ラグラージ

登録日:2010/08/16Mon 13:56:00
更新日:2024/12/11 Wed 20:17:01
所要時間:約 13 分で読めます





大型船を引っ張って泳ぐパワーの持ち主。太い腕の一振りで相手をたたきのめす。



出典:ポケットモンスター、105話『イーブイとニンフィア!出会いと再会!!』、
19年11月17日~2022年12月16日まで放送。
OLM、テレビ東京、MEDIANET、ShoPro、
©Nintendo・Creatures・GAME FREAK・TV Tokyo・ShoPro・JR Kikaku ©Pokémon

ラグラージはポケットモンスターシリーズのルビー・サファイアから登場する御三家ポケモン

■データ


全国図鑑No.260
分類:ぬまうおポケモン
英語名:Swampert
高さ:1.5m
重さ:81.9kg
タマゴグループ:怪獣/水中1
性別比率:♂87.5♀12.5

タイプ:みず/じめん
特性:げきりゅう(HPが1/3以下になると水タイプの技の威力が1.5倍になる)
隠れ特性:しめりけ(互いの爆発技、特性「ゆうばく」を無効にする)

HP:100
攻撃:110
防御:90
特攻:85
特防:90
素早さ:60
合計:535

努力値:攻撃+3

ミズゴロウがLV16でヌマクローに進化
ヌマクローがLV36でラグラージに進化。


■概要


ホウエン御三家の水タイプであるミズゴロウの最終進化形。

青色のカエルやサンショウウオ、ムツゴロウを合わせた怪獣のようなモチーフが特定しにくい姿をしている。

その硬い腕で1トンもの岩石を砕いたり軽々と持ち上げ、大型船を引っ張ったり出来るものすごいパワーを持つ。
また、濁った水の中でも周りを見通せるほどの視力を持ち、ジェットスキー並みのスピードで泳ぐ。

ヒレで潮風や水流の僅かな違いを感知して、嵐を予感し海岸や美しい砂浜にある巣をそのパワーで岩を積み上げて守る。



2chのとあるスレではその姿をネタに

「ラグラージってキモいよね…」

「いやラグラージはキモくないよ!(゜∀゜)キモクナーイ!」

等のやりとりが頻繁になされいつの間にかその「キモクナーイ」という通称が定着した。


キモクナーイ!!

ただ、実際のところ多分にネタ的な意味で使われている節が強く、実際に「キモイ」という評価が多数派かというと微妙なところ。
確かに今までのポケモンからするとやや違和感のあるデザインなのは事実だが、実際のところ第三世代でのデザインの方向転換の象徴ともいえる存在。
そのため、「キモイ」「キモクナイ」以外に「可愛い」「カッコいい」「渋い」など結構色々な評価が散見される。ある意味絶妙なデザイン。

このキモクナーイ騒動については当時のゲーム内でのドット絵の影響も大きいと思われる。
当時のルビー・サファイアゲーム内でのドット絵は後に公開された公式絵と比べると目元がややギョロっとしており少々イメージが違う物となっている。
良くも悪くも爬虫類的で進化前のミズゴロウ・ヌマクローの可愛らしいイメージからは少しかけはなれていたため人によっては少しびっくりしてしまいかねないグラフィックだったのだ。
ポケモンが好きでポケモンのゲームからしっかりやり込むタイプの人の場合、この少々公式のイメージと違うドット絵がラグラージとのファーストコンタクトになる事も決して珍しい話ではなくこの姿がそのまま脳内に焼き付いているトレーナーも少なくなかっただろう。

この『公式絵とドット絵のイメージの乖離』がそのまま『キモい、キモクナイ』という言い合いに繋がった可能性は否定しきれないだろうと思われる。

■ゲームでのラグラージ


ルビー・サファイアにて御三家の一匹であるミズゴロウを進化させることで入手できる。

基本的に水タイプの御三家はストーリー攻略において優遇されやすい傾向にあるが、中でもこいつは特にその傾向が強い。

能力値がかなり高い上にヌマクロー以降は地面タイプが付与され、攻撃面はもちろん、耐性面でも弱点のみと非常に優秀。
この複合タイプはヌオーという先駆者がいるが、こちらは御三家らしく高い種族値からより旅パ向き。
ホウエン地方では使いやすい地面タイプがゴローニャ系統と手間のかかるフライゴン系統しかいない。
一方で草技が4倍ダメージとなってしまう点には注意が必要。
ライバルが使うジュプトル対策にスバメなりズバットなりを育てておくのがオススメ。

