Xラウンダー

登録日:2012/04/21 Sat 20:45:22
更新日:2024/11/08 Fri 06:51:54
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イゼルカント様は言われた……


Xラウンダーは、人類の進化ではなくむしろ退化であると。


人は再び理性を持たぬ野獣へと還っているのだと……



機動戦士ガンダムAGE』に登場する概念。



○概要

人間のの「X領域」と呼ばれる領域を解放し、先読み能力等、超常能力を発揮できるようになった人間をこう呼ぶ。

能力自体の初出は2話。
ガンダムAGE-1に同乗したユリン・ルシェルがずば抜けた先読み能力を使いパイロットのフリット・アスノをサポート。彼を導く。
その後もフリットやUEの少年デシル・ガレットが謎の能力を発揮するシーンが描かれた。

種明かしは12話。戦闘中に違和感を覚えたフリットに対し、グルーデック・エイノアが説明した。
この段階ではすでに連邦、ヴェイガン共に基礎研究は進められていた模様。

さらに研究は進み、アセム編では連邦側はXラウンダー適性試験の確立、
ヴェイガンはサイコメット・ミューセルの量産化という形で、それぞれ成果を見せている。

また、先読み能力のほか直接相手に意思を伝達したり、ファルシアビットに代表される特殊な兵器も使用できる。

発現方法は不可解な点も多いが、フリットはユリンとの触れ合いをきっかけとして覚醒した節がある。
また、Xラウンダー同士が共鳴しあうことで人数分能力を倍化させることも可能。

能力を否定的にとる一面もあり、フェザール・イゼルカントはXラウンダーを「退化」と評している。
「理性を持たぬ野獣へ還る」という台詞から、Xラウンダーの能力は動物が持つ鋭い感覚に類似していると推測される。
また現状、戦闘以外ではほとんど使われない本能的な能力であることも関係していると思われる。

実際にジラード・スプリガンが能力に呑まれ、激しい頭痛を伴う半狂乱状態に陥ってしまった。
この間は能力の共鳴により周りの能力者全てに干渉、さらに無線兵器の制御を全て奪い取る恐ろしい一面を見せた。

一点へのメリットのために他を切り捨てるという面を見れば、まさに生物学的な退化をたどっていると言える。
そのせいか、ある世界において行われた人類の進化を求めた「GA計画」ではAG世界含めほとんど切り捨てられている。

その一方、小説版では「真のXラウンダーとは本能から知啓を得るための過程」だと説明されており、
退化しているように見えるのはそもそも人類が知啓と知識をはき違えているからだとして、イゼルカントの主張も否定されている。
ただし「知啓」の域に達したのはキオのみだともされているため、大半のXラウンダーが知性を無くしていることに違いはないようだ。

実際にある荒廃した世界において、地球再生についてある人物が語るシーンでは、
地球再生のために創造する人間の中にキオらしきシルエットもいるため、彼だけは特別な存在として扱われているようだ。

能力発動時にはSEと共に画面全体が緑のエフェクトに包まれるのが特徴。特に先読みを使用する段階でよく見られる。



○能力者たち

ユリンとの触れ合いを契機に覚醒した模様。
フリット編終盤からアセム編にかけてはその能力をフル活用し、連邦のエースパイロットとして君臨することに。

父のアセムは適性がなかったが、祖父からの隔世遺伝か、キオ編一話でいきなり能力の片鱗を見せた。
そして物語が進むに連れてその能力が増幅していく。

簡易的な未来予知とでも言うべきレベルの先読みが行える。
自分の意思を直接伝達することも出来るが、相手が能力者の原石だったフリットだからできたのか、誰にでも行えるのかは不明。
いまわの際、そして死後フリットと精神世界で繋がった。

フリット編ではおそらく唯一のヴェイガン側の能力者。
ヴェイガンではXラウンダーの重要性が認識されているからか、若干7歳にもかかわらず幹部クラスの超VIP待遇を受けていた。
乗機のゼダスクロノスにはほかのMSの操縦系統を乗っ取り操作できる機能が搭載されている。

ヴェイガンの若きエース。
能力があまりに強大であるため機体が追従できず、能力を安定させる仮面の常用をしている。
後に彼の力でも追従できるガンダムレギルスに搭乗すると、仮面を外してその能力を十分に発揮した。

ヴェイガン秘蔵のXラウンダー8人によるかませ犬集団精鋭部隊。
ビームを容易く回避するなど腕は確かなのだが、最終的には隊長以外の7人が倒されている。

ヴェイガンの指導者。
テレパシー能力はもちろん、老齢ながらレギルスに乗り込んでガンダムを圧倒した。

ゼハートの副官。
パイロットとしては未成熟だが、高いXラウンダー能力でガンダム相手に互角に立ち回った。

元連邦軍のテストパイロット
能力の暴走を起こし、Xラウンダーの危険性を垣間見せた。

  • ディーン・アノン
ヴェイガンの市民。
素養を見いだされ、Xラウンダー部隊に編入されるが……


以下、トレジャースター登場人物

  • アダーラ
明確な言及は無いが劇中の描写や会話からXラウンダーと思われる。
敵意を感じ取る力を持ち、寝ていても敵の接近を察知することが出来る。

  • ルーガ
3秒先の未来を見ることができる。
ゼノ(?)搭乗時は機体が付いて来なかったが、ルーガエグゼス搭乗後は満足に力を発揮出来るようになった。

ガンダムAGE-1(トレジャースターVer.)必殺技を発動出来る力も備えている。
ノーマルの場合はビームサーベルを使った『スタースラッシュ』、
フェニックス時はソードモードの大型実体剣を使用する『スタースラッシュF(フェニックス)』が発動する。

