レジスチル

登録日:2011/06/11 Sat 15:25:24
更新日:2024/11/02 Sat 11:21:33
所要時間:約 4 分で読めます





あらゆる金属よりも硬い体。体の金属は硬いだけではなく伸び縮みする正体不明の物質。

レジスチルとはポケットモンスターシリーズにルビー・サファイアから登場するポケモン

■データ


全国図鑑No.379
分類:くろがねポケモン
英語名:Registeel
高さ:1.9m
重さ:205.0kg
タマゴグループ:未発見(性別不明)

タイプ:はがね
特性:クリアボディ(相手の技や特性で能力を下げられない)
隠れ特性:ライトメタル(自分の体重が半分になる)

HP:80
攻撃:75
防御:150
特攻:75
特防:150
素早さ:50
合計:580

努力値:防御+2、特防+1


■概要


レジアイスレジロックと共に古代人の手でホウエン地方各地に封印されていた伝説のポケモンの一匹。
封印されていた具体的な理由は今のところ不明。

三匹合わせて通称「レジ系」と呼ばれている。


金属で構成されるずんぐりした人型(ロボット?)のような姿を持ち、足が異様に短く、他のレジ系同様に顔は点線の記号のようになっている。
大昔にレジギガスの手により、特殊なマグマから作られたらしい。

その全身の金属は地底の圧力により何万年も鍛え上げられていたため、他のどの金属よりも頑丈で、地球上には存在しない物質で構成されているらしい。
更に固さだけでなく伸縮性にも優れているという。なんだこのチート物質。
というか、身長1.9メートルの金属の塊なのに体重が205キロしかない時点で色々異常。

また研究によると身体の中は空洞になっているらしく、レジロック同様にどういう原理で生命活動を行っているのか全く不明。
その丸いフォルムからかレジ系の中では比較的かわいいと言われることが多いらしい。


■ゲームでのレジスチル


120番道路の「こだいづか」に封印されている。
ここの入り口は最初閉まっているが、134番水道にある「おふれのせきしつ」にて点字の暗号を解くと他のレジ系の封印場所と共に開く。

レジスチルに会うには、この「こだいづか」内で更に暗号を解く必要があり、
ルビー・サファイア/オメガルビー・アルファサファイアでは『部屋の中央で「そらをとぶ」を使う』、エメラルドでは『部屋の中央で「フラッシュ」を使う』という条件が設定されている。
レベルは40。
なおORASではレベル技の順番が変化した都合上、出会った時点で覚えているのが「のろい」「てっぺき」「ドわすれ」「げんしのちから」という悲惨な状態。ただ捕まえる分には防御力を上げまくるのでHPの削りすぎで倒す危険は低く、攻撃頻度も低いのでボールを投げている間にこちらのポケモンが倒されることもほぼない。

プラチナでは映画産のレジギガス(テンイむら)を「こうてつじま」に連れていく事により出現。レベルは30。
倒すと防御・特防の努力値が手に入るが、これらの努力値を同時に稼ぎたいパターンは少ないため他二匹と比べてあまり稼ぎに利用されない。

BW2では一度レジロックを捕まえた後、ブラック2だと彼に会うために必要な「くろがねのカギ」が手に入る。
そしてまた遺跡に行くとレジスチルが待ち構えている。レベルは65。

USMではレジロック・レジアイス共々ウルトラスペースゼロの洞窟ステージで捕獲できる。
レジギガスはウルトラムーンなら同じ場所で捕獲できるが、ウルトラサンでは代わりにヒードランが登場する。

色違いは灰色の部分が薄い緑色になる。


■対戦でのレジスチル


とくぼう特化のレジアイス、ぼうぎょ特化のレジロックの中間の能力を持ち、物理耐久・特殊耐久ともにそこそこ優れている。
タイプも何気に貴重な単はがねタイプなおかげで耐性は十分で、しかも「どくどく」が効ない。他のレジ系と違って耐性面で圧倒的に優れている。
積み技も「ドわすれ」「てっぺき」両方備えており、上手くハマれば難攻不落の要塞と化す。上記2匹が居座る相手を選ぶのに対し、こちらは初出時は「相手をあまり選ばずに居座れる」のがメリットだった。

裏を返せば『能力値は二匹と比べて中途半端』。耐久面だけでなく攻撃面も中途半端になっており、その上はがね技の貧弱さも相まって火力は非常に低い。
そのため「のろい」や「ちきゅうなげ」「どくどく」辺りで上手く補わないと厳しい。
他二匹と違って変化技が生命線となっているため「ちょうはつ」や「トリック」にも弱い。