ルビサファのジムリーダーには草タイプ使いがいないためほぼ全てのジムリーダーと互角以上に戦える。
更に「すてられぶね」で「れいとうビーム」の技マシンを入手すれば相性的な死角はほぼ無くなる。

ORASでは「れいとうビーム」を入手できる期間が伸びた代わりに、「いわなだれ」を自力で覚えるためナギチルタリス等厄介な相手にも対応できるように。
さらにメガシンカにより安定感は非常に増しており、ダイゴメガメタグロス相手でも安全に対応できる等、本編での使い勝手もリメイク前よりさらに良くなった。

その異常な安定感から最初から最後まで常に活躍してくれる非常に頼もしい存在。

なお、USUMまで「うずしお」「ハイドロポンプ」はミズゴロウの時しか覚えなかったが、剣盾から進化した後もレベルアップや技マシンで習得できるようになった。

HGSSではレッド撃破後にシルフカンパニーでダイゴからホウエン御三家のどれか1匹を貰える

剣盾では他のホウエン御三家と共にDLC冠の雪原」で復帰し、ダイマックスアドベンチャーの道中でヌマクローとラグラージが時々出現する。


トレーナーでは、フロンティアブレーンヒース(銀、金シンボル)、シャドー幹部のダキム(初戦(ヌマクロー)、ボトムコロシアム)が使用する。


■対戦でのラグラージ


素早さ以外の全ての能力がかなり高水準にまとまっており、特に攻撃力に優れる優秀な重アタッカー。

更に前述の通り恵まれたタイプを持ち弱点は草タイプのみ。ただしその草タイプは四倍ダメージを受けてしまう。

なんと種族値の合計が全御三家中最高の値を誇り、
能力バランスも安定感が抜群なことから対戦面での人気は御三家の中だとどの作品でも比較的メジャーなほうである。

その単純に高い攻撃力から放たれる「じしん」等の物理技の威力は勿論、
その高い耐久を活かして「のろい」を積んだり、「ミラーコート」「カウンター」でダメージを反射したり等、
水タイプの御三家らしく、その戦法は多彩で器用。

草タイプに弱いのは大きな欠点だが、耐久力がかなり高く生半可な草技では一撃で倒す事は難しいため下手に草技を使うと反射技で痛い目に合う。
リンドのみ」を使えばタイプ一致の草技ですら倒しきるのは難しく、反射技や技で返り討ちにもできる。


苦手な草タイプに有効で「じしん」との相性補完に優秀な氷タイプの物理技を二種類も覚えてくれるのも嬉しいところ。
素早さの低さから「ゆきなだれ」との相性がかなり良いが、交代読みで撃つ事を考慮する場合は「れいとうパンチ」も候補。

ちなみに「じしん」と範囲が被り気味なためか、水御三家にもかかわらず「たきのぼり」等の水物理技の採用率は低めだった。
現在では長所の一つである対面性能の補助になる「ねっとう」の存在やメガシンカ修得により雨下で戦う状況が増え、水技も普通に使われている。

何気に600族のほぼ全員と割と有利に戦える等、さりげなくメジャー所に強いのもラグラージの強さの要因の一つ。

ダイビング」「あなをほる」「きあいパンチ」「カウンター」「ミラーコート」と「ねこのて」を阻害しない技の使い手としても優秀。
そのため「ねこのて」を主軸とするレパルガッサや「りんしょう」パ等でも活躍が見込める。

HGSSでは新たに遺伝技で「あくび」を習得し流しの能力にさらに磨きがかかった。

しかし近年の対戦環境では火力を中心に若干インフレに置いていかれてる気配があり、単純なアタッカー型は鳴りを潜めている。
現在の主流は先発に出して「あくび」「ステルスロック」をばら撒く起点作り型。
同様の起点作りの比較対象でカバルドン等がいるが、弱点が少ないので不意の一撃で落ちることがあまりなく、役割遂行が容易。
剣盾ではタイプ一致の交代技「クイックターン」を習得するようになったので、起点を作りながらのサイクルも容易になった。

ポケモンSVでもレギュレーションFから参戦。はたきおとすも取得し、ますます起点ポケモンとして活躍するか………と思いきや4倍弱点がとれるかつラクラージより早く動けるオーガポンテツノツツミジャローダの存在や新たな起点ポケモンとしてブリジュラス、また同じ水御三家かつサブウエポンにエナジーボール覚えるアシレーヌの存在が逆風となっている状況であり、一応使用率上位に入ってるが以前ほどの活躍は難しくなっている。


