも自分である」と考え

「私はお前を受け入れる！」

と宣言して一体化し、聖竜騎士となる（奇しくもこのイベントは前作のパロムとポロムの伝説の名シーンの場所で行われる）。

その後、青き星を飲み込もうとする「真月」を止めるためにカイン一行は魔導船に乗り込む…。
終章前編のボスラッシュでは専用会話が多い。
特にバルバリシアとは関係性をいろいろ想像させるちょっとした専用会話があるため連れて行くことを推奨。

因みにチャレダンで念願の（？）セシル抜きでのローザとの旅を満喫した（但しシドとセオドア付き）。

聖竜騎士になったカインは白魔法が使えるようになる。
しかもセシルと違ってヘイストが使えるので、シド、ローザなどの足の遅いバンド技メンバーを加速できるのはかなりの強み。
チャームポイントは左右に可愛く揺れるポニーテール。また、素顔も見られるようになる。
聖竜騎士のほうが成長率がいいため、謎の男の間は転がしておくプレイヤーもいる。

FF4TAの主人公はセオドアという設定だが、善・悪カイン共に出番が多く、そして何より前作の聖騎士イベントを彷彿させる聖竜騎士イベントから、真の主人公はカインであると言う声も少なくはない。
エンディング後はバロンに戻り、赤い翼部隊長となり、セオドアと共に復興支援に向かうところで幕が閉じる。

前作での不遇っぷりやリメイク版のあんまりにもあんまりすぎるの個別の試練イベントの反動か、かなり高待遇であった。
余談であるが、彼は既に低く見積もっても30歳を越えており、父親はただの竜騎士である。そのため、白魔法が使える理由がこういうことではないか……とネタにされてしまっている。

また、何故か二次作品等ではローザではなくパーティーをたまたま組んだだけで、バンド技の組み合わせすらないポロムと絡まされる事が多い。
  • セシル×ローザ→セオドア
  • パロム×レオノーラ
となった余り物同士だからだろうか？

また、セオドアの師匠ポジションともなっているため、ピッコロさんっぽいという声も。


DISSIDIA 012 FINAL FANTASY

キャラコンセプトは原作通りのアビリティ「ジャンプ」を駆使したポジションメイカー。
EXモードの「聖なる半身」ではTAの聖竜騎士の姿へと変わり、EXモード限定アビリティの「竜剣」を使えるようになる。しかし、何故か髪型がポニテではなくなっている。おそらく原作EDの兜を外した姿と聖竜騎士姿の折衷案と思われる。

EXバーストはプライドオブドラグーン。決めポーズではSFC版FF4のロゴと同じという見事なファンサービスぶり。
また、お楽しみのサード衣装はTAでの謎の男としての姿。

高威力の技が多いが当てにくいため、アシストの補助は必須。
キャラランク的には中堅といったところ。

発売前に公開されたPVでは味方であるバッツを倒しており、心配して駆け寄ってきたライトニングを後ろから不意打ちをするなど、またしても彼の裏切りを予感させる内容である為、「ま　た　お　ま　え　か」と言われていた。

流石、裏切る事に定評のあるカイン…と言われていたが、実はカインはゴルベーザに「神々の戦い」の真実を聞き、次の13回目の戦いでコスモスが勝てる様にWOLと計画を建て、コスモス側の戦士を眠らせ匿っていた。
つまり裏切ってはおらず、進んで汚れ役をしていた。

後に事情を知らないティファを口をつむぎつつ同行させ、ライトニングらと再会して次元の扉を壊すための旅に同行し、みんなのアシストキャラとして尽力した。
目前でゴルベーザ、エクスデスに対しても一人で打ち勝ち、次元の扉でもボロボロになりながらも援護すると言って特攻していった…

ちなみにレベル100時の必殺技のシークレットボイスは「おれは しょうきに もどった！」。
ちゃんと平仮名である。


DISSIDIA FINAL FANTASY アーケード/DISSIDIA FINAL FANTASY NT

当初参戦してなかったが、アプデで追加。
SPEEDタイプで相手の位置によって得意不得意がはっきり分かれる初心者向けのキャラ。
EXスキルはやはりジャンプで、段階に応じて性能が変わる。

NTにも搭乗するも当初はストーリーがなかった。
後に追加され、次元喰い(神竜)との戦いの後に召喚され、セシルとのやりとりを披露している。
その関係でなんと裏切らない。


LORD of VERMILIONU

本作にも参戦。
特殊技はジャンプ。
原作とは違い、技ムービー中にジャンプし、槍を地に突き立てるためジャンプ中に戦闘が終わることはない。
また、同じく参戦しているゴルベーザ四天王の一人、バルバリシアに対しては攻撃属性の関係上有利。
このあたりは原作通り。


余談

たまに彼はガリと呼ばれるがこれはFF11の竜騎士があまりにも弱く、各ジョブ代表が寿司を食いに行く話で竜騎士はガリ（紅生姜）しか食えなかった…というネタが由来。
詳細はこちらの項目を参照。


裏切りばかりネタにされるカインだが、自らの意志で本当に裏切ったことは一度もない。
カインにローザへの想いから来るセシルへの嫉妬心などがあったのは事実だが、セシルの実力・人格を認めているカインはそれを決して表に出さずに心の奥で抑えていた。
そこをつけ込まれて洗脳されてしまったので厳密には悪堕ちと言う方が正しい。

また、カイン自身も強く責任を感じており、また洗脳されないかと疑うエッジに対しては「その時は遠慮なく俺を斬るがいい」とまで言っている。
実際、エッジが疑ったのも当時カインと出会ったばかりであまり面識が無い状態で敵に回る展開を見せられたからで、カインの人柄を知った続編ではエッジは「カインはそんなことをする奴じゃない」と裏切りを否定していた。

この「敵に回ったように見えるが、本当の意味で裏切ったことはない」と言う扱いは外伝等でも徹底されている。
  • FF4TA：敵に回ったのは悪のカインで、本当のカインは終始味方。
  • DDFF：次の戦いのために味方を眠らせていただけで、汚れ役を買って出ただけ。

余談だが竜騎士が他人の恋人や妻に横恋慕する展開はFF2のリチャードの時点で既に行われていた。
そしてリメイク版FF2において横恋慕した妻の子供の名前が「カイン」、FF4のリメイクで父親の名前が「フィリップ」(リチャードが横恋慕した妻の夫の名前)であるという後付けが行われた。


ちなみにDS版以降でカインを演じている山寺氏は後のFF作品でガチの裏切りキャラを演じている。こちらは長年に渡って所属する組織を欺き続けていた筋金入りの裏切りキャラである。


「おれは へんしゅうに もどった！」


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最終更新：2024年10月10日 05:47

*1 変な宗教にはまってしまった人をなんとか諦めさせようとしたら「自分は正気」「昔の自分がおかしかった」だの言われるようなものである。

*2 原文ママ。PSP版以降は「善人ぶった」に修正されている

*3 小説版では、本気でセシルやローザを殺すつもりはなく善のカインに自分を殺させるよう仕向けていた節があり、自罰感情の化身だったような解釈となっている。