つまり良くも悪くも典型的な耐久型。
第三世代の頃、特にルビー・サファイアしかなかった頃は「タイプ一致の攻撃技がこれしかない」「ちょうはつ対策になる」「プレッシャー相手にもPP切れを恐れずに攻撃していける」「追加効果で攻撃力が上がる可能性がある」といった点から、
メタルクロー(威力50)の採用すら真面目に選択肢に入ったというほど攻撃面が貧弱。対戦理論が錯乱しているが、まぁ互換切り直後は色々あったんで……。
てっぺき、ドわすれ、のろい、かげぶんしんなどの優秀な技を覚えた上に「どくどく」で居座りを否定されないこと、「めいそう」などを積んでくるアタッカーに「どくどく」などを仕掛けて居座りを否定できたこと、他にも特性「クリアボディ」などから最初期の環境では「誰に出しても強気に積みに行ける」という本当に圧倒的な性能を見せた。当時の貧弱極まる選択肢で突破なんてとんでもない話、まさしく「くろがねの城」。
現在の「Lv50の見せ合いあり6→3」でもハマれば強いのに、これ以外のルール*1では耐久戦術が有利になることが多かったのでさらに猛威を振るうようになる。
当時のプレイヤーはこのえげつない鉄壁要塞を相手にバトルタワーの連勝を止められたり「電池がもったいない!」と呪詛を吐きながら、どうかいくぐるかを考えたものである。

ただしポケモンコロシアムで登場した強豪ポケモンたち、ファイアレッド・リーフグリーンでわざ教えによる「みがわり」が解禁されると事情が変わってくる。
レジスチルは当時、ダメージソースを超貧弱な攻撃技と「どくどく」に頼ることが多かったのだが、これらを「みがわり」が否定できるようになってしまう*2
そのため圧倒的に強かったのは本当に最初期だけであり、対戦理論の円熟などもあってすでに第三世代中期にはその栄光はすっかり色あせていた。

そして第四世代の到来とともに、レジスチルは「わざごとの物理と特殊の分化」「火力のインフレ」「スカーフトリック戦術の登場」「じめん・ほのお・かくとうといったポケモンが大躍進」といった大逆風を受ける。
一応「アイアンヘッド」「ラスターカノン」といった技はもらえたものの、この時期にもなるとレジスチルの評価は「中途半端な耐久型ポケモン」であり、「砂嵐の仕様変更」「ストーンエッジやロックカットなどを獲得」などの順風を受けて大躍進したレジロックとは完全に評価を逆転されてしまっていたのだ。
その後もポケモンは火力のインフレなどが続いており、一方でレジスチルは中途半端な種族値と貧弱な技しかない。劇的に立場を上昇させる強化がないまましばらく雌伏の時を過ごし続けることとなった。


耐性面こそ優秀なものの弱点もじめんほのおかくとうとメジャーなタイプが揃っているため注意したい。
ひこう複合エアームドテッカグヤには耐性はもとより変化技の使い勝手でも差をつけられているのが気になる所。
一応特性で差別化できるほか、上記2匹にはない「ドわすれ」や「でんじは」を覚える。

剣盾では新しく「ヘビーボンバー」「ボディプレス」などの有力な攻撃技を習得。
特にボディプレスはレジスチル最大の弱点である攻撃力を大きく補う技であり、とても相性がいい。
「てっぺき」、「ドわすれ」で両受けしつつボディプレスで相手を処理する構築が流行っている。
ダブル]]ではダイマックス時に相方にも効果が及ぶのを利用した戦術がささり、高い採用率を誇るようなった
シングルでもラプラスなどが壁を貼って控えのレジスチルの下準備を整える構築も増えている。

こうしてレジスチルはようやく返り咲くことができたのだった。

隠れ特性「ライトメタル」は相手の「けたぐり」等の威力を120から100に低下させるものでメタグロスハッサム よりは 特性の恩恵が大きい。
ただ所詮多少マシ程度であり、そもそも優秀な「クリアボディ」を捨ててまで欲しい特性かと言われると……。
フリーフォール」で持ち上げられるようになるうえに、「ヘビーボンバー」の採用が難しくなってしまう。
せめてヘヴィの方なら少しは変わったかもしれない。

■ポケモンGOのレジスチル


18年の7月にレイドバトルで登場により解禁された。
しかし、肝心の性能は現在解禁されている伝説のポケモンの中では最弱どころか一般ポケの最終進化のポケよりもCPが低いという悲惨な状態である。
ポケモンGOで不遇な伝説で有名だったスイクンがマシに見えるレベルである。
こうなってしまった原因は

  • ポケモンGOで重要な攻撃力が低い
  • その攻撃力は原作の攻撃と特攻の高い方が大きく反映される
  • 防御力も原作の防御と特防の高い方が大きく反映される
  • 通常技はそこまで悪くないがスペシャル技も全てフルゲージ技
  • フルゲージ技はダメージ効率が悪い
  • 伝説のポケモンはジムに置けない
  • 天候ブーストもはがねタイプは雪で発動なので現実と天候合せているため日本では冬のみ、しかも日本海側でなければ滅多に発動しない