  • リュウジ・リュウザキ
ダイキの父親で、ダイキのAGE-1の前パイロット。ダイキと同じ能力を持ち、一度だけ当時未完成のガンダムでスタースラッシュを使用した。
……と、コロコロ掲載時では説明されたが、単行本化にあたり無かったことにされた。
変わりにスタースラッシュは「ダイキにしか引き出せないガンダムの力」と説明され特別性が増した。

  • ザンギ・エール
明言も描写も無いが、搭乗機がXラウンダー専用機のゼダス系なのでXラウンダーと思われる。


唐突にXラウンダーの覚醒エフェクトを見せて視聴者を困惑させた男。



○関連用語

  • サイコメット・ミューセル
擬似的にXラウンダー能力を発現させるヘルメット。
両サイドにアンテナのような突起があり、ここにX領域に干渉するパルス発生装置が搭載されている。

当然と言えば当然だが脳には負担がかかり、ミューセルの機能を最大限発揮すると命に関わるほど。
着用中は紫のエフェクトが出ることも。

効果は確かで、ダズ・ローデンが最大出力でフリットに対し互角に迫ったほか、
一般兵も最新鋭機のアデル相手に互角以上の戦いを見せている。
このシステム自体は第一部でギーラ・ゾイが使用していた。

小説版では設定が異なり命に関わる負担があるとは言及されていない。(アセムがダメージを受けたのはドラドで使用するものを無理にAGE-2で使った反動)
代わりに使用者は凶暴化し残虐な戦闘を行うように。

実際ミューセルを使用したドラドのパイロットは病院を躊躇無く焼き払っているし、アセムも人が変わったように好戦的になった。


  • 次世代型パイロット特別訓練プログラム
フリットが発案したパイロット養成システムで、その一環でXラウンダーの適性検査も存在する。
5年以上経験があるパイロット対象だが、新兵も受けられる。
ボタン入力型のシューティングがおそらく能力適性の検査に当たると思われる。


  • スーパーパイロット
ウルフ・エニアクルの造語。
経験や腕前、センスを以てXラウンダーをも凌駕するパイロットの意。
何か特殊な能力を持つ者を指すのではなく、概念を意味する言葉。
実際にウルフはマジシャンズ8の一人を撃墜、スーパーパイロットたる所以を見せつけた。

そのウルフに師事し、「スーパーパイロットになれ」と激励されたアセム・アスノも、
ウルフを殺したデシルに怒りを爆発させた直後、Xラウンダーであるデシルの先読み能力を超える操縦技術を見せ、
デシルやゼハートをして「動きが読めない」と言わしめる戦いぶりで圧倒した。
常人でも腕と精神力次第では、決して能力者に後れを取らないことを証明したのだ。

尤も、本編の演出では流れからして火事場の馬鹿力を発揮したようにしか見えず、
「Xラウンダーと変わらなくね?」という声も。アニメ的演出を優先したと言った感じか。

ところが時代が流れ、Xラウンダーを戦場に投入する体制が完全に整った両陣営の中で、
アセムやオブライトといった、何の能力も持たない、しかし歴戦のパイロットである者たちが、
その経験や腕をもって型落ちの機体でもエース格のXラウンダーパイロットを破っていったことが、その概念の正しさを裏付けるものとなった。

キオ編では気負うことなく「スーパーパイロット」を自称するほど成熟したアセムに至っては、ヴェイガンギアとの最終決戦までほとんど無傷である。
(MEMORY OF EDENではゼハートとフルパワーで戦ったために多少損傷したが)

なお、理屈だけで考えるならXラウンダーもスーパーパイロットになれてもおかしくはないと思われる。



小説版では、第五巻にて「何の能力も持たない人間が、肉体と精神を極限まで苛め抜いて、Xラウンダーの先読みを上回る反射速度と操縦技術をもったパイロット」としている。

ちなみに小説版第五巻のアセムは、非Xラウンダーの腕のいいパイロット相手に一瞬で背後を取り、
当時のシド相手にも「ミラージュインパクト」という技で善戦し、ゼハートに「アセムを相手するよりXラウンダー6人相手したほうがまし」とまで言わせている。




スーパーロボット大戦BX』では、フリットにより各地の学校等で適性検査が義務化されている。

上述のXラウンダーが退化という設定は本作では特別拾われてはいないが、
ニュータイプバナージイノベイター玄関子アーミアが「結果が散々だった」と言っている事から、
ニュータイプやイノベイターとは別ベクトルの能力である事が示されている(劇中人物には区別せずに同一視している人もいるようだが)。

なお、ジラードもアキトの「あなたはニュータイプなのか?」という質問に対して
「人類革新のための力であるニュータイプではなく、戦闘のためのXラウンダーだ」と語っている。





イゼルカント様は言われた……Wiki篭りは、住人の進化ではなくむしろ退化なのだと。

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最終更新:2024年11月08日 06:51