隠れ特性はまさかの「しめりけ」。「だいばくはつ」が弱体化した第五世代でまさかのしめりけ(笑)である。
そのガッカリさは加速アチャモ欲しさに攻略本を買った人を絶望させるほど。
爆発したい、でもできない。
まあ起点作り型で採用する場合や水技の火力をあまり重視しない、または水タイプの攻撃技自体を採用しない場合は一考の余地があるので救われている方である。
なおそのガッカリ加減が尾を引きすぎて、湿り気ミズゴロウの入手難易度は剣盾で再登場するまでは非常に高かった。
だが、この特性はSM・USUMでは意外な所で活躍する事に。対戦では察しろ
剣盾以降は特性パッチやダイマックスアドベンチャーでの隠れ特性個体の登場で入手しやすくなっている。

そしてバシャーモに遅れつつもリメイク作ORASにて遂にメガシンカを獲得した。



■メガラグラージ


上半身の筋肉が大きく発達し、よりいっそう、たくましい姿となった。
水中での行動に必要な力も強化され、陸上でも水中でも、その強靭な力を発揮する。


タイプ:みず/じめん
特性:すいすい(天候が雨の時、素早さが2倍になる)

  • 種族値
HP:100
攻撃:150
防御:110
特攻:95
特防:110
素早さ:70

上半身が肥大化した非常にマッシヴなデザインに変化した。通称「ゴリラージ」。

能力上昇は攻撃に+40・防御・特防に+20・特攻・素早さに+10。
見たとおり、メガシンカの中でもかなり理想的な能力上昇となっている。
攻撃に偏った能力上昇となった為、メガシンカ前と違い物理1本の方が戦いやすいだろう。

特性は「すいすい」に変化する。このゴリラ何て速さだ!
ルンパッパと同速の70になった為、雨前提で動かすなら無理に素早さに特化する必要はなく耐久にも振れる点は嬉しい。
特性を活かすのなら特性「あめふらし」のポケモンは必須。第七世代ではペリッパーと非常に相性がよく、ラグラージが苦手とする草タイプにはペリッパーのぼうふうが、ペリッパーが苦手とする電気や岩タイプにはラグラージの地震が刺さる。
但しXYからそうなのだが、天候は5ターン(湿った岩持ちだと8ターン)しか持たない。無理に活かさず素で戦う事も考慮に入れよう。
第六世代では仕様によりメガシンカしたターンはメガシンカ前の素早さが参照される(=すいすいも反映されない)という仕様でまもるが必須だったが、第七世代ではメガシンカ後のものが反映されるように改善された。

特性を活かさなくても、上記の通り耐久の数値はH100・BD110とやたら硬い(種族値だけ見ればスイクンに匹敵する)。
「もっと硬い奴は多い」? 忘れてませんか? ラグラージは水・地面タイプなんですよ?
つまり弱点は草4倍のみ*1弱点一つでこの硬さは反則である…。
逆に言えば草タイプの技で軽く捻り潰されると言うことでもある。草タイプ相手の場合は大人しく退こう。
後、先制技が無いので不意の相手の先制攻撃にも注意したい。
また強力な積み技もないので物理耐久が高いポケモンに案外弱いが、あくびで誤魔化すことはできる。

ちなみに水等倍なので水技を受けるのが辛そうに感じるが、
ラグラージが耐久無振りでも、特攻に特化してさらに雨補正をかけ、命の珠を持たせたキングドラのドロポンでようやく低乱数1発である。なんだこのエグい耐久。

なお通常ラグラージが「げきりゅう」を発動するとメガラグラージを上回る威力の「たきのぼり」を撃てる。
そのためメガシンカ型でも「しめりけ」の採用率は低い。
USUMではズガドーンの「ビックリヘッド」が適用技になったが、いかんせんズガドーンを見ること自体少ないので……



■映画でのラグラージ


ポケモンレンジャーと蒼海の王子 マナフィ』のオープニングにRS男主人公(ユウキ)と思われるトレーナーのポケモンとして登場した。
ゲームで男主人公を選んでミズゴロウをパートナーにした人ならニヤリとしただろう。
本編アニメに登場できなかったのが激しく悔やまれる。


■アニメでの登場


本編アニメではタケシの手持ちにミズゴロウがおり後にヌマクローに進化したがラグラージには進化せずに終わってしまった為、
ゲストポケモンという登場に留まってしまった。
すてられ船でトレーナーとはぐれ、野生化した個体や下水道に住みテリトリーに入って来たサトシを攻撃した個体等サトシ達とは敵対するものが多かった。
そして何故か不衛生な場所によく現れた。
ちなみに下水道にいた個体はピカチュウの「10まんボルト」を普通に食らって痺れていた。アニメではじめんタイプは無かったことになっているのだろうか…。