以上のことからポケモンGOでのレジスチルはこれでもかというほど噛み合わず、現時点で活躍させることは厳しいとしか言えない。

が、トレーナーバトルの解禁で評価は変わり始める。
トレーナーバトルでは攻撃より防御が重視されタイプが優秀なレジスチルも強ポケ候補だったものの、
ゲージ技がフルゲージとだったためかゲージ技が使いにくいという点、何より解禁当初はトレーナーバトルがなかったため見向きもされず、数も少なかったので
それほど注目されなかった。同じ単はがねならメルメタルという一部に限られるが手に入れやすいポケモンがいた。

転機がきたのはロックオンの習得から。このロックオン威力はたったの1だが、ゲージの貯め能力は非常に高くしかも後隙はほとんどない。
この性能ではいくらフルゲージでも早く撃てる。レジスチルは高威力のゲージ技しかないので相手からしたら脅威でしかない。
シールドを使いきってしまっては受けるしかないのでバトル後半でレジスチルを出されたら最悪である。
やられる前にやるという戦法は防御重視のトレーナーバトルでは難しく、レジスチルはタイプが単鋼で弱点がつきにくく、レジスチルに強いタイプは防御力が低いとこれでもかというくらい環境を味方につけてスーパーリーグ、ハイパーリーグでは厨ポケの一角に名を連ねることになった。
スーパーリーグならレイド産なら少し育てるだけで即戦力になるので持っているなら育てよう。ハイパーはフル強化が必要なので注意。



■余談


その設定や封印場所等から他のレジ系と共に原爆や戦争との関係をよく示唆されるポケモンであり、有名なコピペも生まれている。

ヨーロッパ版DPではポーズが変わっている(日本版プラチナやHGSSと同じものに変更されている)。
理由はナチス関係とされている。何かと第二次大戦に縁のあるやつである。


2017年発売の拡張パック「覚醒の勇者」でのレジスチルのイラストがよく話題になる。
本来これは「エーテル財団の職員が、謎の多いポケモンであるレジスチルを研究所の中で観察・調査している、あるいはフランクに話しかけて心を通じ合わせようとしている」というシチュエーション。
しかしこのレジスチルが微妙に下を向いていること、レジスチルの肩が丸っこく腕がだらんと垂れ下がっているのでちょっとしょんぼりしているように見え、職員の態度が高圧的に話しかけているように見えることなどから『上司に叱られているみたいだ』とするネタが大人気を博してしまう。
ご丁寧に右下の説明文も「何万年も 地下の 圧力で 鍛えられた 金属の ボディ 傷ひとつ つかない。」というもの(これ自体は第四世代のもの)であり、「ハートはどうなんだ」というツッコミや、他バージョンの図鑑説明の「中身が空洞」ネタまであてがわれるなど、社会の世知辛さに触れた層に散々ネタにされてしまう。

しかも英語版プロモカードには、時系列的にこの後と思われる「エーテル財団の職員の命令でバトルに出て突撃する勇ましいレジスチル」のイラストがあるのだが、
この社畜ネタを知った後に見ると「叱られるのが嫌になって逃げだすレジスチルとそれを止める職員」のようにしか見えない*3など、本当にどこまでも丁寧なネタとして話題になったのだった。

そして余談となるが、このレジスチルのカード自体はさほど強くない。



こんなんでいいのかよ。



ついきしゅうせいをする へやの なかで きたえられた じまんの ちしきは きずひとつ つかない。

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最終更新:2024年11月02日 11:21

*1 たとえば本wikiの一撃必殺技(ポケモン)の項目でも「事前に用意した9匹から選抜するトーナメント制の身内大会」というローカルルールが説明されているが、第三世代以前(およびその時期から続いているコミュニティではその後も)ではそういうローカル化したルールは多かった。ローカルルールというと否定的に思われがちだが、そもそも対戦理論が大躍進した第四世代の「複数催眠と道具の重複禁止の6→3」だって元をただせば「5chやニコニコ動画で流行ったローカルルール」。今のように強制力と普及力を持つルールが登場したのは第五世代以降である。

*2 ただ当時のわざ教えの仕様が不親切極まりなかったため、「みがわり」「つるぎのまい」「ちきゅうなげ」「カウンター」などを満足に持てないプレイヤーも結構多かった。そりゃワイアレスアダプタという革命的な道具で通信対戦を散々やりやすくしてくれたのと同時に「1データにつき1回だけの技」の存在なんて出されたらなぁ……

*3 そもそもこのネタがなかったとしても、ちゃんと見ないと(あるいは原作を知らないと)「SMの悪の組織から逃げているレジスチルとそれを引きとめようとする職員」のようにも見えてしまう