おりもの・かゆみ

公開日:2016/03/28

最終更新日:2023/06/26

鶴賀 哲史 先生

この記事を監修したドクター

東京都立駒込病院 緩和ケア科、東京大学医学部附属病院 届出研究員鶴賀 哲史 先生

正常なおりものは腟の自浄作用です

おりものや外陰部のちょっとしたかゆみは、病気ではありません。正常なおりものの色は、透明か白っぽい色で、下着などについて、乾くと薄黄色に変色します。臭いは、かすかに甘酸っぱさがある場合が多いです。

おりものは、腟の中を酸性にして適度な潤いをもたせることで、細菌などの侵入を防いだり、性交渉の準備をしたり、妊娠しやすい状態を作ったりする大切なものです。

おりものの異常で多いのは腟炎です

女性ホルモンのバランスや体調が崩れると腟炎を発症することがありす。おりものの色が緑、黄、茶色などだったり、強い臭いがあったり、量がすごく増えた場合には腟炎を疑います。

カンジダ腟炎は、免疫力の低下などでよく起こる腟炎です。性感染の場合もありますが、性交渉がなくても発症します。

どんな病気の可能性がありますか?

腟の分泌物の細菌培養による検査を行います。

次のような特徴的な症状がある場合には、検査をしなくても診断できることがあります。ヨーグルトやカッテージチーズのようなおりものがある場合はカンジダ腟炎、下腹痛や緑がかったおりものがある場合にはクラミジア(血液による抗体、もしくは頚管内での抗原採取で診断します)、アワアワの黄色のおりものの場合はトリコモナス腟炎を疑います。初期のヘルペスや尖圭コンジローマでないことも確認します。

生理中でないのに血液が混じっている場合には子宮頸がん子宮体がんなどの悪性の病気の場合もあります。

腟錠(抗真菌薬、抗菌薬)で比較的簡単に改善することが多いです

腟炎の場合は、治療しなくても良くなる場合もありますが、適切な治療を行うことで治るまでの期間が短くなります。

性感染症の場合には、パートナーにも性感染症(STD)などの疑わしい症状がないかを確認することも大切です。性感染症の場合、パートナーと同時に治療をすることが重要です。治療して治るまではセックスは控えましょう。

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