かと思いきや、バトルフロンティア篇でヒースがウインディと共にラグラージを出した時には、
サトシが「ラグラージはみずとじめんだからでんきは効かない」と言っていたり扱いがよく分からない。

バシャーモはジョウト編で先行登場を果たし、サトシのエースであるリザードンと互角以上の戦いを繰り広げ、倒した。
ジュカインはサトシのピカチュウやリザードンに次ぐAG編のエース枠で、後のシンオウリーグで出場ポケモンの中で唯一タクトダークライを倒した上、
両者共AG編ラストのサトシvsハルカにて互いのエース対決を繰り広げたという破格の扱い。
同じホウエンの御三家なのにこの差はあんまりである

少なくとも子供票は完全にかっさらわれている。


新無印には105話に登場。
ジムリーダー兼コンテストマスターのミクリの手持ちとして登場し、サトシのカイリューとバトルした。

■ポケモンGOでの登場


ポケモンGOではゲームシステムの都合、攻撃側においては中途半端な火力と技構成、優秀な耐性と低くはないHPと防御の種族値も防御側(ジム防衛)なら相手は対戦する前から次の相手はラグラージだと開示されてしまうため先出し草タイプ余裕でしたされてしまう…などと優秀なのにシステムに愛されず若干不遇…

…だったがアップデートによりジム戦とは全く違う仕様の対人戦の導入、そして期間限定で習得できた高火力低燃費の2ゲージ技「ハイドロカノン」の追加によりカイオーガに並ぶ一気に環境トップクラスの水ポケに昇格。
ポケモンGOにおいては通常攻撃の「ノーマルアタック」、ノーマルアタックを使う事によって上昇するゲージを消費して発動する「スペシャルアタック」を1つか2つ、合計で2種もしくは3種の技で戦うシステムである。
ラグラージはそれなりの威力と最速のゲージ回収力を誇るノーマルアタック「マッドショット」をタイプ一致で扱う事が可能で、2ゲージ技(1ゲージわざの半分のゲージで発動できる)かつ高火力のハイドロカノンもまたタイプ一致で連射可能なのだ。

ポケモンGOではそのポケモンの全ステータスを合計して算出される「CP」を基準に、
CP1500以下のスーパーリーグ、CP2500以下のハイパーリーグ、CP無制限のマスターリーグの主に3つのレギュレーションで対戦が行われるが、
ラグラージはその全てのリーグで高い採用率を誇る。
特にハイパーリーグは天敵となる飛行/ドラゴンタイプや草タイプを選出されにくく、逆に極めて採用率の高いレジスチルなどの鋼タイプにめっぽう強いためラグラージの採用率が最も高く、対策が必須である。
全てのリーグで顔を見る採用率というのはラグラージ以外だと(ポケモンGO的に)技と耐性が極めて優秀なメルメタルくらいのもので、そしてラグラージはそのメルメタル対策筆頭であり、ラグラージに有利なポケモンの殆どがメルメタルに不利。…後はわかるな?
さらに、2022年4月の復刻コミュニティデイにて、ミズゴロウが大量発生し、多くのトレーナーがハイドロカノンラグラージを持つようになった。そのせいでくさタイプのポケモンの使用率が大きく上がり、ラグラージの姿を見なくなった。

ジム戦と異なり対人戦では相手の手札は実際に出されるまで不明なため、くさ以外弱点がない優秀な耐性も非常に厄介。
後出しでくさを放り込まれても、2つ目のスペシャルアタックに毒技の「ヘドロウェーブ」を備えておけば一矢報いるくらいはできる。1ゲージ技だがマッドショットの回転率なら交代の隙に十分ゲージ回収は可能である。
…とはいえくさどく複合で等倍だったり、シールド(1試合中2回だけスペシャル技を完全に防げるシステム)を張られたりするので後詰めはキチンと用意して交代させてあげよう。
(まだフェアリーがそれほど猛威を奮っていない世代ゆえに)アタッカー採用率の高いドラゴン対策を兼ねる氷、高火力高耐久なメジャーポケのメタグロス(コメットパンチ習得)対策も兼ねる炎あたりでサポートしてやれば安定感はぐーんと上がる。


ポケットモンスターSPECIALでの登場


主人公の一人、ルビー手持ちである。
ニックネームは「ZUZU」。
こちらでは活躍の場が多い。





ラグラージ「オニイサンオニイサン、ワタシキモクナーイ!!」





第五世代にて、本当にキモいやつが現れた。
こちらの最終進化であるガマゲロゲもみず・じめん複合。






時の流れはうつりゆけども変わらぬその身のたくましさ
ほとばしたるは追記・修正!

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最終更新:2024年12月11日 20:17

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